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花暦

cyc CYC111039 Windows95/98/Me/2000版 18禁 ガーデニング恋愛シミュレーション
一押し:更科
 シムシティなどから始まったフィールドにオブジェクトを置いていくシミュレーションを箱庭型シミュレーションと言ったりしますが、このゲームはまさしく箱庭を作るものです。発売当時も体験版をプレイしたりして興味はあったのですが、タイミングを逃してしまっていました。先日ワゴンセールで見かけたのを機に購入しました。

 主人公(名前変更可能)は、ある資産家の祖父を持つ普通の学生。ある日、その祖父の顧問弁護士から祖父が倒れて入院したという電話を受ける。妹の絵里花とその病院にたどり着くと、祖父は罵詈雑言を投げかけつつ、有無を言わせず主人公が子供のころ遊んだ、花園の世話をしろと命じてきたのだった。花の世話などしたことのない主人公だが、思い出の花園のためにそれを受けた。そして、祖父の屋敷を訪れて久々に踏み込んだ花園は……荒れ放題だった。そんな景色に呆然としていた主人公の前に現れる花の精である三人。幼い頃のおぼろげな記憶の中にいた三人。彼女たちのためにも主人公は花園の世話を始めるのだった。

 ゲームはセミリアルタイムのシミュレーションです。プレイヤーは何も配置されていない庭に、花壇を作り、花を植え、花の世話をし、デコレーションしたりします。
 基本的な作業は庭に適当なサイズの範囲を指定して花壇を作り、そこに花の種を配置することです。花壇の縁も数種類用意されていて、庭の雰囲気に合わせて適当に使い分けられます。花の種は、植え付け季節が決まっていて、現在の季節の種しか植えられません。季節は、この庭の「不思議」として四季がどんどん入れ替わるという設定があるので、12日で四季が巡るようになっています。もちろん花の成長もこの巡りにあわせて高速に成長します。花にはそれぞれ花エナジーというものが設定されていて、花が芽生え、咲き、枯れるまで一定量の花エナジーを供給します。この花エナジーは花の精たちに供給されます。休日にはこの花エナジーを消費して彼女たちと遠出することになるのです。また、花の精たちはそれぞれ季節をつかさどっており、同じ季節の花からしかエナジーを得ることができません。例外は冬の花で、該当する花の精がいないこの季節の花はすべての花の精たちにエナジーを供給することができます。それ以外にも花を付ける期間とか、一度咲いて枯れると終わりになる一年草と多年草があったりとか、いろいろな要素があります。
 庭には花壇以外にもいろいろなオブジェクトを置くことができます。これは主に庭のデコレーションのためで、花の状態などとあわせて週に一度判定される「庭判定」の時に影響してきます。ここで高評価を得ると援助金が増えて、利用できる花やオブジェクトが増えます。これ以外にも移動シーンで特定の場所に行かないと手に入らないオブジェクトは花の種なども存在します。
 これ以外に花壇には状態が設定されています。手入れ状態と水遣り状態がそれぞれの花壇に存在し、これはほうっておくと少しずつ悪化していきます。これをプレイヤーは監視して状態の悪くなった花壇を手入れしたり花に水をやったりしないといけません。これがリアルタイムなので結構忙しいです。状態が悪くなったときはオプションで警告ありにしておくと花の精がどこの花壇がどうなったのかをいちいち教えてくれます。また、時間以外にも状態を悪化させるものとして野良猫がいます。こいつはランダムに庭にやってきて好き勝手に庭を歩き回ります。これが歩いた花壇はどんどん手入れ状態が悪くなります。逆に小便でもしてるのか、水遣り状況はよくなったりするのですが。基本的に猫を追い出す方法はなく、気まぐれに出て行ってくれるのを待つしかありません。が、オブジェクトの柵などで花壇を囲ってやることで猫を侵入させない対策などができます。
 このようにして、庭を繁栄させ花エナジーを増加させます。休日は花の精を誘って、もしくは一人で街に出ることができます。花の精を誘った場合は、彼女に蓄積された花エナジーが保てる場所までしか移動することができません。このマップ移動でイベントを重ねることで花の精他のヒロインたちとの関係が進行します。

 システムは、サムネイル付の大量のセーブロードやホイールによる読み戻し、既読スキップなど充分なものがそろっています。花園管理画面もボーっと時間をすごさないための「一日終了」というボタンが用意されているので、手入れ状況が万全ならこれを連打することで高速に進めることも可能です。花園管理部分のオペレーションもかなり洗練されていて、オブジェクト配置時にすでにおいてあるオブジェクトを半透明にしてみたりすべて表示オフにしたりもできます。
 最初は難しかったり面倒だったりする花園管理部分も、慣れればある程度のパターンを確立できますし、さらに言ってしまうと花の精とのエンディングを迎えるためにも花エナジーが必要なだけで、庭評価を高める必要はないので、裏技のような庭を作ってしまうと全く花壇を管理しなくても進行できたりもします。プレイヤーのスキルが上がれば相応に楽になるというのは「ゲーム」してて良いですね。

 CGはパターン違いを含まず88枚。ヒロインが6人いることを考えると多くはないですが、立ちCGで進行するイベントも多いので特にボリューム不足には感じませんでした。原画、塗りはこのメーカーのおなじみのものですね。Hシーンのつやっぽい表情が良いです。
 音楽は、特に印象には残っていませんが、悪くはなかったですね。ただ、曲はともかく音はシンプルな感じで「サウンドブラスターでMIDIを再生しました」みたいな状態になっていて寂しかったです。
 音声は、ヒロインのみフルボイス。声質が似た感じの人が多いのですが、おおむねキャラとのギャップはなかったと思います。

 前作の青の扉 白の鍵で不評だったエンディングですが、今作はプレイヤーの選択でハッピーエンドに進めるようになっています。今作の方が本来ハッピーエンドにはなりがたいんでしょうけど、ファンタジーな分疑問には感じませんでした。そのハッピーエンドのための設定は他の一部のヒロインのルートでも活かされています。もちろん、自ら選択してハッピーじゃないエンディングに進むと「これでよかったんだろうか」と思えるような流れを見ることができます。どちらにもCGは用意されていますが、ある選択肢一つで簡単に変化しますから、適切にセーブしていれば問題なしですね。
 また、あるバッドエンドを迎えた次のプレイではプレイヤーは祖父の遺産を受け取ったとしてかなりの金額を所持した状態でプレイを始められます。特にペナルティがあるわけではないので、これもセーブデータを作っておけば毎回のプレイで利用できます。

 どうしてもシミュレーション部分でシナリオの流れが分断されてしまうので、のめりこむというほどではないですが、充分楽しめた作品です。先に書いたように面倒な花園管理部分もうまくやれば障害になりませんし。
 私は3980円で入手したのですが、通常価格で買っていても満足できたのではないでしょうか。

 メーカーサイトには、これのセーブデータを使ったミニゲームも上がっているので、プレイした方はそちらも試してみてください。変なシナリオ(?)と書き下ろしのCGも楽しめます。

 1プレイの時間は花園管理にどれだけ手間をかけるか、どのくらい積極的にシナリオを進めるかで変わってきますので一概にはカウントできません。手探りなら十数時間、慣れきった後なら2時間もあれば終わるという感じでしょうか。
 見た目派手で変化のある画面は見てるだけでも楽しいので、こういうタイプのゲームが好きな方にはお勧めできる作品ですね。

Fifth TWIN

ルーンソフト AIS-018(RUNE-004P) Windows2000/98/95版 18禁 育成ロマンスアドベンチャー
一押し:エナ
 前作Fifthの時から絵を見て気になってはいたのですが、結局発売当時には前作も今作も買わずにいました。ですが、先日ベルせんせいのトゥルトゥルBOXのミニゲームの今作を取り上げたシナリオをプレイしてみて、ノリが気に入ったので購入しました。なお、私が買ったのは「もう一度君に逢いたい」というサブタイトルで廉価再販されたパッケージです。ですので上のデータ中の型番は通常パッケージのものとは違っていると思われます。

 主人公グレンは、幼い頃に祖父の残した天魔の娘の記録を見、それに心奪われる。その時から彼は自分も天魔の娘を見てみたい一心で、すべての力をその祖父の記録の解析に注いだ。苦労の甲斐あって、とうとう天魔の娘と遭遇する主人公。だが、そこに現れたのは記録とは違う、双子の天魔の娘たちだった。目的を達成した主人公は彼女たちを連れ帰り、彼女たちを立派な天魔に育てるべく子育てに励むのだった。

 ジャンルは育成ロマンスアドベンチャー。育成なのにシミュレーションじゃなくて、アドベンチャーなのはメーカーも内容をしっかり把握して表記をしてるといえるでしょう。このゲームでは、天魔の娘(エナとリナ)のパラメタは、結果には影響を与えますが、流れには全く影響を与えないのです。
 ゲームは、育成パートとアドベンチャーパートに分かれています。育成パートでは、エナとリナのどちらかを選び、その娘に対して儀式を行うことになります。儀式では、プレイヤーは4つまでの魔石を選びます。魔石は火、水、地、風の4つの属性があります。娘たちにもこの4要素のパラメタが存在し、その属性の魔石を使うことで対応したパラメタが上昇することになります。ただし、儀式は乱数が関わっています。これは、高価な大きな魔石を使うことで成功確立を上げることができます。また、店でそれなりのアイテムを買い、儀式に使うことででこれを補うこともできます。儀式を成功させることで体力を多少回復させることができます。体力は、地上では天魔の体は維持しづらいらしく、基本的に毎日減少していきます。これは儀式で回復させたり、店で体力回復のアイテムを買ってきて娘に与えることで大幅に回復させたりします。
 育成が終わり、昼になると主人公は街に出ます。目的は、ユウの営む店とギルドです。店では前述したようなアイテム群を購入できる他、ゲームが進行して娘に夜伽をさせることができるようになると、彼女たちが発散した魔力の結晶を換金することができます。ギルドでは、いくつか紹介される仕事の中から任意に選択してお金を稼ぐことができます。仕事には時間の消費が併記されていて、これに応じて1日に数回の仕事をこなしたりすることができます。昼に、早めに街での行動を切り上げて家に戻ると娘たちと過ごすことができます。ここでは、娘たちの話を聞いたり、娘たちにアイテムを与えたりできます。前述の体力回復アイテムもここでしか与えることはできないので、要注意です。
 夕方になると遊びに外に出ていた娘たちが帰ってきていろいろな話をしてきます。ここでの選択如何で流れが変わっていきます。
 夜には、進行に応じて娘たちを夜伽に呼び出すことができるようになります。夜伽と言っても、実は彼女たちの身体の為ですし、彼女たちは何よりも父親である主人公を慕っているので、それほど背徳感はありません。
 これを繰り返し、1ヶ月ほど経つとゲーム終了となります。このゲームはゲームオーバーも用意されていて、途中で不意に終わってしまうこともあります。

 CGは、もともと絵に注目していただけに満足のいく出来です。塗りも原画氏の絵柄にあった、コントラスト強めのものです。枚数はパターン違いを数えずに88枚。双子の娘達がメインで、この枚数のほとんどは彼女達のものです。なので、ボリュームとしてはかなりのものですね。Hシーンは、テキスト違いも含まれますがそれぞれ24シーン、双子が一緒のシーンが10シーンもあります。
 音楽は、特に印象に残っていないです。ぴヨナ☆ピコナリトルモニカ物語で優秀だと感じたSEはこのゲームではほとんど使われず。ゲームの形式がそれらと違いますし、それほどSEを入れられそうな場所がなかったというのもありますが、ちょっと残念でした。歌は、トゥルーエンド時のエンディングのみ流れます。
 音声は、上に挙げた後のルーンソフトのゲームでも活躍されてる方々がメインの二人を担当されてます。気に入っていた方達だったので、非常に楽しめました。ただ、アイテムショップのユウの声だけは……この声優さんの個性が強すぎて、キャラのイメージと大きなギャップを感じました。

 シナリオは、基本的に娘の体験を語られる形で進行して最後の部分だけ、手を貸すというような形になるのでいまいち印象は薄いですね。そういう全体的な流れより、娘達との何気ない日常の表現の方が楽しめました。購入理由になった件のミニゲームシナリオもそのようなほのぼの(?)とした日常が描かれてましたから、当然といえば当然ですね。とはいえ、メインのシナリオも悪くはなく、その娘達との日常にちょっとした変化を与えるイベントとして楽しめました。選択によってはバッドエンド(ゲームオーバー)に直結する切ない展開も見られるのですが、こちらはこちらでCGが用意されてることもあって必見です。

 ただ、このゲームでは「天使」「悪魔」の概念が語られずに娘達が「天使」や「悪魔」になるのがちょっと疑問でした。「天使」ならともかく娘が「悪魔」に育っても喜べませんよね。これは前作でちゃんと説明されてるらしいのですが、私は今作をプレイしていてこの説明を見つけることはできませんでした。
 また、上に書いたようにこのゲームではシナリオの流れとパラメタによる育成結果が連動していません。ですので、シナリオで「天使」と称されるような事態になってるのに、最終結果が「悪魔」になるなんてことがざらにあるのもちょっと気持ち悪かったです。

 このゲームでは、おまけモードは特殊な形で起動します。どう特殊なのかというと、まずエンディングに到達すると育成結果などに応じたポイントがもらえます。これを使っておまけモードにある店でCGモードや音楽モードなどを購入するという形になるのです。一度購入した各モードはその後自由に閲覧できます。この購入できるおまけの中には、ヒントも存在します。これはゲームの基本的な進め方だったり各エンディングに対応するアドバイスだったりします。これは一度購入しても次に見るときはもう一度購入しないといけません。といっても、このポイントはエンディングを見ると加算されるので、エンディングの直前データを利用してポイントを稼ぐことは簡単なのですが。

 私の購入したパッケージは廉価再販分です。中のファイルはちゃんと最新版に更新されているようで、メーカーサイトに上がっていた最新パッチのファイルと同等のものが収録されていました。このメーカーの特徴である変なマニュアルはさすがに再現されていませんが、それでも見開き1枚の紙マニュアルの裏側を塗り絵にすることで「塗り絵型マニュアル」を名乗っています。ここまで来ると意地ですね(笑)。ただ、このマニュアルですが元のマニュアルから文章を抜粋してまとめたものらしく、(図1)などとキャプションが打たれているのですが、肝心の図がマニュアルに存在しないなどのお粗末な部分もありました。

 廉価再販されたゲームということで、少し古いものな訳ですが、そんなことは感じさせない内容でした。
 1プレイの時間は、初回は6時間程度、2回目以降適度に飛ばして2〜3時間といったところでしょうか。プレイ時間を見ると小粒ですが、この時間にこれだけのCG枚数とボイスが投入されてるのですから、かなり密度の高い作品だといえましょう。
 少し傾向は違いますが、ぴヨナ☆ピコナやリトルモニカ物語が楽しめた人なら楽しめるんじゃないでしょうか。また、双子の娘に「お父様」と慕われたい人には最適だと思われます(笑)。

催眠術

BLACKRAINBOW Windows95/98/98SE/Me/2000版 18禁 アドベンチャー
一押し:青木ゆかり
 私は媚薬とか催眠術とか、そういうシチュエーションものは割と好きです。たまたまE-LOGINをチェックしていて気になったタイミングでサイトに体験版が上がっていて、初見の印象は悪かったのですがなんとなくこれをプレイしてみました。そしてその内容にいたく衝撃を受けて、その勢いで買ってしまいました。

 主人公・直人は運動も勉強も出来ない、格好よくもないごく平凡な学生。結婚している兄と同居している。あるとき彼の元へ届いた、祖父からのビデオレター。それは『催眠術』のHOW toビデオだった。テレビ画面の中の祖父の話は胡散臭く、一旦は無視したもののあるきっかけでその術を試してみる。主人公はその力で自己催眠をかけ、中間テストで学年1桁台の成績を達成したのだった。主人公はその効力を確信し、その力を学園のアイドルで憧れの篠原恵に使おうと画策するのだった。だが、ビデオテープの取り違えで以前このビデオを閲覧する機会のあった村越も、同じくその力を使って彼の周りの女性を思い通りにし始めたのだった。

 システムはごくシンプルな選択式アドベンチャーです。既読スキップやメッセージの読み戻し、サブタイトルが自動的に付加される100箇所のセーブと、基本的にゲームを楽しむには問題ない機能がそろっています。

 CGは原画、背景、塗り、すべてが一昔前のものといった感じです。原画自体は、味があるともいえるのですが、この絵を見てこれを気に入ってこのゲームを購入する人はなかなかいないんじゃないでしょうか。
 音楽も同じく、なんか微妙にずれた感じでアダルトビデオを髣髴させます。

 その辺は置いておいて、シナリオです。主人公は催眠術を使ってヒロイン達を自由にコントロールするのですが、単に催眠状態にして事を行うというのではなく、催眠状態で暗示をかけてから通常状態に戻し、先にかけた暗示によってヒロインからHなことをせざるをえないというような状況を作り出します。単純におかしくなってるから思いどおりに動くというものよりよほど来るものがありますね。
 ただ、このゲームは上に書いた導入部分にもありますが、主人公の狙ったヒロイン達をライバルが奪い去るというような流れもあります。というか半分くらいのHシーンはこちらのものかもしれません。そして、そういう流れになった場合、主人公も同じくはめられて支配されてしまっているので、その状況をなすすべなく見守るしかないという歯がゆい状態になるんですよね。こういう状況が絶対いやだという人はプレイしないほうが無難です。もちろん事前にうまく立ち回れば、逆にライバルをやりこめてヒロインとの関係を自在にコントロールするというエンディングが待っているのですが。
 そういう流れですので選択肢は少ないながら、ハッピーエンドへのルートに進むのは結構難しいです。また、毎日同じような選択をしていくのですが、その選択如何で状況は少しずつ変化しているので、すべてのシーンを見るのもちょっと難しいです。といっても、ちゃんとメモを取ってしらみつぶしにすればどうにでもなる程度ですが。

 CG枚数はパターン違いを含めて46枚。音声もないですし、ボリュームもまた一昔前のゲームのようです。
 ですが、個人的には他のゲームで見かけないシチュエーションが満載なので結構満足できました。正直、ライバルにヒロインを奪われるのは非常に寝覚めが悪く、かなり葛藤しながらプレイしていたのですが。

 何度も書いてるようにシチュエーションを気に入ったゲームなわけですが、回想シーンがないのは痛いですね。セーブデータはたくさん作れますが自動でサブタイトルが付くために、どのデータがどの状態から始められるものかを把握するのは難しいです。

 1プレイの時間は初回で5時間程度、共通部分をスキップできるようになれば1回1時間程度で終われると思います。ぱっと見の印象はよくないこのゲームですが、「催眠術」というキーワードに何か感ずるもののある方は一度メーカーサイトに掲載されている体験版をプレイしてみてはいかがでしょうか。

SNOWラディッシュバケーション!!

オーバーフロー Windows98/Me/XP版 18禁 アドベンチャー
一押し:あっちゃん
 いつも何か強烈なインパクトを与えるものを出してくるオーバーフローの新作。このゲームはイベント販売と通信販売専用商品だったので、通販で購入しました。

 主人公「神楽(名前変更不可)」は、辺鄙なところにあるドライブインを営む母と二人暮し。彼女は数ヶ月前、憧れの塾の先生と紆余曲折あって関係し、その時の子供を孕んでいる。そんなある日、いつもは閑古鳥の鳴くこのドライブインに逗留する客が現れた。それは母の妹の浅葱とその友達の巴、彼らの先輩である止。そしてこの止こそ神楽と関係した後、姿をくらました張本人だったのだ。運命の再会に心をときめかせる神楽。だが、話してみると彼はとんでもなく鬼畜な人物で、成り行きで彼とゲームをすることになってしまう。神楽は無事にそれに勝利して、彼のお嫁さんにしてもらうことは出来るのか。

 ゲームはマップ移動型のアドベンチャー。移動場所は10箇所あり、女性たちはどこにいるかが一目瞭然です。ですが、このゲームは主人公が女の子なので女性と会って好感度を上げるような内容ではないのです。何をするかというとマップに表示されない止を探し当てないといけないのです。移動するごとに30分時間が経過します。女性たちはある程度スケジュールに沿って動いています。止は見つかるまである程度長い時間同じ場所に留まるようです。ですが、のんびり行動していると彼によってスノーラディッシュに集う女性たちがどんどん口説かれていきます。この状況はマップ移動時のヒロインのシンボルの横に表示されるハートマークの大きさで把握できます。これが大きくなる前にその女性と会えばハートマークを消すことが出来ます。こうやって、止の浮気を食い止めながら止を探し出し、彼が満足するだけのHなことが出来るようになったら神楽の勝利となります。
 ちなみに止と会わず、ヒロイン達とも会わないで時間を進めていくと、ハートマークが最大になったヒロインは夜に止の毒牙にかかります。これを狙ってヒロインに会うことで、ゲームの目的は達成しづらくなりますが、プレイヤーの目的は達成できます(笑)。

 システムはオーバーフローらしく、既読スキップ、読み戻し、キャラごとのフォント設定などいろいろな細かいところに手の届く内容となっています。ただ、これも相変わらずなのですが、設定項目がすべてWindowsのダイアログ上での操作になるのがちょっと寂しいですね。まあ、これだけの設定を独自画面で用意すると結構大変だと思いますが、でもゲームにのめりこませるにはやはり雰囲気を統一したそういう画面があったほうがいいと思います。

 CGは、それほど多くありません。Piaキャロットへようこそ!!シリーズのようにユニフォームセレクトが存在しますが、これが反映されるのは一人のヒロインだけです。また、CGモード、回想モードというようなおまけが存在しません。一応、ゲーム中に見ることの出来たHシーンは、事前にオートセーブされるので、それをロードすることで任意に見ることはできます。ですが、サムネイルなどがあるわけじゃないのでやはり不親切ですね。Hシーン以外に存在する1枚絵は見たくても見直すことは出来ませんし。あと、立ちCGが……女性が主人公ということでそれを意識させるためか、神楽の立ちCGも基本的に画面に表示されるのですが、それがかなり苦しいです。ただでさえ妊娠9ヶ月で体形が丸くなっているのに、背後から見た風な絵になっているためにお腹ばかりが目立ってしまってます。
 音楽は、特筆するほどではありませんが、ゲームのBGMとしてきちんと働いていました。
 音声は、他社ゲームなどで活躍されてる方が演じられてるということで、充分なクオリティです。主人公である神楽もちゃんとしゃべります。が、そのお相手である止がしゃべらないのは残念ですね。男といっても彼しかいないわけですし、非常に出番が多いのですから彼も音声が合ったほうがよかったんじゃないでしょうか。

 シナリオは……流れを見ると割と普通の恋愛物なんですが、それを演じるキャラ達の設定がもうめちゃくちゃです。導入部分にも書いたとおり、主人公の神楽は妊婦ですし、その母親である萌葱は過去に止と関係したことがありますし。何より、神楽と同級生の初花はその容姿もパーツに分けられて語られる設定も、小学生としか思えないです。

 もともとこのゲームはタイトルロゴやユニフォームセレクトからPiaキャロットシリーズとの類似性に興味を持って購入に至ったのですが、そちら方面の内容はそれほど強くありません。しいて言えば、神楽が止のことを「お兄さん」と呼ぶのが、声優さんの声質も合わせてPiaキャロットへようこそ!!3に登場した愛沢ともみちゃんを彷彿させるかなという程度です。
 ですが、内包された「オーバーフローらしさ」はとんでもなく濃いものでした。正直この止という男には嫌悪感しか抱きませんでした。そして、その行動が否定されない一部のエンディングなどでは下手な鬼畜ゲームを遊ぶよりよほど陰鬱な気分になれました。

 ゲームの基本部分が、マップに表示されないキャラ探しというのもいまいち面白くないですね。これも「逆転の発想」なのかもしれませんが、こういう内容になると結局セーブロードを駆使してゲームをプレイするようになって、素直に楽しめません。

 と、まあ相変わらずとんがった内容のゲームでした。プレイ時間はセーブロードが激しかったのではっきりしませんが、1プレイ2〜3時間程度でしょうか。このレビューで紹介したこのゲームの特異性を嫌と思わず、興味を持てた人はプレイしてみてもいいんじゃないでしょうか。無理には薦めませんが。

このはちゃれんじ!

rouge Will-056A Windows95/98/Me/XP/2000Pro版 18禁 育成シミュレーション
一押し:道法寺苑生
 Lienの脚本さんとぱられるはぁもにーの絵描きさんが起用された今作。Lienは未プレイですがどちらもコメディタッチで面白い作品だということと、事前のプロモーションも面白かったので注目していました。

 主人公・乙丸このは(名前変更不可)は、胸が薄いことを気にしているごく平凡な学生。幼い頃に両親がなくなり、唯一の肉親である兄と一緒に暮らしている。ある朝彼女は目覚める。何もかもが新鮮に感じる素敵な朝。だが、彼女はそれが錯覚でないことを知らされる。なんと彼女は兄の乙丸貴英に作られたホムンクルスで、今朝目覚めたばかりだったのである。そして、彼女にはなぜか彼の妹のこのはの記憶が刷り込まれている。そんな非凡だった状況を憂いつつも日常を過ごす彼女。だが、彼女はオルゴンと呼ばれるエッチなエネルギーで動いている。そのエネルギーは時々発散させないと彼女の体を壊してしまうのだった。ホムンクルスというだけでも非凡なのに、望まない日々のオナニーに励まざるを得ない彼女。そんないろいろ複雑な事情を背負った彼女にまっとうな学園生活が送れるのだろうか。

 ゲームは、起床から夜までのパートと深夜のパートに分かれます。前者は時折選択肢が表示されるごく普通のアドベンチャー形式です。後者は、オルゴンを発散するための「自己調教モード」です。主人公にはパラメタが設定されており、これが自己調教モードで行為を重ねるごとに増加していきます。ですが、このゲームではあまりこのパラメタは進行には関係ありません。そして、導入文章に書いたように「自己調教モード」でオルゴンを発散しないように進めてもゲームオーバーが待っているわけではありません。一応、ちゃんとしたエンディングでないエンディングに進む場合はパラメタが参照されますが、基本的にはそれほど意識しなくてもOKです。そればかりか、自己育成モードの使用可能なメニューを増やすには、オルゴンがたまるのに任せて、日中にイベントを起こさないといけないのです。この辺、やるべきことと矛盾してるような気がします。
 主な物語の流れは、起床から夜までのパート、特に学校での休み時間や昼休みの行動選択にかかっています。これを特定のルートに進むようにコントロールしてやるとイベントが進行してきます。ただ、パラメタは全然関係ないわけでもないみたいで、選択肢だけ正確に選んでいても思うように進行しない場合がありました。
 システムとしては、ホイール対応で音声再生可能な読み戻し、選択肢選択後も有効な既読スキップ、フォント変更、カーソル描画の選択など、快適に楽しむためのものはきっちり揃っています。セーブロードはいつでも可能で、30個のスロットがあります。これ以外にクイックセーブ、クイックロードもあります。ただ、クイックロードのボタンがクイックセーブと並んで同じ大きさなのは望まずにうかつにクリックすることがあって、少し困りました。

 CG枚数は、パターン違いを含まずに200枚。それとは別に、小コマという名前のコミカルなシーンを描いた小さな絵も53枚用意されています。かなりのボリュームだと言えましょう。ただ、1/3程度が自己調教モードの為の絵になっていて、物語を見るだけなら見なくても終われるものだというのがちょっともったいないですね。絵の方はぱられるはぁもにーで気に入ったものがそのまま再現されていて、満足できました。
 音楽は、コミカルなシーンも多いこの作品をうまく彩っています。しんみりしたシーンにはそれなりのものが付いていますし、的確にコントロールされていました。
 音声は、シナリオの都合でかなり分量が多いです。特にこのはは早口にたくさんのセリフをしゃべってます。が、その辺は声優さんの技量でうまくカバーされています。ただ、掛け合いが多いこの話の中で、(ある一人を除いた)男性に声が付いていないのはもったいないですね。女性なら脇役でも声付きなのですから、もう少し頑張って欲しかったところです。あと、嘆いたり怒ってみたりと緩急激しいので音声のボリュームがセリフによってかなり違っていて、ボリュームコントロールが難しかったです。

 シナリオは、当初に想像してたのとはだいぶ違ってましたね。楽しみにしていたコメディタッチの部分も多いのですが、物語が正常に進行するとホムンクルスとして作られた訳だとか、境遇にめげない強い心だとかがテーマになった話がつづられます。それはそれで破綻してるわけじゃないので楽しめたのですが、物語とは関係なく進行する学校でのやり取りなどが浮いてしまってました。あと、個人的な要望としては終始コメディで流れるルートも用意しておいて欲しかったですね。
 とはいえ、トゥルーエンドの話の流れは期待をいい意味で裏切っていて、充分楽しめました。逆にこうやって物語を中心にすえるのなら、今回のゲームの構成は話がぶつ切りになってしまうために失敗だったのではないでしょうか。
 それと合わせて、正常に物語が進行した場合、オルゴンだとか自己調教モードだとかがあまり話に関わってこないのも不満ですね。Hシーンの数を増やすための苦肉の策だったのかもしれませんが、正直面倒なばかりでいまいち楽しめませんでした。

 1プレイの時間は……ちょっと細切れになったので把握してません。おおよそ10時間くらいでしょうか。
 シナリオや部分的な掛け合いを見る限り悪くないゲームなのですが、不要な要素を無理やり統合してしまったためにその部分で不満が噴出してしまったという感じでしょうか。

Princess Knights

ミンク Windows95/98/Me/2000版 18禁 Wシミュレーション
一押し:エレシス
 たくさんのキャラが同じ条件でヒロインになりうるタイプのゲームというのは作るのは難しいのですが、完成していると何度も遊べる楽しいものになります。このゲームもそういう要素を期待して購入しました。

 主人公ランディス(名前変更可能)は、竜の国「グランダ」の王子。この大陸フェスタックは偉大な神竜の伝説が語られる場所。神竜の血を引く竜人の力によって長年平和を保っていたこの大陸に、突如バドムという闇の一族が統べる王国レンガルドが興り、瞬く間にグランダを落とした。そのとき、目の前で父王を殺されながらも落ち延びた主人公は、混乱から目をそむけ平穏に暮らそうとする。だが、落ち延びた平和な森にまで手を伸ばしてきたレンガルド軍に発見され、世話になっていた人たちを殺されてしまう。そして、彼は自分の力を知り、それを使ってこの世に再び平和な世界をもたらすため、立ち上がるのだった。

 ゲームは恋愛&ウォーシミュレーションということで、戦闘パートとその合間のパートに分かれています。
 戦闘は、いわゆるタクティカルRPG的なものです。フィールドには高低さが存在します。これにより、高いところから攻撃したほうが有利なのですが、乗り越えられる段差はキャラによってまちまちなので一方的に攻撃されてしまうこともあります。ユニットには向きも存在します。もちろん正面より側面、側面より背面から攻撃したほうが命中しやすくなります。属性も存在します。地水火風の4属性と、光と闇の2属性、合わせて6属性です。これにより与えるダメージの有利不利が決まります。相手に対して有利な属性だと大ダメージを与えることが出来ます。また後で書く捕縛時にも有利になります。ZOCは存在しません。さらに高低さを無視して移動できる「浮遊」という移動属性を持っているキャラだと、あっという間に敵の背後に回れます。もちろん逆に敵に回りこまれることもあります。この辺、かなりうまく采配しないと一瞬で味方がやられてしまったりします。敵も味方もスキルゲージが存在します。これを消費して、強力な範囲指定攻撃や属性変化攻撃をさせることが出来ます。このスキルゲージは戦闘中に少しずつ回復しますが、一定以上にはなりません。この「一定」は主人公以外は戦闘の前にプレゼントなどを渡して士気を高めておくことで上限を増やすことが出来ます。捕縛は文字通り、モンスターを捕まえることです。戦闘中に弱らせたモンスターは捕縛することが出来ます。捕まえたモンスターは、ヒロイン達に「ユニオン」させることでヒロイン達の属性を変化させ、パワーアップさせることが出来ます。はっきり言って、これなしでクリアするのは不可能といっても過言ではない、重要な要素です。ユニオンして身に付く能力はモンスターによって違うので、より強力なモンスターを捕縛すべきなのですが、当然それにはリスクが高まります。マップによって勝利条件が異なります。敵を全滅させるか、特定の敵を倒すかです。このゲームではアイテムを使ったり攻撃をしたりすることで経験値を得ますから、特定の敵を倒せばクリアとなっているマップでも敵を全滅させたほうがいいのですが、属性の調整がうまくいかなかったときなどは、ボスを集中攻撃してとにかく終わらせたほうがいいときもあります。
 ヒロイン達は戦闘前に敵に捕まっていたり、街で遭遇したりします。敵に捕まっているヒロインはそのマップをクリアすると仲間にすることが出来ます。街にいるヒロインは、そのヒロインがいる場所に一人で探索に行けば仲間にすることが出来ます。仲間に出来るヒロインは最大8人。同時に戦闘に出撃させられるヒロインは4人です。主人公は毎回出撃しないといけないので、最大5ユニットを操作できることになります。ヒロイン達は、主人公の竜の力を受け取ることで「ナイツ」になり、戦うことができるようになるのですが、その力を受け取る方法というのが身体を交わらせることなのですね。ですので、ヒロインを仲間にするとまずHシーンが入ります。仲間にしたヒロインをはずしても特にペナルティはないので、お気に入りのヒロインが出てくるまでどんどんパーティを入れ替えていきましょう。ヒロイン達には、戦闘時のパラメタ以外に好感度、友好度、信頼度、待遇という恋愛パラメタが存在します。これらのパラメタは、街で探索をするときにヒロインと一緒に行動することで上昇させることが出来ます。もちろんヒロインが好む場所に連れて行かないといけません。そして、行った先でプレゼントを購入するとそれに応じてさらにパラメタを上昇させることが出来ます。ヒロインによって異なりますが、このパラメタを一定以上にしておかないとエンディングを見るための条件になるイベントが発生しません。そして、そのイベントを見て最終的に好感度が一定以上になっていて、最後にそのヒロインを選択すればエンディングを迎えることが出来ます。

 このような感じのゲームです。面白いと思ったのは物理攻撃が命中すると、ノックバックが起こり、それにより敵の隊列をうまく組み替えて範囲攻撃に巻き込むとか、やはりノックバックを使って敵を高いところから落として落下ダメージを与えたり出来る点でしょうか。
 逆に不満に感じたのは、まずマップが広くないのに浮遊の敵キャラが多くて、あっという間に背後に回りこまれること。そういう敵が多いので、敵に攻撃されないことではなく、攻撃されても死なないことを考えてプレイしないといけません。また、これを踏まえてのバランスなのか、毎戦闘クリアごとに「命の実」というアイテムが手に入ります。これは戦闘不能になったキャラをその戦闘に復帰させるものなのですが……もちろんこれを使う、というか戦闘で倒されるとヒロインの恋愛パラメタはがた落ちになるので、これを頼ったプレイは出来ません。このゲームはクォータービューなのですが、カメラが操作キャラの場所に応じて自動的に動くのですね。一応自分でも操作は出来るのですが、それでは固定できなくて、操作を誤ってキャンセルするたびに変なカメラ位置に戻されて、腹が立つことがありました。また、クォータービューを厳密に判定しているために、手前のマスが高くなったり障害物が突出していたりするマップでは奥のマスを指定するのが難しかったです。たくさんキャラがいて、たくさん技があるのですがどれも似たり寄ったりで、見ていて全然面白くありませんでした。なのにこれらを飛ばす方法がないのは苦痛でした。技によっては画面がほとんど見えないカメラを使ったりしてて、うっとうしいからこの技を使わないでおこう等と考えてしまいました。ヒロイン達には疲労度というパラメタが存在し、アイテムの助けなしには戦闘に出撃させ続けることは不可能なのですが、後で仲間にする味方は適正なレベルに調整されています。恋愛パラメタも追い込みできるようにか高めでスタートするので、序盤に味方になるヒロインのエンディングを見るより、終盤に仲間になるヒロインのほうが強いしエンディングも見やすいというのは「恋愛」シミュレーションを名乗っている以上、何か違うのではないかと思いました。
 ゲームバランスは最初に三段階から選択できます。私は「普通」でプレイを始めたのですが、一人も倒されないように気をつけてプレイするとかなり難しかったです。上に書きましたが、マップが狭く初期配置が悪いといきなり味方の行動前にぼろぼろにされたりします。またユニオンによって有利な属性をキープしないとさらに戦闘がつらくなります。ところが、ユニオンするモンスターを捕まえるのはモンスターを弱らせなければなりません。アリスソフトのゲームのように捕縛のために「手加減」攻撃があるわけではないので、かなり調整が難しいです。

 CG枚数はかなり多いです。ヒロインが30人いるということでそれぞれに5枚程度以上は用意されていますので、それだけで150枚以上ということになりますね。塗りは悪くないと思うのですが、特に立ちCGの腰が怖いです。顔の幅より細いんですね。服によって隠れてるキャラはいいのですが、そうでないキャラも多いので気になって仕方ありませんでした。戦闘シーンのチップキャラなどは、悪いとは思いませんでしたが、良いとも思いませんでした。
 音楽も特に印象に残らず。
 音声は、男性も声付きなのは好印象なのですが、ヒロインの数がやけに多くて、且つ一人一人の印象が薄いので、声も印象が薄いです。演技的な問題はなかったと思います。

 シナリオは、はっきりいってダメ。お坊ちゃん育ちの主人公が成長する物語のはずなんですが、実績がないまま成していない希望や理想ばかりを語って、且つそれに周りの人たちが共感したり敵が説得されたりするのですからあきれます。逆に主人公の信じていたものが覆されたときもあっさり信じるし、すぐ立ち直るし。そしてテキストも「!」「?」「〜」「っ」「・」などの文字がやたら多いです。キャラたちは何か言われるたびに「!!?」とか「!!!??」などと反応して、見てて笑えます。

 正直、キャラは多かったですがみんな「戦士その一」「魔法使いその一」でしかなくて、コマ以外の何者でもなかったです。街での探索(デート)でも、同じようなことばかりしか言わないし。一部のヒロイン以外はろくにイベントもないし。

 戦闘難易度が高かったこともあって、プレイ時間は結構かかりました。20時間くらいでしょうか。ですが、はっきり言って時間の無駄でした。もちろん遊べなくはないのですが、これを遊ぶのだったらサモンナイト2をもう一度プレイしたほうが絶対に楽しいと思えます。
 ミンクはこれを新しい看板にすべく、かなり力を入れたらしいのですが……これが新しい看板になったのならもう見捨ててもいいかなといえるような内容でした。

はじめてのおるすばん

ZERO Windows95/98/Me/2000/XP版 18禁 アドベンチャー
一押し:観月さおり
 身長130センチ台、一人で留守番をしたことがない、そんなおとなりの双子と留守番してついでにあんなことやそんなこと、というまあ非常に危険な内容で発売前から話題沸騰の今作。私は興味はありましたが買う予定ではなかったのです。ですが、発売日に品薄ぎみだったことと定価が安いために売価も安かったことで、つい購入してしまいました。

 主人公「宏(名前変更可能)」は、平凡な大学生。マンションで一人暮らししている主人公は、隣に住む観月家の双子の娘達ととあることで知り合い、大変懐かれている。観月家は、母親と姉妹の3人家族。母親はいつも仕事で忙しく、家を空けがち。夏休みを前にして観月家の双子、さおりとしおりはそれぞれバスケットボールクラブとお料理教室に通うことにした。だがこれはたまたま交互に行われることになり、彼女達は用事のない日は一人で留守番しないといけないことになってしまった。かわいい娘を一人で置いておくのを不安に思った母は、彼女達が大変懐いているお隣のお兄さん(主人公)に彼女達と留守番してくれるようにお願いしたのだった。さあ、楽しいおるすばんのはじまりです。

 双子がヒロインのゲームというと最近だと胸キュン!はぁとふるCafe(以下胸キュン)を思い出しますが、今作では胸キュンと違って双子のどちらかを選ばないといけないという悩ましい選択は全く存在しません。
 ゲームは1日単位で進行し、朝起きて観月家のドアを叩くところから始まります。導入文に書いたように、毎日交互にヒロイン達が出迎えてくれます。そして、選択があろうがなかろうが一緒に留守番しているヒロインとの日常があり、なし崩しにHシーンに突入します。途中で、いくつかの2択選択肢が現れますが、何を選んでもHシーンが見られることには違いないので、どういう働きをしているかはわかりません。ただ、この選択如何で先のイベントが変化し、それによってエンディングが変わるのは確かです。
 そうやって、日曜を除いた月曜から土曜を2週間過ごして、その次の日曜にとある事情で彼女達と別れないといけない事が判明し、エンディングに突入します。
 ゲームシステムは、割と定評のあるビジュアルアーツのシステムを使っているので、軽快で、且つ必要な機能はおおむね揃っています。ホイール対応の読み戻し、既読スキップ、フォント変更、オートモード、テキストの色分けなどです。テキスト読み戻しは、選択肢が表示された状態からも可能で、しかも選択肢を超えて読み戻しが可能という非常にプレイアビリティが高いものです。セーブロードはどこでも可能で、24箇所。セーブした場所に応じてその日のタイトルが併記されます。このタイトルは、回想シーンで表示されるタイトルと対応しています。

 CGはパターン違いを含めず49枚。1シーンに1枚しかCGがないのは残念ですが、ヒロインが二人だけだということを考えると悪くない量だと思います。絵柄はヒロイン達の小柄さ、身体の薄さがよく表現された、可愛らしい絵柄です。双子姉妹なので、さおりちゃんとしおりちゃんの絵的な違いはつり目かたれ目かくらいなのですが、ほぼすべてのシーンでちゃんと判別がつくのはえらいと思います。またこのゲームはヒロイン達がいろいろな服装をするのですが、それに対応した立ちCGがきっちり全部用意されているのも良いですね。
 音楽は、基本的に明るく進んでいく物語に合った軽快でポップな曲が揃っています。ヒロイン二人のテーマはそれぞれのキャラを表現していて、うまくキャラとマッチングしています。
 音声は、最初聞いたときはちょっといまいち声質が気に入らないかと思ってたんですが……聞いてるうちに、これでないとダメだと思えるようになりました(笑)。しおりちゃんの自信なさげな態度や、さおりちゃんのこまっしゃくれた態度がよく表現できてます。

 シナリオは、上で書いたように初日から特に選択肢を重ねることなくHシーンに突入します。二人とも同じです。つまり、すでに彼女達は主人公と関係を持った後なのですね。しかもゲーム中で語られる過去の話の中にその最初の話があるのですが、そのときからして二人一緒だったらしいです。つまり二人はそれぞれが「お兄ちゃん大好き」で且つ関係を持っていることを知ってるんですね。それでも終始明るく進行するこの話、かなり壊れてます。
 ですが、お話はHシーンばかりではなく、ちゃんと二人とのお留守番の日常も描かれてます。毎日ご飯を食べたとかクーラーが不調で暑かったなどという内容ではありますが、毎日趣向を凝らして一日たりとも省略されることはありません。この辺、キャラを立たせようとするシナリオ担当者の意地を見せられたような気がします。おかげで私もすっかりこの二人が気に入ってしまいました。
 CGの所に書いたように、Hシーンは多いのですがそれぞれのシーンに割り当たってる絵は1枚だけです。なので、現在進行しているテキストと絵の内容がちぐはぐになっていることがありましたが……不満はそのくらいでしょうかね。

 あとはゲームのエンディングはさおりちゃんエンド、しおりちゃんエンド、双子エンド、バッドエンドの4種類ですが、どういう選択をすればどれに進むというのが良くわからなかったのがちょっと面倒でしたね。最終的に見ていないシーンはしらみつぶしに選択を重ねないと見つけられませんでした。

 1プレイは、音声をきっちり聞いて進めれば6時間程度でしょうか。ほとんどのシーンが主人公とヒロイン一人が観月家という一つの舞台で会話してるだけなのですが、充分に楽しめました。
 上では一押しをさおりちゃんとしていますが、このゲームは二人セットで気に入る人がほとんどじゃないでしょうか。私も苦渋の選択をしました(笑)。

 お勧めできるのは、薄い胸の女の子のHシーンに抵抗がなくて明るいH三昧のゲームが見たい人、ですかね。当初予想したほどニッチ向けではない、良質なゲームだと思いました。もちろんそれでも充分やばい内容ではあると思いますが。

月陽炎

すたじおみりす Windows95/98/Me/2000版 18禁 マルチシナリオアドベンチャー
一押し:有馬美月
 巫女さん、矢羽根模様の制服、その辺の制服方面から興味を惹かれつつも、同メーカーの前作がかなりのバグ持ちで様子見していた所、聞こえてくる評判はかなり高く、時機を逸しましたが私も購入に踏み切りました。

 時期は大正の頃。帝都に住む神主の息子である主人公・嘉神悠志郎(名前変更不可)は、父の後を継ぐべく修練をしていた。そんな中、実地訓練もかねて遠縁の有馬神社に手伝いに行くことになる。そこで出会う、元気なおてんば少女、引っ込み思案の対人恐怖症の少女、その二人の姉である冷たい視線の才女という構成の三姉妹。そして、ぎくしゃくとした微妙な均衡を保った「家族」。当初はなかなか受け入れて貰えなかったが、次第にうち解けていく悠志郎。そうして彼女たちと惹かれあううちに、彼女たちの秘めた悩みや、謎と直面する。
 悠志郎はそれを乗り越え、意中の女性と結ばれる事ができるのか。

 システムは、ごくオーソドックスな選択型アドベンチャー。見かけで珍しいのは、こういう形状なのにメッセージ枠がないことでしょうか。その分、メッセージが見難くならないようにフォントが強く縁取りされています。これはデフォルトの設定で、好みでなければメッセージ部分を半透明矩形で明示することや、縁取りを解除したり影付きに変更したりもできます。そして、画面に登場しているキャラクター達の台詞は、それぞれちょうど顔の下に表示されるようになっています。登場していないときでも、それぞれのキャラの台詞は固有の色づけがなされているので、誰がどの台詞をしゃべったのかと混乱することはありません。これらのフォントは、インストールしてある他の固定ピッチのトゥルータイプフォントに変更可能で、これにより画面の印象をだいぶ変えることができます。
 セーブロードは20カ所。クイックセーブとかオートセーブというような便利機能はありませんが、いつでもセーブできますし、いつでもロードできるので特に困ったことはありませんでした。既読スキップや、ホイール対応の読み戻しもあります。設定可能な項目は多くありませんが、必要充分といった感じでしょうか。

 このゲームは、クリアを重ねることで新たな展開が増えるという形式を取っています。これをわかりやすく表現する為に「アイテム」と「プロローグの変化」「次回予告のようなエピローグ」が用意されています。エンディングに到達すると、「次回予告のようなエピローグ」が流れます。今回のプレイでプレイヤーが感じたであろう心残りや物語に残された謎などを次のプレイで解決できる事を示唆したものです。そしてその後、その問題を解決できる「アイテム」の入手が知らされます。このアイテムは、タイトル画面から確認することができます。アイテムの中には、CGモードや回想モード、音楽鑑賞などを見る為に必要なモノもあります。そうして特定のエピローグを見た、次のプレイ時には「プロローグ」がその流れに沿った違うモノになります。とはいえ、他のルートに進む可能性が閉ざされているわけではないのですが。ともかく、この構造が次のプレイへの意欲をかき立ててくれ、うまく繰り返しプレイを誘導していると思います。
 そして、各ヒロインのルートをクリアすると、タイトル画面にクリアしたヒロインのカットが増えていきます。エンディングが複数あるヒロインの場合、ラフ、モノクロ、カラーという感じで段階が用意されていて、自分のプレイがどのくらい進んでいるか一目瞭然です。

 CGは、CGモードの枠で60枚。そのうちメインヒロインである美月と柚鈴に2/3以上が割り振られています。他にエンディングの存在するヒロインは3人いるのですが、どちらかというと彼女たちは美月と柚鈴のシナリオのifと言った感じの扱いです。三姉妹の長女である鈴香は、ヒロインたる資格が充分あると思うのですが、非常に勿体ないです。塗りは水彩っぽい淡い調子で統一されていて、雰囲気が良いです。当初は鼻がほとんど描かれない原画にとまどいを覚えましたが、それもプレイを重ねるうちに慣れました。
 音楽は、物語を盛り上げるのに充分役に立つ、バリエーション豊かなものが揃っています。時代背景を意識した雰囲気が感じられないのは残念ですが、プレイ中はそんなことも気にならずに充分楽しめました。
 音声は、男性も含めてフルボイスで、他社ゲームでも活躍しておられる面々が演じられてます。声とキャラのギャップも感じられず、演技も申し分なく、非常に高いレベルだと言えるでしょう。

 シナリオは、基本的に美月ルート、柚鈴ルートの二つとなっていて、フラグが立っていれば(アイテムを持っていれば)、それらの中から他のヒロインのルートに分岐するという形です。美月ルートと柚鈴ルートは、先に書いたようにエンディングの順序がコントロールされています。このため、初回に迎えられるそれぞれのエンディングは何もわからない、疑問だけが残るような流れになっています。ですが、前述したエピローグなどでうまく次回への期待を煽ってくれるので、「次こそは」という気分になってプレイ意欲を維持できました。ちなみに、この二人のヒロインルートは最初の選択で分岐するようになっています。ゲームが進行してアイテムが増えるとここにもう一つ選択が増えて、そこから別のヒロインルートに進行することもありますが。
 流れはともかく、中身の方は有馬の複雑な家族構成、ヒロイン達の生い立ち、血の問題、それらと付近で発生する猟奇殺人との関係、主人公に秘められた素性などなど、いろいろなモノを内包しています。そこに至るまでに有馬家での日常や、ヒロイン達との交流を地道に描いてくれるおかげで、ヒロインへの思い入れは非常に強いです。また、ヒロインと結ばれてからの怒濤のHシーンは、どれもらぶらぶ全開で、非常に楽しめました。特にメーカーが「半脱ぎ」と称する状態にこだわっている為、服装に注目した私にはかなり強く印象に残りました。
 ただ、物語の真相の関係で全体的にハッピーエンドで終わる流れがほとんどなく、それだけがちょっと残念でした。とはいえ、きっちり舞台が説明されている分、そういう流れにしかならないであろうというのは納得できるので、楽しめなかったわけではありません。

 プレイした人の評判を聞いての購入だったのですが、全く期待を裏切らない、強力な「萌え」としっかりした物語を兼ね備えたゲームでした。ちょっと絵柄に癖がありますし、ヒロインはみんな薄い身体なので、その辺が嫌な人にはお勧めできませんが、そうでないならプレイしておくべき作品だと言えるでしょう。

月陽炎〜千秋恋歌〜

すたじおみりす Windows95/98/Me/2000版 18禁 ファンディスク
一押し:有馬鈴香
 月陽炎のファンディスクとして、限定本数で発売されたソフトです。内容は、本編でおまけ程度の扱いだった鈴香と双葉をメインに据えたアドベンチャーと、システムボイス集、ミニゲーム、デスクトップアクセサリ、本編の序章、終章、バストアップCG鑑賞モードです。

 アドベンチャー部分は、どちらも本編での鈴香、双葉の流れをさらに掘り下げるという形になっています。特に鈴香のシナリオは、マルチエンドになっていて且つ、本編で是非欲しかった流れだったので非常に楽しめました。双葉のシナリオは、本編側でも完全なifになっていて、蛇足気味に感じていたのですが、こちらでもその印象は否めません。単品として見ると悪くないのかもしれませんが、「月陽炎」という作品の一部と見ると弱いですね。
 そして、この双葉シナリオをクリアすると、「双葉のなないろ事件簿純情派」というミニゲームがプレイできるようになります。内容は、画面上を勝手に動き回ってる物体を、方向を変えられるタイルを置くことでコントロールして目的の場所に誘導すると言うものです。毎面クリアごとにCGが見られるのですが、このCGは本編のモノとは違ってゲスト作家達によるオリジナリティ溢れたものとなっています。
 デスクトップアクセサリは、付箋紙ソフト。これは別にインストールしないといけないのですが、私は未見です。
 システムボイス集は、WAVファイルで収録されており、登録は手動で行うことになります。こういう形状のモノとしては珍しく、各ヒロインのモノだけでなく柚鈴と美月が一緒に登場するボイスセットも用意されています。本編ファンならこれを使えば間違いなしという所でしょう。
 本編の序章終章鑑賞モードは、上の私の本編レビューで「プロローグ」「エピローグ」と書かれたモノのことです。これは、演出的に見る所も多いのですが、フラグの進行の関係で二度と見られないものも多かったので、ユーザの要望に応えてのモードなのでしょう。
 バストアップCG鑑賞モードは、読んで字のごとく。ヒロイン達の表情と服装を任意に組み合わせてじっくり楽しめます。

 内容的には、本編の感想で「勿体ない」と書いた鈴香のシナリオが充分補完された事で大変満足しています。
 値段が安いこともあって、本編のファンなら必携のアイテムです。……と言いたい所ですが、これを書いてる頃には特殊な手段を用いない限り入手は不可能ですね。これがこの作品の一番の問題かもしれません。

あいかぎ〜ひだまりと彼女の部屋着〜

F&C/FC-02 Windows98/Me/2000/XP版 18禁 同居生活アドベンチャー
一押し:葉月彩音

 F&Cらしい絵柄の先生との同居モノ。といってもそこに注目したのではなく、一緒に同居する先生の妹のデザインが、黒髪ロングストレートだという部分に注目したのでした。

 主人公(名前変更可能)は、推薦入学が決まってあとは卒業を待つばかりの学生。時期的にもすでに自由登校になっていてのんびりと日々を過ごしていた。そんなある日、友人の室井祐希に学校に呼び出される。そこで主人公は、やはり友達の葉月千香から大事な話があると言われて二人で話すことになるが……いざ告白というタイミングで、彼女の姉で教師の葉月彩音が慌ててやってくる。主人公の父が事故に巻き込まれたというのだ。
 そして、主人公の父はそのまま不幸にも亡くなってしまう。母も幼い頃になくしていた主人公は、仕事で離れて住んでいる姉の策謀もあって、卒業までの少しの間、彼女の友人でもある葉月彩音の家に同居することになったのだった。昔から憧れていた彩音、主人公に好意を寄せる千香、そんな二人との同居生活。卒業までの短い期間、主人公は何を見、何を感じ、そしてその後、どのように過ごすことになるのでしょうか。

 システムはルートが確定するまで、マップ移動が挿入される選択型アドベンチャーです。ルートが確定するのはゲーム中の日付で9日目以降です。1,2日目はプロローグなので、実質3〜9日目までの7日間でルートが確定することになります。マップ移動は、特にイベントで潰れなければ1日に2回存在します。どちらも行き先は4カ所で、朝と晩で行ける場所が異なります。これら行き先には特にどこに誰がいるなどの表示はないので、ルートを確定させる難易度を考えるとセーブ&ロードは必須でしょう。
 機能としては、既読スキップ、ホイール対応の読み戻し、読み戻し時の任意のメッセージの音声再生、選択肢ごとのオートセーブ、中断時のオートセーブ、3カ所まで履歴の残るクイックセーブなど、他のF&C作品と同様の充実です。ただ、統一した操作系を目指したのかもしれないのですが、ゲーム中のセーブロード、コンフィグなどは、全て一つのボタンで表示するメニューからの選択となっています。クイックセーブ/ロードなどの頻繁に利用するアクションはワンクリックで実行できる位置に配置しておいて欲しかった所です。あと、読み戻しはホイール対応と書きましたが、ホイールとキーボード以外の方法で呼び出すには、メニューバーのメニューを選択しないといけません。これも先程のメニューボタンの下に配置すべきだったのではないでしょうか。
 また、マップ移動の移動先や選択肢は一度選択すると色が変わって繰り返しプレイに便利になっています。ただ、先程書いたようにセーブロードが必須なので、それをやっているうちにどんどん選択肢の色が変わってしまって、最後の方はあまり参考にならなかったです。

 CGは、イベントCGのモノは文句なく綺麗です。CGはヒロインごとに10〜20枚程度。ヒロインの人数は4人とあまり多くないですから、ちょっとボリュームは少ないですかね。立ちCGは、それぞれ太股の辺りまで画面に入る、まさに「立ち」CGになっています。このゲームでは、ポーズの変化はほとんどなく表情の変化だけでシナリオの内容に対応させているので、逆にこの縮尺では肝心の表情が見づらく、効果が弱く感じられました。塗り自体は悪くないのですが、各部が小さくなったことでデティールがつぶされてしまっています。淡い色彩で塗られていることもあって、かなり見た目で損をしているように感じました。
 音楽は、いつものDOORSなので、一定のクオリティを保っています。ボーカル曲はオープニングの「みっつのマグカップ」とエンディング曲です。エンディング曲は、なんと「仰げば尊し」が使用されています。このゲームのエンディングは卒業式のタイミングで迎えますし、それを狙ったかのようにテキストも作られているので、非常にしっくりきていて、ずるいと思いつつも感激してしまいました。
 音声は、男性も含めてフルボイス。のはずなんですが、私のプレイでは特定の台詞で音声が再生されないことがありました。それはさておき、音声自体の出来はこれもいつものロックンバナナの制作なので、全く問題なしです。

 シナリオは、主人公、ヒロインにまつわる卒業、進路の話だったり、それとはあんまり関係ない話だったり。昔から好きだった姉の友達の彩音に対する気持ちをつづった彼女のルートが一番楽しめました。全体的には取り立てて破綻もせず、かといって飛び抜けて凄いわけでもない、無難な出来だと思います。
 それでも印象に残るのは、ヒロイン達の個性の強さでしょうか。低血圧で果てしなく朝に弱くて、幼い言動行動をしてみたかと思うとやっぱり年齢相応の大人であったり教師であったりという側面を見せる彩音とか、主人公が好きでたまらないのにその生来の引っ込み思案のせいで同居してるにもかかわらずそれをはっきり表に出せない千香とか。とにかく、この姉妹の二人が気に入りました。ですので、この二人を同時に絡めたイベントが少なかったのが不満点ですね。同居の期間、というかゲーム期間自体が短いので、せっかくの「同居」もあっという間に終わりますし。

 不満点は上にも書いた操作系の問題と、やはり上に書いた葉月姉妹を同時に出したイベントが少なかった点でしょうか。人によっては理事長の橘あゆみが攻略対象でないことを不満に思うかもしれませんが、私はそもそも彼女の出番が少なく且つ亭主持ちなのでそういうことは感じませんでした。
 あとは難易度の問題ですね。ルート分岐の手前だけでなく、分岐後でも何カ所か、そこまでの好感度(ヒロインポイント)の累積を判定していて、これが満たされないとゲームオーバーになってしまいます。それ以外にも、はっきりしない状態でHになだれ込んでしまうとやはり同様にゲームオーバーに行ってしまいます。選択肢での自動セーブやクイックセーブのおかげで、それほど苦痛ではなかったですが、選択をミスした結果がだいぶ先で出るような場合はさすがに頭を抱えたくなります。最終的に一部のヒロインは攻略を見ながらプレイしてしまいました。

 1プレイの時間は通して音声を聞けば10時間程度。プロローグと共通部分を極力とばせば3〜4時間程度です。
 取り立ててとんがった部分のない作品ですが、彩音や千香のキャラが気になったならプレイしてみても良いのではないでしょうか。

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