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夏祭

DiskDream Windows95/98版 18禁 アドベンチャー
一押し:橘みやの
 発売当初、それなりに評判で、自分もチェックしていたのでいつか買おうと思っていたのですが、先日新品が安売りされていたので時季外れではありますが、買ってきました。

 主人公は、田舎町から東京の大学へ進学した学生。田舎の叔母の皐に、地元の二神祭という祭りの準備の人手が足りないから帰省してほしいと言われ、久しぶりに帰ってきた。主人公が田舎に帰るのに使った同じ電車から、一人の女性が降りた。少しの時間の後、彼女が幼なじみの「橘みやの」である事を思い出した主人公は、彼女とともに懐かしい村を歩く。8年ぶりの帰省になる彼女と主人公、そしてその二人の幼なじみの一乃原麻由、過去にいろいろあった3人が再会する事でどうなるのか。そして、他の主人公の知り合いとの再会はどう影響するのか。

 このゲームも最近の流行通り、物語主導の選択肢の少ないアドベンチャーです。ゲームのメインである二神祭の最中は、場所を選んで時間が経過するタイプの移動モードが間に挟まれます。もちろん、ヒロイン達の居場所は時間と場所できっちり決まっています。とはいえ、行ける場所は少ないですし、シナリオの進行如何で結構予想できますが。
 このゲームではヒロインとの出会いを語ったりする為に、頻繁に回想シーンに突入します。くどいと思いつつちょっと面白いと思ったのは、これがただの回想シーンばかりではなく、回想シーン中にも選択が用意されており、その過去での選択が現在に影響することがあるのです。
 あと、このゲームは「しおり」という形でセーブデータを管理し、そこにはプレイ回数がカウントされます。この回数によって一部のキャラはクリアできるフラグが立つようになります。

 シナリオは、上記の導入紹介にあるように幼なじみの三角関係の確執だとか、そういうものがしっかり描かれていて好感が持てます。ただ、前述したとおりやたらめった回想シーンに突入する事や、主人公が饒舌すぎると感じるところがあったのが残念なところですね。それとシナリオの進行がプレイヤーの場所選択にかかっている部分が大きくて、1日目に何も起こさないと、何も起こらずに3日が過ぎ去ってしまいます。物語がクライマックスになっても、自分の移動がまずいと、物語が収束しないまま時間切れになったりしますし。一応、ゲーム中や失敗した後にはヒントが見られるのですが、それよりはもうちょっとゲーム自体を親切設計にしていておいてくれたほうが有り難かったように思います。

 CGは、充分美しいです。特にHシーンの肌のつや等は、汗を感じさせてとても艶っぽく感じました。立ちCGと1枚絵で違和感を感じることも少しありましたが、問題ないといえるレベルだと思います。
 音声もキャラの雰囲気にあっていて良いです。音楽……というか、ゲーム中バックに流れる音は環境音を多用していて祭りの臨場感を出しています。
 システムも、読み返し機能こそありませんが、必要な機能はきっちり押さえてあります。ただ、しおりによるセーブ方法はちょっと解りにくかったですね。個人的にはHシーンの音声だけオフにできる機能は非常に有り難かったです。

 不満点は、前述したとおり何も起こらないでさくっと終わってしまうことがあるということと、ヒロイン毎に結構エンディングが複数用意されているのにメッセージスキップがあまり速くない事でしょうか。あと、クリア後にシーン回想が出来るようになるのですが、それの表記がナンバリングされているだけで、説明が全くないので非常に解りにくいです。クリア後と言えば、CGの達成率もパーセンテージで示されるのですが、サムネイルなどがある訳ではないので、あと何枚足りないのか、どのへんで見落としているのかが解りにくいです。

 プレイ時間は何も起こらなければ1時間程度、ちゃんとヒロインのシナリオに乗ってクリアすると5時間程度でしょうか。小粒ながら割と楽しめました。最近はどこでも割と値引きされてい売っているようなので、興味がある方は買ってみてはいかがでしょうか。

猪名川でいこう!!

リーフ Windows95/98版 18禁 アミューズメント
一押し:桜井あさひ
 「さおりんといっしょ!」「初音のないしょ!」に続くリーフアミューズメントディスクの第3弾です。今作は値段は高くなりましたが、CD2枚組となっています。

 内容が内容なので、各項目を紹介してそれぞれに対して少しずつコメントしていきます。
・「猪名川でいこう!!」本体
 初音のないしょ!のクリックアドベンチャー的な部分を更にパワーアップして、こみっくパーティのキャラが総出で出迎えてくれます。また、各メニューを起動するランチャ部分も統合していて絵的にもプログラム的にも面白い作りになっています。メニュー切替時の、メガデモ的な演出はDirectX7の機能なんでしょうかね。
・「まじかる☆アンティーク」デモ
 リーフ次回作の紹介デモです。今まで数枚のイラストしか公開されていなかったこのタイトルが実際にどんな風に動くのかが見られます。これも絵的に面白いですね。2Dっぽいキャラが2Dっぽい背景の中をきっちり3Dっぽく移動したりするのは、かなり新鮮です。キャラクタ紹介で、一部のキャラが年齢を自称しているのですが、その数字とキャラのイメージにあまりにもギャップを感じてしまった事以外はいい感じです(笑)。
・「葉っぱサスペンド劇場・流れ同人作家旅情編(3)」
 こみっくパーティの番外編ミニアドベンチャーです。システムはこみっくパーティのアドベンチャー部分そのままです。このシナリオはパラレルワールドということになっているのか、主人公の名前が本編のデフォルト名と違っていますね。登場するヒロイン達も本編よりかなりデフォルメされて描かれていますので、あくまで「これは別物だ」という強い意志を持って望む事をお薦めします。選択肢は多くないですが、それなりにシナリオは分岐します。音声がないのが残念ですが、充分楽しめるだけのボリュームがありました。
・「三大オタク・こみパ最大の決戦」
 こみっくパーティのキャラを使った、すごろく+クイズゲームです。全体がステージ7つに分かれていて、各ステージの最後にはボスキャラが待ち構えています。各ステージは、サイコロで進むフィールドで構成されており、各マスにはヒロインマスがあったり回復マスがあったりします。どのマスに止まっても、ほとんどの場合何らかのクイズが行われます。クイズはノルマクリア制です。早押しで正解すると、早押しゲージが貯まっていき、これが満タンになるとライフが1回復します。ヒロインマスをクリアすると出題したヒロインの好感度が少し上がります。回復マスならライフが1回復します。また、デートマスに止まった場合は、任意のキャラ(男含む)とデートすることができ、大幅に好感度を上げることができます。ボスマスでは強制ストップになり、非常にノルマの多い状態をクリアしなければなりません。ステージをクリアすると各キャラの好感度が少しずつ減少します。そして、ステージ7クリア時に、好感度が一定以上のキャラがいれば、その中の最も好感度の高いキャラとのエンディングを迎える事になります。
 クイズは、文字での出題だけでなく、選択肢が絵であったり、モザイクがかかった絵が見せられ、少しずつモザイクが細かくなっていくタイプのクイズがあったり、イントロクイズなどもあり、なかなか楽しめます。が、こみっくパーティがテーマなだけにちょっと出題がマニアックな部分がありますね。とはいえ、出題範囲はリーフのゲームが中心ですから、予想できる範囲ではありますが。あと、気になったのが好感度を上げていかないといけないゲームなのに、進行はサイコロで完全にランダムだという事です。ゲーム全体のイメージとしては、ヒロインがクイズを出題して好感度が上がっていったり、ステージの最後にボスがいたりするところ等、カプコンの虹色町の奇跡と似ているのですが、こちらは進行がルーレットだったので、目押しである程度調整が出来たんですよね。そのへんが残念なところです。
・「NIGHT WRITER」
 最近流行のタッチタイプのゲームです。主人公は代々伝わる退魔師の家系の末裔。子供のころ契約を結んだ天使コリンの成績を挽回する為の口車に乗せられ、最近付近の街を徘徊しているという魔の者達を狩る事になったのだか……という様な物語です。天使コリンや主人公等はこのナイトライターオリジナルのキャラですが、戦う魔の者達というのは、リーフファイトTCGでもおなじみのナイト雀鬼の面々です。タッチタイプゲームということで、ちゃんとホームポジションから順番に説明してくれますので、勉強にも使えるでしょう。ゲーム中で倒したキャラはメニューから直接選択して練習することができるようになります。
・「Memories of White」
 リーフスタッフによる「WHITE ALBUM」の同人誌と言ったところでしょうか。「オリジナルデジタルブック」と銘打たれていますが、構成はまさしく「ブック」で、段組みされていたりフォントが小さかったりで、モニタ上で読み進めるのはちょっと大変です。私は結局小説部分は読まずに最後の方の漫画などしか見ていません。できれば印刷物としてみたかったところです。
・「Filsnown for Windows」
 「雫」の一つ前に発売されたリーフのRPG「Filsnown」のWindows移植版です。CGの描き直し等はなされていませんが、その分98DOS版と同等の感覚で遊べるように工夫されています。キーボードも完全対応で非常に遊びやすかったです。内容・システムはドラクエタイプでしょうか。ドラクエ同様、マップを自由に移動できる乗り物が手に入った瞬間、どこに行っていいのかわからなくなりますし(笑)。元は単品で発売されていたゲームだけに、充分な遊び応えがあります。ちょっと絵が16色の頃のままなのが寂しいですが、演出の端々に雫や痕に通じるところを感じたりして、かなり楽しめました。

 主な内容はこんなところで、他にもイラストギャラリーや、デスクトップテーマ集等も収録されています。値段は5800円と今までのシリーズに比べると高くなっていますが、相変わらずボリューム満点です。
 とはいえ、こみっくパーティやWHITE ALBUM、特に前者を知らないと楽しめないと思います。もちろん、知っている方には強くお薦めできます。

Treating 2U

BLUEGALE BGCD-015 Windows95/98版 18禁 ほのぼのアドベンチャー
一押し:堤伊之助
 雑誌広告や雑誌記事などで、非常にやさしい雰囲気の絵を見て、興味を持っていた作品です。

 主人公「堤伊之助」は、最近名が上がって来たインディーズバンド「Jaketed Bullet」のボーカル兼ギタリスト。そんな伊之助が今病院に入院している。少し前から風邪のような状態になり、普段なら寝てなおるところがそれでなおらなかったのを見て、バンドの他にメンバーに病院に担ぎ込まれたのである。そして、病院をたらい回しにされたあげく、出てきた結果が「入院」であった。何が悪いというわけではないが、検査の結果に疑わしいところがあるという事で、である。そんな状態の伊之助に入院患者としての自覚があるわけもなく。病院の中を歩き回ったり、部屋に人が居なくなった時にギターの練習をしたりする日々を過ごしていたのだった。そして、病院で働く人達や、他の入院患者、外来の患者達との交流の末、伊之助はどう進んでいくのだろうか。

 ゲームは、選択肢の少ない物語主導のアドベンチャーです。前半の選択・分岐によってエンディングを迎えられるヒロインが決まり、クリスマスパーティで候補の中から一人を選ぶ事で、そのヒロインの物語が展開するというシンプルな構成です。
 画面は、基本的に顔ウィンドウの付いたメッセージウィンドウが上下に2段表示され、この2段で掛け合う事で進行します。面白い形式ではありますが、ちょっとメッセージを読むのが大変に感じるときもありました。
 システム的には、メッセージの読み戻しを含めて大体無難なところはきっちり押さえています。特殊なのは、スキップモードの設定でしょうか。一般的なスキップは、選ぶと次の選択肢までメッセージがどんどん表示されてきますが、これの他に、次の選択肢まで一気に進むものも用意されています。繰り返しプレイする際には非常に役立つ機能です。ただ、この機能を使うと選択肢の前後関係が解りにくくなるのですが、ここからメッセージの読み戻しが出来ないのはちょっと不便でした。

 このゲームのポイントは主人公「堤伊之助」の前向きな姿勢とそれを裏付ける行動力、成果、それらに惹かれて自然に集まってくる人々との交流だと思います。久しぶりに「この主人公でなきゃ」と思える、良いキャラクタでした。主人公とヒロイン達以外のキャラクタ達も魅力的に描かれていて、伊之助が退院するときには自分も寂しくなってしまいました。
 前述したとおり、クリスマスパーティ後に各ヒロインとの物語に分岐するのですが、この前半と後半でちょっとイメージが変わります。まあ、大体の場合後半に入ると一部の重要な役割を果たしていたキャラと別れる事になりますし、伊之助自身も退院してしまうので無理もないのですが。
 とはいえ、後半の物語も前半で充分にキャラを掘り下げられているおかげで、ばっちり感情移入できます。特に杏奈シナリオから分岐する伊之助エンド等は、非常にもどかしく悲しく、それでも前に向かって進む事を止めようとしない伊之助の姿勢に、胸が締め付けられ涙してしまいました。

 また、絵的に非常に奇麗な、他のゲームで見たことのないカットが多いのも良いです。霞夜にルージュを引いてあげる伊之助の絵や、ル子にペンダントをつけてあげている絵、あと広告やパッケージで使われている建を抱えてギターを引く伊之助の絵など、このゲームの優しい雰囲気を解りやすく表現していると思います。

 そして、歌です。このゲームは主人公がバンドのボーカリストと言う事で、要所で唄うシーンが出てくるのですが、これがツボを押さえています。歌自身もちゃんと男性ボーカルで、今風のイメージを損なわない格好いい曲です。ただ、前半の「bite on the bullet」を流す所は文句なしだったのですが、後半の「Treating 2U」を流す所はちょっと場所が悪いと思いました。この曲はほとんどエンディングの直前に使われているのですが、エンディングでもこの曲が流れるんですよね。なのに、ゲーム中もエンディングでもフルコーラス流してしまうというのは、ちょっとくどいのではないかと。いっそ、ゲーム中に流す「Treating 2U」は1コーラスバージョンにするとか、もしくはここでもうスタッフロールを流してしまうかしてしまえばいいのに、と思いました。

 他に思ったこととしては、基本的に伊之助視点でゲームが進行するのですが、時々これが他のキャラ視点に変わることがあり、混乱させられました。この辺はうまいことカバーしてほしかったですね。

 と、少しずつ文句も書いていますが、私はこのゲームを非常に気に入りました。「○○みたいなゲーム」という表現が出来ないので、説明は難しいのですが「優しい雰囲気のゲーム、優しい気分になれるゲーム」をプレイしたい人には文句なしにお薦めできます。
 一押しにはなんと主人公(もちろん男)の名前を挙げています。ヒロインなら、杏奈が一押しなんですが、全体を見るとやはりこの話は伊之助が一押しですね。彼の考え方やそれを実現してきた行動力を見ると、男としてもぜひ友達になりたいと言えるキャラです。他のキャラ達も嫌いと思えるのは、明らかにシナリオ上悪役として登場する奴等だけで、他のキャラ達はみんな好きと言えます。

逢魔ヶ刻の記憶

BLACKPACKAGE Windows95/98版 18禁 ミステリーアクションアドベンチャー
一押し:敷島清華
 やわらかそうな絵柄に興味を引かれていたのですが、店頭でパッケージを手に取って探索シーンというSDキャラが動き回るパートを見て面白そうに思ったので購入しました。

 主人公は「ミステリー研究部(以下ミス研)」の部長。ミス研は部を名乗っているものの、メンバーは自分と幼なじみの「上郷静音」の二人だけである。学園の規則では部員が5名以上いないと「倶楽部」として認められないので、ミス研は「自称倶楽部」の一つである。そんなミス研は倶楽部運営会の「今川蛍子」に目をつけられており、廃部の憂き目を見ていた。早急に部員を獲得しなければいけなくなった主人公と静音は、部員勧誘を始める。そして、静音の友人の「敷島清華」と後輩の「犬崎五月」の入部によって、やっと軌道に乗りはじめたかと思った矢先に、ミス研の面々は大きな事件に巻き込まれるのだった。

 システムは時々選択肢が現れるタイプのアドベンチャーと冒頭に書いた「探索シーン」が組合わさっています。
 件の「探索シーン」は、はっきりいってうっとうしいだけの存在でした。要するにどこそこに移動してフラグを立てて、更に移動すると言う事に対していちいちマップを1区域ごとに移動して、操作毎にキャラが動き回って、ということをやらなければならないのです。しかも自由に動かせるわけでもなく、操作は画面下部に表示されるアイコンを押す事によって行なうのです。全体マップは最初から持っていますが、そこで場所を指定してワープしたりは出来ません。できる事も、移動と部屋に入る事、落ちているアイテムを拾ったり、何かを調べる事、人と話す事、後はアイテムを使う事くらいです。マップ構造がややこしいこともあって、ゲーム進行の妨げにしかなっていないように感じました。
 設定メニューなどは細かい設定が出来ます。最初の右クリックで文字を消すかメニューを表示する等を選択できるゲームを見たのは私は初めてです。

 シナリオの方は、なんだか断片的に興味深いのですが、断片的過ぎてすべてのエンディングを見ても全然すっきりしません。また、ヒロイン達が主人公を好きになる理由も説得力が余り感じられませんし、なんといっても主人公の行動がめちゃくちゃです。例えば、ちょっと悪口を言われたからといって、いきなり襲いかかってHしてみたり、ちょっとヒロインが後ろ向きで屈んでいて隙だらけだからといってパンツを降ろしてみたり。私は主人公の名前を変えられるゲームは大体名前を変えてから遊ぶのですが、久しぶりに後悔させられました。

 CGの方は期待通りでした。音声と音楽はゲームを妨げるものではなかったですが、あまり印象に残っていません。

 探索シーンのおかげで物語の流れが滞っていますし、そうでなくてもシナリオが断片的なせいですっきりしません。いっその事探索シーンをなくして間をきっちり文章で語ってくれればもう少し楽しめたのかもしません。どちらにせよ、この主人公では何があっても説得力がありませんが(苦笑)。ヒロイン達のキャラは悪くないだけにもったいないと感じました。

とらいあんぐるハートラブラブおもちゃ箱

JANIS/Ivory JJN-007 Windows95/98版 18禁 バラエティCD-ROM
一押し:椎名ゆうひ
 とらいあんぐるハート(以下「〜1」)、とらいあんぐるハート2〜さざなみ女子寮〜(以下「〜2」)のアクセサリやミニシナリオ等を収録したファンアイテムです。

 収録内容は、次の通りになっています。フルボイスショートストーリー「五月の雪」「猫たちの午後」、音声・壁紙チェンジャー、ゆいこのにんじん、デスクトップアクセサリ、バトルとらいカード、設定資料集、スクリーンセーバー、以上です。
 それぞれ簡単に解説します。
 フルボイスショートストーリー「五月の雪」「猫たちの午後」は、このファンディスクの目玉です。ショートストーリーとなっていますが、フルボイスですので、総プレイ時間は結構なものとなります。それぞれのシナリオに、〜1、〜2のキャラ達が出演しますが、どちらかというと「五月の雪」が〜1寄りで、「猫たちの午後」は〜2寄りです。また、「猫たちの午後」は「五月の雪」を見終らないと選択できません。とはいっても、別に続き物の話というわけではないのですが。それぞれシナリオ中に少し選択肢が現れますが、これはあくまで物語の小さな分岐を楽しむものであって、シナリオ自体は一本道のようです。
 音声・壁紙チェンジャーは、読んで字のごとくです。6種類の壁紙が環境に合わせて何パターンか用意されており、それとは別に「〜1」「〜2」のヒロイン達の、Windows起動/操作関連の音声が選択できるようになっています。これらは一つのアプリケーション上から選択できるようになっており、任意に閲覧/再生が出来、システムへの登録までその場で出来るようになっています。
 ゆいこのにんじんは、パズルゲームです。唯子を操作して、フィールドに配置されたニンジンを全部食べるのが目的です。唯子には重力が働いていて、足場のないところに進むと当然落ちてしまいます。また、フィールド上には一度通ると崩れる床や一度通るとちぎれてしまう蔦等があるので、頭を使ってすべてのニンジンをゲットせねばなりません。と、ややこしく書きましたが、簡単に言うと「敵のいない、床の掘れないロードランナー」ですね。アニメーションパターンなどは少ないですし、ゲームの難易度バリエーションも乏しく感じたので、あまり遊んでません。
 デスクトップアクセサリは野々村小鳥、仁村知佳、椎名ゆうひの3人のキャラのマスコットです。任意のキャラのプログラムを実行するとデスクトップに、3Dレンダリングで描かれたキャラが現れ気紛れに歩き回ります。このキャラを左クリックするとそれぞれに設定されたアニメーションを行ないます。また、メモ(セリフ)を設定して任意のタイミングで吹き出しの形で表示させることもできます。
 バトルとらいカードは、シリーズキャラを使ったカードバトルゲームです。手持ちのカードの中から3枚選んで戦闘を開始して、その3枚のキャラが全てHP0になると負け、逆に相手のカードのHPを全て0にするとステージクリアとなります。カードにはHP以外に4つのパラメタがあり、そのどれを参照して戦うかはルーレットによります。戦闘に使用するパラメタを決定した後に更に、乱数によるボーナスがありますので、相手に優るパラメタだからといって必ずしも勝てるとは限りません。それをどちらかのカードが全て力尽きるまで続けます。ステージクリアすると、先程戦ったカードの中から1枚をゲットすることができます。これも、いまいち楽しい部分が感じられなかった上に地味だったのであまり遊んでいません。
 設定資料集も読んで字のごとくですね。〜1、〜2に登場するキャラ達及び、「五月の雪」「猫たちの午後」に登場する新キャラ達の表情設定や初期設定ラフなどがHTML形式で閲覧できるようになっています。
 スクリーンセーバーも同じくです。「ゆいこのにんじん」「キャラ大集合」「とらいあんぐるハート」という3種類のスクリーンセーバーが収録されています。

 パッケージの値段も安く、盛沢山ではありますが、一つ一つの要素を見るといまいち弱いように感じます。楽しめたのはショートシナリオだけといっても過言ではないのですが、そのショートシナリオも〜1、〜2を知らない人にはキャラが登場し過ぎるうえにそれぞれの紹介がほとんどないので感情移入できないでしょう。とはいえ、それらを知っている私にはショートシナリオは充分楽しめましたし、ボリュームもなかなかです。
 あくまでファンディスクですので、シリーズ未プレイの人にはお薦めしません。逆にシリーズを気に入ってる人は必見でしょう。

月夜の瞳は紅に

DISCOVERY SDR-001 Windows95/98版 18禁 アドベンチャー
一押し:キコ
 主人公「雅人(名前変更不可)」は、放課後の屋上にたたずんでいた。学園のアイドルとも言える「国府田樹澄」先輩に告白する為に。そして、樹澄が現れ、張り裂けそうな胸の鼓動を押さえて告白した。返事は……「ゴメンナサイ」。放心して、そのまま家にも帰らず辺りをうろつき、気付くとすっかり陽は落ちてしまっていた。場所は近所の神社の裏の「封印石」の前。大昔の化け物を封じ込めていると言われる大きな石である。冷静になって、不甲斐ない自分と告白という暴挙に出てしまった自分に腹を立て、雅人はその封印石を蹴飛ばした。蹴ったぐらいではびくともしないであろうその封印石は、なんと鈍い音とともに倒れてしまい、まばゆい光を発した。我に返ると、いつからそこにいたのか、赤い瞳の少女が立っている。彼女の名はキコ。彼女は封印石から出てきた吸血鬼。長い間石に封じられてきた彼女は血を欲する。雅人は彼女が悪い物ではないと感じとり、彼女に血を与えたのだった。そして、恩返ししたいというキコを家に連れ帰り、雅人はキコの力を使って女の子と仲良くなろうと画策するのであった。

 ゲーム期間は、11月末からクリスマスイブまでの1ヶ月強です。一日は、朝・昼・夕方・夜に分割され、その合間には基本的に移動シーンが挿入されます。
 移動シーンでは、その時行ける場所のみが表示されますので、移動した先で何も起こらない、というような事はほとんどありません。また、何も起こらない時間帯は自動的にスキップされます。移動した先で、ヒロイン達に遭遇するとシナリオが進行し、時々2択から4択程度の選択肢が現れます。
 ヒロインの居場所は時間と場所が大体決まっています。「大体」というのは、一定の期間中にはそのイベントを見ない限り、同じ時間帯に同じ場所に特定ヒロインが現れるからです。親切ではありますが、迂闊にヒロインと会うのを先延ばしにしてしまうと、シナリオは正常に進行しているのに時間が足りないということになりかねませんので注意してください。
 このゲームの特徴は、キコによる特殊能力です。キコの能力は、魅了、感知、予知の3つがあります。魅了は、ヒロインとの会話中特定のタイミングで使える能力で、これを使う事でヒロインを魅了することができます。と言っても、その場での効果はほとんどなく、これは主に徘徊モードの為の能力だと言えるでしょう。感知は、移動シーンでいつでも使える能力です。これを使うと現在移動できる場所に誰がいるのかを事前に確認することができます。予知は、選択肢が出たときにいつでも使える能力です。これは、それぞれの選択肢を選ぶとどうなるのかをキコの言葉で教えてくれます。言葉少なですし、キコの言葉なのでいまいち判断に苦しむこともありますが、役に立たなくもありません。なお、これらの能力は無制限に使えるわけではなく、画面左の縦に長いゲージが使う度に赤く染まっていきます。これが完全に赤くなってしまうと、その日のうちは能力が使えなくなり、その晩にキコに血を求められます。あまりキコに血を与えすぎると……
 さて、魅了の説明で出てきた「徘徊モード」ですが、これはヒロイン達に魅了を一定回数以上使うと発動します。夜に無意識のうちに「キリコ」に起こされ、特定の場所にヒロインを呼び出し彼女達を「壊して」いきます。CGが見られるのは各ヒロインとも、4回に魅了を使って徘徊モードで呼び出したときです。但し、このゲームのハッピーエンドは、ヒロインを壊して陵辱する事ではありませんので、使いどころをよく考えましょう。

 CGは塗りがちょっと特徴的で、アニメ塗りっぽいのですが色合いが少しやわらかめです。立ちCGはちょっとばらつきがありますが、表情の付け方はなかなかうまいと思います。1枚絵は、ちょっと立ちCGと印象が変わりますが、これもちょっと癖がありますね。ちょっと口の描き方が独特でだらしない印象を受ける事があります。カットによっては表情と合っているのですが……
 このゲームは音声なしでインストールすると、ゲームCDをセットしておいても音声が出力されません。私はその方法でインストールしてしまったので、ゲーム中には音声は聞きませんでした。ためしに今音声つきで再インストールしてみたのですが、音声が付くシーンは非常に少ないですね。音声の質自体は悪くないと思います。
 音楽はMIDI演奏のみですが、これは聞き応えがあります。シーンとのマッチングはそれほど良くないですが、外しているというほどではありませんでした。

 物語は基本的にコメディタッチですが、スラップスティックというほどではありません。セリフなどに、ゲームやアニメのネタが出てくるのがちょっと人によっては受けつけないかもしれません。
 キコの能力によるダークサイドな部分は、単体として浮いているわけではなく、最終的に物語に連結するところなどは好感が持てました。

 全体的に悪くないのですが、良いと断言できる所もなく、よく言えば纏まっている、悪くいえば凡庸である作品だといえるでしょう。
 1プレイの時間は通しで4〜5時間程度です。癖のある絵が許容できて、吸血鬼ものが好きならプレイしてみてもいいのではないでしょうか。

尽くしてあげちゃう

トラビュランス TRB-00031 Windows95/98版 18禁 アドベンチャー
一押し:国府田薫子
 タイトルから連想される物とCGの美しさでチェックしていた作品です。

 矢島辰也(名前変更不可)は女性を立て、腕っ節も強い、自称硬派の学生。バイト先の酒屋で絡まれていた女の子を助ける為に3人相手に喧嘩をして、チンピラを追い払った。が、狭いところで暴れた為に、周りの商品の入ったケースが崩れてしまい、それに埋もれて病院に運び込まれてしまう。その病院で、自分に関る6人の女性(女の子)が鉢ち合せをしてしまう。自称硬派のニブチンである主人公は彼女達のそれぞれ対して何か思うところがあるわけではないのだが、彼女達は辰也の周りにこれだけの女性がいる事に驚き、闘争心を燃やす。その後、看護婦の知沙に童貞を奪われるという事態があったものの、無事退院した主人公。彼を気にしているヒロイン達はどう動くのか、そして主人公は最後に誰を選ぶのか。

 ゲームは非常にシンプルな構成で、物語を読み進め、時々現れる選択肢を選ぶ事でヒロインが選択され、そのヒロインとの物語が展開されます。これをくりかえして、最後にフラグのたったヒロインとのエンディングを迎えるという形です。物語はアイキャッチで区切られ、導入があり、移動先・行動を選ぶ選択があります。ここで会うヒロインが決定し、その後にヒロインの受け答えを楽しむ為の選択肢があります。これはどれを選んでも展開は変わらないみたいです。そして、Hイベントがありアイキャッチになります。一人のヒロインのHイベントを5つ見ると、ヒロインと結ばれるまでの物語が展開され、エンディングを迎える事になります。
 システム的に珍しいものとしては「TEBURAモード」でしょう。要するに自動的にメッセージ送りをしてくれる機能です。使い方によっては便利なのでしょうが、私は自分の速度で文章を読み進めたかったので利用しませんでした。

 絵は事前の予想通り美しかったのですが、カットによって多少のばらつきがありました。キャラが左を向いたときや正面を向いたときの鼻の描き方が原因なのでしょうか。特に、正面を向いた顔は作中盛り上がったときに利用されるアップのカットですから、ここはもうちょっと力を入れてほしかったように思います。
 音楽はポップで、ヒロイン毎にテーマ曲があり場面ごとの曲も的確に使われていたかと思います。オープニング、エンディングで使われているボーカル曲は、編曲もボーカルも悪くないのですが、メロディのインパクトが弱い為に損をしているように思います。

 物語の方は……予想していたのとは全然違って驚きました。コメディタッチなのは予想通りでしたが、私がタイトルから想像したのはヒロイン達の横のつながりがもっと強いものでした。主人公をゲットする為に張り合っているうちに引けなくなって、Hな事でも「尽くしてあげちゃう」というのが予想していたものだったのです。ところが、蓋を開けてみると彼女達は、単独で唐突に主人公にHなことをします。それも、普通ではなくかなり変態的な事を、です。ヒロイン達全員(厳密にいうと一人は違いますが)が、こんな行動パターンなのです。また主人公も「硬派」というには程遠く、軽いですし、ヒロイン達のHな行動にも流されるままです。また、エンディングが確定して各ヒロインの物語に乗ってしまうと、突然ヒロインは純愛モードに入ってしまいます。今までのHなイベントはなかったかのように、他の恋愛シミュレーションのヒロイン達の様に振る舞います。この辺が非常に違和感を感じました。
 決して面白くなかったわけじゃないのですが、ちょっと想像とかけ離れすぎていました。
 総合すると昔のHゲーム的ですね。唐突なHイベントとか、馬鹿っぽさとかが、それらを想像させます。

 1プレイの時間は、3時間程度でしょうか。お手軽なHゲームを求めている人向けでしょうか。但し、各ヒロインのルートに乗らないといわゆる「本番」はないのですが(笑)。

ぱらパラ

STUDiO B-ROOM Windows95/98版 18禁 ビジュアルノベル
一押し:八房苺
 殻の中の小鳥、雛鳥の囀等でおなじみのSTUDiO B-ROOMの新作です。

 主人公「千堂裕二(名前変更不可)」は、父親の仕事の関係でマンションで一人暮らししている学生。隣に住む、八房一家とは幼い頃からの付き合いである。八房家は、母親の桃子、長女林檎、次女苺の3人家族。林檎とは同い年なこともあって、幼い頃から仲良くしていて、そのまま付き合いはじめたような関係である。お互い好き合い、自然にキスもできる間柄。そして、些細な事から二人は愛しあう。しかし、肝心なところで林檎が嫌がり、裕二は放心する。そして、自己嫌悪に苛まれながら数日。ひょんなことから全てを桃子に打ち明け、相談する事になる。そして、林檎と裕二の喧嘩の原因を知った桃子は、裕二に女の身体を教えるのだった。彼女の母親と関係してしまい、彼女と喧嘩中で、慕ってくれるその妹もいる。そんな状況は彼らにどんな運命をもたらすのか。

 ゲームは、ビジュアルノベルということで、画面全体に文章が流れ、CGは基本的に暗く表示されています。そして、毎日0〜3個程度の選択肢が現れ、それを選ぶ事で物語が展開していきます。このゲームは、このタイプのゲームとしては珍しく、ヒロイン達に好感度等のパラメタが設定されています。これは画面には表示されませんが、プレイヤーの選択で上下し、これによって彼女達が自動的に訪問してきたり、彼女達に会った時に表示される選択肢が多くなったりします。そして、このパラメタはゲームクリア後に次回プレイにある程度引き継がれます。
 システムは、シンプルでスキップ動作のパターンが選べる以外は、他のゲーム達より選択が少ないくらいです。個人的には、既読・未読を判別するスキップ機能と、画面表示エフェクトの高速化、もしくは無効オプション、テキストの読み返し機能は付けてほしかったところです。セーブは毎日朝にオートセーブされるのとは別に5ヶ所セーブできます。但し、セーブが可能なのは、ゲーム中の朝、自分の部屋の背景が表示されている時のみです。セーブできる時とできない時が判別しづらいので、別にその日の朝に戻されてもいいから、いつでもセーブできるようにしてほしかったところです。また、ロードはタイトル画面のみで可能で、しかも最初に「スタート」ボタンが落ちてくるアニメーションが終わるまではロード不可状態になっています。これも、できればスキップできるようにするとか、アニメーション中でもロードできる様にするなどしてほしかったですね。
 操作系はマウスの他にキーボードに対応しています。マウスで操作できるアイコンが画面左に並んでいるのですが、これら3つのボタンに対応するキーが画面に常に表示されているのは親切です。ただ、このボタン以外の画面左部分でクリックをしてもテキストが送られないのはちょっと気持ち悪いです。こういう形にするのなら、アイコン以外の一切の操作を効かなくしておいた方がややこしくなくてよいと思います。

 CGは枚数は少なめですが、Hでいい感じです。背景も空気遠近法を意識して綺麗に書き込んでいます。
 音楽もPCMですが音質もよく、シーンにマッチングしています。ただ、音楽が無いシーンも多かったですが。あと、テキスト送りやボタンを押した時のクリック音などは、ちょっと耳障りです。

 シナリオは……体裁はビジュアルノベルなんですが、中身はパラメタゲームということで、パラメタがボーダーを越えない限り、延々同じテキストを読まされます。パラメタが表示されず、メッセージスキップが既読を判別してくれないうえに、読み返しも無いシステムで、この形は致命的ではないでしょうか。同じテキストが続いて飽きてきて、スキップしまくっていると未読のテキストが流れてきて、でも、未読の頭の方を読み飛ばしてしまって、読み返すことができない、そして、萎える。そんな嫌な状況に何度も陥りました。しかも、次回プレイに今回のプレイが影響するという形のおかげで、ゲーム中の選択肢だけではどうにもならない事もありそうです。
 文章自体は、悪くないです。Hシーンの描写が少ないという評判を聞きましたが、CG枚数を考えると最低限ではあるが足りないというほどでもないかと思います。但し、主人公のセリフやモノローグがかなり違和感を感じます。一人暮らししている学生でしかない主人公が、こんな気障で寛容で思いやりに満ちているのは……Runnersでも感じた、主人公の違和感と全く同じです。親子ほども年の離れた桃子相手には気障なセリフも使いませんが、林檎や苺を相手にしている時は主人公の言動は殻の中の小鳥・雛鳥の囀の主人公「フォスター」そのものです。
 また、CGが少ない為に一部のシーン(Hシーン含む)で画面が真っ暗なままシナリオが進行する事が多々ありました。

 色々文句を書いてますが、ヒロイン達の性格設定はお約束ですが、それぞれ魅力的に描けているし、CGとシチュエーションのHさも合わせるとそれなりに楽しめました。但し、全てのエンディングを見ようと思った途端、前述したスキップや累積パラメタの問題で破綻してしまいます。パラメタが見えない為、まったくの手探り状態で、しかも前回のプレイが悪ければ達成できないかも知れないエンディングを目指して同じテキストを読み続けるのは苦痛以外の何者でもありません。
 エンディング探しにスキップしまくれば1プレイ1時間程度です。私は某所に公開されていたセーブデータとチャートを使って、ほとんどのエンディングを見ました。キャラやシチュエーションはいいだけにもったいないのですが、あまり人にお薦めできないです。

Pure Doll

Triangle SMMA-0005 Windows95/98版 18禁 育成タイプアドベンチャー
一押し:ドール(しかいません)
 それなりのクオリティの作品を「いつものとおり」届けてくれるTriangleの新作です。

 主人公「誠一郎(名前変更可能)」は、社会に出て少したった25歳の平凡な会社員。ある日曜日に、彼女もなく友達との約束もなく部屋でごろごろしていたところ、突然電話が鳴ります。「おめでとう、君は実に幸運な男だ」。電話の相手は突然主人公にそう告げ、矢継ぎ早に主人公の境遇について質問します。そしてその質問が一段落すると、『審査』に通過した事を伝えられます。それは「博士」の創造したドール(名前入力可能)と呼ばれる女性型バイオロイドを里子に出す先の審査ということで、すぐさま主人公の自宅近くの公園でドールを渡すという話になります。主人公は、相手の勢いと高圧的な態度に口をはさめず、ドールを受け取ることになります。主人公の役目はドールに「人間らしさ」を教えること。里子期間は3週間、博士によるとその間ドールに何をしてもかまわないということ。さて、主人公はドールにどのように接するのでしょうか。

 と、非常にありがちな「ロボット育成感情付加モノ」の出だしです。
 ゲーム期間はプロローグにあるとおり3週間で、毎週土曜日の晩に博士から現状確認の電話がかかってきます。一日は起床〜出勤〜帰宅〜ドールの教育〜夜の選択〜就寝となり、この内選択があるのは帰宅、ドールの教育、夜の選択の3ヶ所です。帰宅〜ドールの教育はほぼつながっていて、帰宅時にドールのためにプレゼントを買っていくかどうかを選択し、ここで買っていくことにした場合、ドールの教育時にプレゼントを渡すことができます。プレゼントを買うための先立つ物は気にせずともよく、また買えるものも選択することはできません。ドールの教育時には、話す、TVを見る、ゲームをする、プレゼントするの4つの選択が出来ます。状況如何によって、成果が変わります。夜の選択では、何もせずに寝る、優しく抱きしめる、乱暴に抱き寄せるの3つが選択できます。後ろ二つを選んだ場合は、状況によってさらにHのバリエーションを選択する事ができます。日曜日には、やはりドールの状況如何によって二人で出かけることができます。行き先は現状にあわせて自動的に決定されます。
 感情値の様なパラメタが処理されていそうなのですが、画面には一切表示されません。一応、状況に応じてイベントが起こる事もあります。

 システムは、Triangleのお馴染みのものです。相変わらず必要最小限の機能をきっちり押さえているのですが、できればスキップをキーボードで選択できるようにして欲しいところです。
 また、おなじみのシステムボイスも選択できます。今作では博士とドール(感情がない)とドール(感情がある)の3パターンを選択して、インストールすることができます。

 CGは、カットによってばらつきはありますが、塗りのおかげかずいぶん原画の癖が抜けて一般受けするようになっているのではないかと思います。
 音声も相変わらずのクオリティなのですが、今作では登場人物がドールと博士の二人しか居らず、しかもこの二人が同時に登場することはほとんどありません。ですので、今までの作品の様なテンポの良い掛け合い等は期待できません。

 さて、なんだか「いつも通り」だとか「相変わらず」とか「おなじみ」等の言葉ばかりのレビューですが、ほんとに変化がないです。それでも今までのようにきっちり楽しめればよかったのですが、このゲームはいまいちでした。何故かというと、育成要素があるようなのに、エンディングが一つしかないのです。それも「どこにでもある『ロボット育成感情付加モノ』」の終わり方です。初回プレイ時は、まさかそんなものだと思わないので、楽しめたのですが、2回目に1回目と正反対のプレイをして、それでも全く同じエンディングになった時には頭を抱えてしまいました。

 決して、悪いゲームではないと思います。CGのクオリティと枚数(79枚)、Hシーンの数(65シーン)を考えると、ドールの絵が気に入った、Hが見たい人には充分満足感を与えられると思います。
 ただ、私がここのゲームに求めているのは「お約束ながらもテンポの良い掛け合い」「お約束でも気持ちのいいストーリー」だったりする訳でして。
 進歩がないのが悪いとは言いませんが、あまりにも一ヶ所にとどまりすぎたあげく、自らの個性すらも薄めた作品を出すのはちょっと問題です。

 1プレイの時間は1〜2時間程度です。見たシーンをスキップしていけば1プレイ30分程度で終われます。ドールの絵が気に入った人、声優・吉野茜さんのファンの方になら一応お薦めできますかね。

Princess Memory

カクテルソフト F&C-130 Windows95/98版 18禁 ダンジョン自動生成型RPG
一押し:フィーリア
 しばらく冴えない原画のゲームと旧作の再発売パッケージばかりだったF&Cの期待の新作です。

 都で孤児になった主人公に救いの手を差し伸べてくれたキリーおじさん。彼の営む宿屋でサリアン、ポーニィとともに育った主人公。キリーおじさんがなくなった後も3人で暮らしてきたのですが、ある時サリアンの我が侭(?)に付き合って、主人公は村外れにあるモンスターが住まう洞窟に足を踏み入れます。そして、そこで彼が見たのはすべての感情をどこかに落としてきたかのような少女。少女を保護した3人は、少女のために洞窟で『少女が感情を取り戻すきっかけを探す』事を考えました。主人公は決断します。『きっとぼくがキミの笑顔を取り戻してみせるから。』

 ゲームフィールドは村とその周りの小さなマップ、それとダンジョンで構成されています。どちらも3Dレンダリングのキャラが動き回る、コンシューマーゲーム的な画面になっています。
 村とその周辺は、他のRPG同様に人と話したり、建物に入ったりできます。ちょっと変わっているのは、武具や道具は全てダンジョンで入手するのでお店という存在がないことでしょうか。また、一見自由に移動できそうな画面構成なのですが、基本的にマップは正方形に区切られており、その単位でしか移動できません。これはダンジョン部分でも同様です。
 ダンジョンは、上記ジャンル部分にも書きましたが、自動生成型です。マップだけでなく、行動も「ROUGE」の様な形式になっています。主人公には見える範囲があり、一度通った場所は自動的にマッピングされていきます。主人公が1行動すると敵も1行動します。マップには、他に扉と罠と宝箱があります。そして、階段のある場所は自動生成部分とは別に用意されています。ほとんどの場合、この階段のある小部屋に入り口に戻れるワープマスが用意されていますので、ピンチになっても階の区切りまでたどり着けば脱出できます。もちろん、脱出専用のアイテムもありますが、あまり手に入りません。
 主人公は、剣による攻撃以外にオーブや弓矢による攻撃が出来ます。もちろん、その場合は対応したアイテムが必要ですが、遠く離れた敵を攻撃できたり、複数の敵に同時にダメージを与えたりすることができます。敵も特殊能力をもっており、咆哮により主人公を恐慌状態にしたり、冷凍のブレスでダメージを与えつつも凍らせて行動不能にしたりします。

 ヒロインは、前述した導入にあるように、ダンジョンで見つけた少女フィーリアと宿屋の姉妹、サリアンとポーニィの3人です。とはいえ、物語は基本的に一本道で、メインであるフィーリアと結ばれないルートで進行した場合は最後にスタッフロールすらありません。
 また、全般的にイベントが少ないです。メインのフィーリアでも少ないと感じるのに、姉妹のイベントになると片手で数えられる程度しかないのです。
 CGはさすがに奇麗ですし、音声もヒロイン達のみですが申し分のないレベルです。

 それならRPG部分が面白ければイベントが少なくても……と思いますが、残念ながらRPG部分も作業でしかありません。折角のローグライクゲームなのに、1階ごとにダンジョンから容易に脱出でき、しかもその階からの再開すらも容易なのです。回復アイテムもふんだんに手に入りますし、普通にやってればそうそう死ぬことはないと思います。ローグライクゲームというのは、自動生成のダンジョンによって先が予想できない事によっていつでも死と隣りあわせである事を認識して、初めて緊張感が生まれるのですが、このゲームはそのへんをすべて放棄しています。それに、ローグライクゲームで重要な「かなわなければやり過ごす」という事もできない作りになっています。重要な斜め移動はありませんし、移動量が上がるアイテムもありません。逆に終盤のモンスターは、ほとんどの場合こちらの1歩に対して2歩以上移動してきます。結果、力任せに敵をせん滅するゲームになってしまっています。せめて、もっと飛び道具が有効に利用できるとか、敵もトラップに引っかかるとか、開けた扉を閉めることができるとか、その他主人公が特殊行動できるようになるアイテムがあるなどであれば楽しめたかもしれないのですが。何度もローグライクと書いてますが、このゲームは元祖ROUGEよりさらにシンプルなゲームになっています。

 イベント的には序盤のフィーリアの感情を取り戻す部分を発展させて、ここでの感情の発達具合でフィーリアの態度が変化する様な物だと面白かったのにな、等と思いました。

 1プレイの時間は8時間程度です。1度クリアすると、スペシャルモード(30レベルからスタート)が利用できるようになります。これを使って最速でプレイすると3時間弱でクリアする事も可能です。絵と声はいいのですが、どうにもボリューム不足でした。コンシューマーライクにまとめるという技術は凄いと思うのですが、そちらにかまけて本体のボリュームが足りなくなるのは本末転倒ではないかと思います。お薦めは……パッケージのフィーリアが気に入って、彼女に「お兄ちゃん」と呼んでもらいたい人向け、でしょうか(笑)。

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