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愛しの言霊

シルキーズ SLKC 005,006 Windows95/98/Me/2000版 18禁 アドベンチャー
一押し:梶原清美
 復活したシルキーズブランドの新作です。今作は夏季限定発売をうたう、寺の息子と幽霊の話です。

 主人公は海外で暮らす両親と離れて祖父の元で生活する学生。やりたい事が見つからず、進路が決まらない事を悩む主人公。親友の義平の誘いで海岸に出るという噂の幽霊をひまつぶしを兼ねて見に行く。予想通り何も現れず、そろそろ帰ろうかというとき、彼はかすかな声を聞く。それに驚いて慌てて帰ろうとする彼に林道で再び別の声が聞こえる。さらに帰りの自動車道でまた別の声が聞こえる。
 慌てて祖父の家である寺に戻ってきた主人公を待ちうけていたのは父からのエアメールだった。そこには近日中にやりたい事がみつからないのなら両親の下に強制的に連れ戻すという一方的な通達が書かれていた。
 翌日いつものように遊んで夜遅くに帰宅した主人公に祖父はお守りを手渡す。それを持った主人公は翌日からより強く霊の存在を感じるようになったのだった。
 それぞれの未練を抱えて成仏できずにいる幽霊達。彼女たちとの交流で彼は彼女たちの心残りを晴らしてあげたいと思い、行動を開始するのだった。

 ゲームは、移動選択中心のアドベンチャーです。父の決めた期間である残り30日以内になんらかの結果を出す事が目的になります。一日の行動回数は6点です。一ヶ所移動するたびにこれが1点ずつ、遭遇する内容によっては複数点減少します。これは単純に行動回数というだけではなく、時間にも対応していて残り2点の時点で夜となります。夜でないと起こらないイベントなどもあります。移動先には特に何も示されず、セーブ・ロードで任意のヒロインを追いかけていく必要があります。セーブ、ロードは自室で行えます。ですので自室への移動は行動ポイントを消費せずに行えるようになっています。
 移動先では、ヒロイン達やその他のサブキャラ以外に関係のない妖怪達と遭遇することがあります。彼女たちはいわゆるH要員で、何度も遭遇していくうちに選択が発生し、そこで適切な選択をすることで彼女たちのHシーンを見ることができます。ただし、これはトラップにもなっていて、このHシーンを発生させた場合、その日の残り時間だけでなく翌日も行動不能になってしまいます。また、シナリオの流れによってはそれ以外の妖怪達と対峙する事になります。このとき、適切な選択ができない場合は容赦なくゲームオーバーになってしまうので気をつけましょう。
 このゲームの特徴は、メインヒロインのうち幽霊の3人は、ゲーム開始時は声しか聞こえない存在なのですが、シナリオが進行して好感度が高まると徐々に視認できるようになるという部分です。が、これはこのゲームがヒロインごとのルートだけを見ると基本的に一本道のアドベンチャーなのでいまいちうまくいかされていない様に思いました。好感度に連動させるというのならやはりもう少しフレキシブルに展開するシナリオが必要だと思います。
 システムとしては固定できる既読スキップがあったり、起動はダメですが起動してからはホイール対応で、音声再生もできる読み戻しがあったりと充分繰り返しプレイに対応できてます。

 CGは塗りのレベルはさすがと言えるものです。原画はちょっとキャラごとの表情の付け方が似通ってるのが惜しいですが、色っぽい表情の描き方は結構扇情的で印象深いです。そもそもこの表情を見てこのタイトルを注目したのですから、かなり特徴的だといえるでしょう。CGの枚数はパターン違いは含まずにヒロインごとに20枚前後程度。パターン違いは少ないですが、表情だけという様なパーツの差し替えではないパターン違いが多いですから、枚数の多いヒロインならに30枚程度でしょうか。
 音声は、男性や敵役の妖怪も含めてフルボイスです。音声のイメージや演技は全く問題なしです。
 音楽は、特に印象には残りませんでしたが、これもBGMとして特に問題は無かったです。

 最近のゲームとしては非常にシンプルで、且つプレイ時間もそれほどかからないモノです。その分イベントなどが少ないともいえるのですが。幽霊ヒロインの好感度による見え方の違いの為か、CG枚数は少なくないのにそのほとんどが最後の1回きりのHシーンに費やされているのが勿体ないですね。彼女たちは地縛霊ですから場所の移動もできないので絵は作りにくかったんでしょうけど、もう少しHシーン以外のイベント絵も増やしてほしかった所です。また、Hシーンもできればもう少し回数を増やしてほしかったですね。
 あと、やはりヒロイン達が地縛霊だからというのがありますが、横の繋がりが全くないのですね。もちろん主人公以外の人間が関ってくる事もないですし。その辺はこういうテーマを選んでしまったが為の枷なので仕方がないでしょう。ですが、主人公が幽霊を好きになっているという異常な事態を横から心配するような流れは用意できたと思うし、あった方が自然なんですが……その辺の作り込みももう少し頑張ってほしかった所です。
 もう一つ、幽霊ヒロインとのエンディングは当然ながら普通ではないのですが、その中の一部が説明不足で、確かにハッピーエンドなのかもしれないけどこれはどういう事が起こってこういう事になってるのか、というのが理解できない部分がありました。確かにシーンだけ切り取って見ると悪くないのですが、ちゃんと説明は欲しかったです。

 正直、最初に記事を見て期待したものからはかなり外れていました。とはいえ、楽しめなかったかというとそうではなく、全ヒロインをクリアするまでちゃんとプレイしました。
 1プレイの時間は8時間程度で、2回目以降は狙いのヒロイン以外の部分はほとんどスキップ出来るのでほとんどが既読状態になれば3時間程度まで短縮できます。冒頭に書いた通り「夏期限定販売」らしいので、これを見て興味を持たれても店頭にモノがあるかどうかわかりませんが……お薦めできるのは「幽霊との恋愛」というキーワードになにか感ずるもののある人、でしょうか。

母娘どんぶり2〜アキラの場合〜

び〜にゃん BEE-008 Windows95/98/Me/2000版 18禁 アドベンチャー
一押し:高原りな
 前作をそこそこ気に入っていましたし、今作は前作のコンセプトを正しく受け継ぐという話だったので、今作も買ってみました。

 主人公沢渡アキラ(名前変更不可)は、この夏休みに友人達と脱童貞をかけた北海道旅行に出かけた。が、若さゆえの暴走で結局何の成果もなく時間とお金を使い果たしてしまい、残りの夏休みを失意のまま過ごすことになった。そんな時、彼にかかってきた1本の電話。それは田舎で酒屋を営んでいる親戚の香奈子おばさんからの連絡だった。内容は、おじさんが入院して人手が足りないから手伝いに来てほしいというものだった。おばさんの一人娘であるあずさ姉ちゃんは初恋の人だったこともあって、アキラは一縷の望みをかけてその話に乗った。いつもと違う場所で出会ういつもと違う女性たち。アキラは念願の脱童貞に成功するのだろうか。

 この冒頭で語られている北海道旅行に同行した友人の一人は前作の主人公で、その辺の繋がりがプロローグで少し語られたりしますが、その程度でそれ以上の前作との繋がりはありません。
 システムは、選択肢とマップ移動のあるタイプのアドベンチャーです。マップ移動シーンではヒロインのシンボルが表示されていて迷うことはありません。そもそもこのゲームの場合は、最初のマップ移動で選択したヒロインでほとんどルートが決まってしまい、それ以降のマップ移動では選んだヒロイン以外登場しないような状況がざらです。会話中に挟まれる選択肢は、それぞれのヒロインのエンディングを分岐させます。場合によっては、母娘どんぶりルートに流れることもあります。
 設定項目などは、各種完備されています。珍しいのは既読自動スキップの設定が通常シーンとHシーンで別々になっていることですね。そういう目的のゲームとしては非常に的確な狙いの機能ではないでしょうか。また、キーボードでプレイしたい人の為に、キーコンフィグもついています。その他読み戻し機能やヒロインごとの音声のオン/オフ機能などがあります。セーブロードはメッセージウィンドウ上のボタンから手軽に40ヶ所、サムネイルとコメント(自動)付きでアクセスできるようになっています。設定項目は画面上部のメニューバーで操作しますが、フルスクリーン時にはカーソルを画面上部に持っていってクリックする事でメニューバーを表示させることができます。自動的に表示されるのも便利ですが、このパターンも悪くないですね。概ね合格点なのですが、個人的な希望としては自動既読スキップ中でも右クリックなどで強制停止できたらよかったと思います。

 CGは特筆すべきほどではないですね。無難な出来です。絵柄も特に大きな特徴もないですし。枚数はパターン違いを数えずに80枚。ヒロインが6人ですから、まあこれも普通レベルでしょうか。
 音声は、ほぼヒロインのみで、さらにフルボイスではありません。声の質自体は特に問題ないと思います。
 音楽は、前作譲りでシーンによってはかなりイメージがはく離しています。

 今作の主人公アキラは、導入ストーリーに書いたように「やりたい盛り」の男の子です。頻繁にHな妄想にひたってはそれを見たヒロイン達に気持ち悪がられます。あまりにも露骨なその態度に最初のころはちょっと嫌悪感を抱いていたのですが、ゲームが進みヒロインが確定したら結構男気のある一途な個性を見せてくれて意外にも感情移入できました。とはいえ、ヒロインに対しては常に隙あらばHな事をしてやろうと思ってる事には違いないのですが、ヒロイン達もそんなアキラを好きになって彼を受け入れるので基本的に明るく進行してきます。
 このゲームにはいわゆる即死選択肢がいくつか存在します。Hな事とそれを我慢するという選択肢で、それを我慢するという選択をした場合に多いのですが、恋愛ゲームなどとは逆ですよね。そして、そのゲームオーバーの理由は「Hな事を我慢するアキラなんてアキラじゃない」という事で、それを切っ掛けにすっかり心を入れ換えてしまって、何事もなく夏休みが終わってしまったという流れになるのです。バカゲーテイストですが、妙に印象に残る選択でした。
 ところで、このゲームのタイトルにもなっている「母娘どんぶり」ですが……今作では3組の母娘、どのルートでも母娘どんぶりはバッドエンディング的な流れになります。うちの一つはヒロインを壊す所まで行ってしまいます。前作でも、ヒロインと主従の関係になってしまうような流れなどがありました。それは二人が幸せならそれでも良いと思えたのですが、さすがにこうも不幸な結末を見せられると凹みますね。前作を忠実に、というのならもう少し明るい方向性を強めてほしかったものです。タイトルが「母娘どんぶり」なのに「母娘どんぶり」のない組み合わせがあったという点は改善されてるのですが……

 1プレイの時間は、8時間程度でしょうか。それぞれのヒロインはそれぞれのルートに乗るとほとんどメッセージの重複がなくなりますので、繰り返しプレイでもあまり時間は短縮できません。
 取り立てて、お薦めできるほどの長所はないのですが、蔑むだけの短所も見当たらない平均レベルの佳作だと思います。母娘どんぶりにはあまり期待できませんが、妻(というか母)は3人も登場しますので、そちらの趣味の人はプレイしてみてもよいのではないでしょうか。でも、このゲームの妻達は正直なところ、みんな少女ちっくでいまいち「妻」を感じさせられることはなかったのですけど。

純潔狩人

Tinker Bell TB-007 Windows95/98版 18禁 吸血アドベンチャー
一押し:ソフィア
 吸血鬼が少女を使徒にし、彼女を使って処女の娘を襲うというテーマのゲームです。吸血鬼モノであったり、百合モノであったりというのが私のアンテナに引っかかり購入に踏み切りました。

 舞台は吸血鬼伝説のある西洋のとある街の全寮制お嬢様学校。成人式を迎えた夜、なんとなく散歩していたエリカは見覚えのない墓を見つけ、そこで彼女を呼ぶ声を聞く。そして意識を途切れさせる。彼女が目を覚ますとそこは見覚えのない地下通路。奥に見える光に出口を求めてそちらに歩いていく彼女。しかし、そこにあったのは一つの棺。そして、一人の吸血鬼がいたのだった。彼の力によってされるがままに処女を散らされ、血を吸われるエリカ。彼の力で次第に気持ちよくなる彼女に変化が訪れる。彼女の中に、エリスという吸血鬼の僕が現れたのだ。
 翌日自室でめざめる彼女。しかし彼女の中には確かにエリスが存在しているのだった。そして、エリカによる吸血鬼の完全復活のための処女狩りが始まる。

 ごくシンプルなアドベンチャーです。基本的には朝にエリスとして誰と話すかを決めて、夜にエリカとして誰を襲うかを決める事でゲームは進行していきます。それ以外にもときどき選択肢が発生し、それによりエンディングが変化します。
 設定項目はごく少なめです。一応既読管理はなされているはずなのですが、私はこれを使いこなせたことがありませんでした。このゲームはいまどき珍しくデフォルトで音声がスキップ出来なくなっています。これをスキップすることができるようになる設定は存在するのですが、この場合もクリックで音声が止まるのではなくて、メッセージが次に進むという形になります。ですので、次で新しい音声の再生が発生すれば前の音声は止まりますが、そうでない場合新しい音声が再生されるまで前の音声が鳴り続ける事になります。これと先の既読スキップが関係しています。テキストウィンドウに表示されている「SKIP」ボタンは音声が再生されていない時しか操作できないのです。それは先の音声スキップをオンにした時も有効で、別のメッセージが表示されていても音声が鳴っている間はボタンが押せないのです。この為私は全然このボタンが使えないと思ってしまい、マウス連打でしのいでいました。ちなみに、よくあるCTRLキーの押し下げによるスキップなども用意されていません。

 CGはちょっと面長な感じが可愛いのですが、後述する通り基本的に痛々しいHシーンばかりということもあって、泣き顔ばかりです。塗りなどは平均レベルには達しているとは思います。ただ、画面の密度が高くなると質が下がるような印象はありますね。枚数は、パターン違いを含めず55枚。ヒロインはエリス/エリカを含めて6人ですからちょっと少なめですね。
 音声は、可もなく不可もなく。なのですが、先に書いたシステムの不備もあっていまいちいい印象がありません。
 音楽は、西洋のお嬢様学校、吸血鬼というテーマには沿ったものになっているのではないでしょうか。いまいち印象に残らなかったですけど。

 導入にあるように、この物語では主人公は吸血鬼の僕となってヒロイン達の処女を散らしていくのが目的となります。一応エリスにも吸血鬼の力が備わっており、その力を行使して事を進めるのですが……その主な所は再生能力を高めてヒロインの処女膜を再生させる事なのです。その後記憶も消すので、同じヒロインを襲うたびに痛々しい処女喪失のシーンが発生します。もちろん、回数を重ねるごとにシーンは変わっていくのですが、基本的にヒロインは泣き叫びます。このテーマを見た時には、吸血鬼の魅了の力を使って処女なのに痛みを感じない、それどころか快感の虜となってしまうという様な流れを想像したので、かなり違和感を感じました。中には、この話でしか見られない「処女膜を自身に破らせて、その場で再生させて、また破らせて」という様なシーンもあって、それはうまいなあと思ったのですが、やはりそれも痛々しい訳で。ちょっと期待はずれでした。
 また、襲う側も女性という事で、その辺も期待した訳なのですが、あくまでエリスは処女を散らして血を得ることだけを目的としていて、自身が快楽に身をゆだねるという様な流れもなく、結局これなら主人公は当の吸血鬼自身でもなんら問題なかったのではないでしょうか。
 基本的に、一人のヒロインは3回ずつ襲えるようになっているのですが、条件を満たすともう一度襲う事ができます。選択肢が少ないのでこの辺の流れが予想できず、最終的に攻略情報を頼りにしてしまいました。

 1プレイの時間は、適度に音声をスキップしながらで30分〜1時間程度。非常にシンプルなゲームです。ただ、上に書いた通り選択が少ない割にシーン分岐は多く、そしてその理由が把握できないので全てのCGを埋めるのは結構骨です。
 正直なところ、吸血鬼とか百合とかそういうキーワードを期待した人には外れでしょう。それ以外にも特に特徴はなく、あまりお薦めできない作品でした。

Piaキャロットへようこそ!!3

F&C/FC02 F&C-173,174 Windows95/98/Me/2000版 18禁 ファミレス恋愛シミュレーション
一押し:羽瀬川朱美
 人気シリーズの第3作目。2作目の後、ずいぶん時間があきましたが満を持しての登場です。

 主人公「神無月明彦(名前変更可能)」はファミリーレストラン「Piaキャロット」本店でアルバイトする学生。そこには同じ学園に通う女の子「高井さやか」もアルバイトしている。もともと彼女がいるから始めたアルバイトだが、なかなか友達以上の関係になれずにいる。そんな時、主人公はオーナーから新規出店する4号店への住み込みヘルプを要請される。主人公は、さやかに引き止めてもらおうと彼女に相談する。だが彼女はそんな主人公の気持ちを知ってか知らずか、ヘルプへ行くことに賛成するのだった。失意のまま旅立った主人公。行く先は夏の避暑地、海沿いのPiaキャロット4号店。そこで主人公はどんな1ヶ月を過ごすのだろうか。

 ゲームの構造は、基本的に前作と同様です。要するに、1週間ごとにアルバイトのスケジュールを決定し、その合間にヒロインに会いに行ったり電話をかけたり、自分を鍛えたりするわけですね。今回もユニフォームセレクトは健在です。事前に雑誌連動で制服の人気投票が行われており、その中の上位の2種類とそこでは登場しなかったもう1種類の合計3種類から制服が選べます。
 また、シリーズ作品ということで前作、前々作のキャラクタがいろいろ登場します。最たるものが、主人公の姉の神無月志保です。彼女は〜1のマネージャーを勤めていた人ですね。現在は3号店の店長になっていますが、年の離れた弟を心配してやってくるというようなイベントが用意されています。それ以外にも前作のセガサターン移植版で追加された愛沢ともみちゃんが正規のヒロインとして登場していたり、とにかくいろいろ既存作とのつながりが見られます。それらは知らなくても楽しめるでしょうけど、知っていたほうがより楽しめるでしょうね。
 システム的には、固定可能な既読スキップや、音声再生可能な読み戻し機能、ヒロインのシンボルをセットしておけるセーブ/ロードなど、必要充分な機能が用意されています。最近のF&C作品としてはクイックセーブ/ロードが用意されていないのだけが残念でした。

 CGは今回も複数人の原画氏が参加していますが、違和感を覚えないようにきっちり塗りを統一しています。少しだけ、一部の原画氏のキャラが絵柄の違いから浮いてみえるのが気になりますが、全体的には非常にハイクオリティな仕上がりになっています。CG枚数はそれほど多いとはいえませんが、プレイ時間を考えると多いほう……ですが、よく考えるとその枚数には制服違いが含まれてるんですよね。とはいえ、パターン違いもありますから、やはり密度は高いといえましょう。
 音声は、おなじみのロックンバナナのプロデュースで、新人さんもいらっしゃるようですが見事にそれをカバーできています。男性キャラや脇役キャラなどもちゃんと必要に応じてしゃべるのはいいですね。
 音楽は、前作のテーマ曲のインパクトが強かったのですが、今作ではさわやかなテーマ曲が採用されています。手がけてらっしゃるのはきゃんきゃんバニー6を担当された方です。あちらでも音楽は気に入っていたのですが、こちらもゲームのBGMとして必要以上に主張せず、でもキャラのテーマソングなどはうまくイメージを捉えているという良いバランスで作成されています。

 シナリオは……前作のレビューにも書いてますが、基本的に1ヶ月でそれほど大きな起伏が描けるわけはないので、無理に風呂敷を広げてないですね。私はそんな前作を踏まえた上でこれをプレイしたので、特に不満に思わずに素直に楽しめました。ただ、一部のシナリオでは意味不明の展開が起きることがあって、その辺だけはいまいち納得できなかったですが。
 逆にHシーンなどは、〜2ではほとんどが終盤に1回のみという形だったのが結構変わっていて、ヒロインによってはこの短い期間中に4つもHシーンが用意されていました。〜1には比較的そういう流れもあったので、うまく1と2のおいしい部分をミックスしたという感じなんでしょうかね。

 1プレイの時間は、アニメーションを適度にスキップして5時間程度でしょうか。2回目以降は結構多い共通部分をスキップできますから3時間くらいになると思います。
 お手軽に楽しめる恋愛ものとして、充分な出来なのではないでしょうか。少なくとも私は充分気に入りました。

家族計画

D.O. DCD-00491-2 WindowsMe/98/2000版 18禁 ノベルアドベンチャー
一押し:河原末莉
 D.O.の新作ですが、シナリオライターこそ星空☆ぷらねっとなどを手がけたライターさんですが、音楽はI've、原画は他社作品で活躍しておられる福永ユミさんと、かなり外部スタッフの色が濃い作品となっています。

 主人公、沢村司(名前変更不可)は幼い頃に両親に捨てられ、親戚に預けられたりはしたもののそこでもなじめず、常に一人で生きてきた。現在は、歌舞伎町にある中華料理店ろんろんでバイトしつつ生計を立てている。ある日司は店の裏に倒れている短いチャイナドレスを着た少女を見つける。状況から危険なものを感じた司だが、ろんろんの店長代理の命令もあってその少女「春花(ちゅんふぁ)」を自宅に連れ帰る。それを見ていた、謎の男「広田寛」は自らも飯にありつくために司の家に押しかける。紆余曲折あり、アパートが半壊し、その弁償金とともに家をなくした司。その放浪の途中に自殺しようとしてた女性「板倉真純」を助けたり、ホームレス生活を余儀なくしている少女「河原末莉」と出会う。
 そして、彼らは放浪の末、一軒の暖かそうな古い一戸建てを見つける。その家の所有権を主張する「高屋敷青葉」と、司のかつての同級生「大河原準」を交えて、寛が提案する個々のトラブル解消作戦「家族計画」が発動するのだった。

 ゲームはシンプルな時折選択肢が現れるアドベンチャーです。システムは非常にシンプルで、設定できる項目もメッセージ速度、効果音/BGMのボリューム、オートクリック時の進行速度、既読スキップの選択後の継続、ムービーの品質くらいです。これらはセーブロードも含めて右クリックのポップアップメニューから操作できるのですが、個人的にはせめてセーブロードくらいは別のボタンを作ってそこから操作するようにしてほしかったですね。ゲーム中に他のゲームと同様の感覚でメッセージウィンドウを消そうとして右クリックし、そのままうかつにマウスを動かしてもう一度ボタンを押してゲーム終了確認のダイアログを出すことが何回かありましたし。Windows的には正しいのかもしれませんが、やはり右クリックはメッセージウィンドウの消去に割り当てて欲しいものです。

 CGはパターン違いを含めず88枚。ちょっと淡い感じの塗りが新鮮です。一見影の段数が少なくて手抜きに見えなくもないのですが(苦笑)。原画さんのファンであるのも合わせてキャラ絵は魅力的なのですが、立ちCGなどはキャラの身長を表現するためか腰の辺りから画面に映っており、相対的に小さめになっているのが残念です。そのために大きく描かれたイベントCGとの差が開いてしまっています。あと、立ちCGがあってもよさそうなキャラにそれが用意されていないというのが残念でした。
 音楽はI'veなので、無難に水準以上のできです。オープニング/エンディングは歌付きです。これまたいつものI've風で、聞いているうちに他社ゲームの歌とごちゃ混ぜになってきたりして(苦笑)。
 音声はなし。プレイ時間が長いと聞いていたのですが、音声なしだったのは意外でした。

 シナリオは、「家族」という集合をいくつかの角度から切り取った断面を見せているというか。「家族計画」として集合している彼らは全員「家族」というものに対して何らかのトラウマを持っているのですね。
 非常に長い前半は、司が春花を拾ってから「家族計画」が発動するまで、中盤はしぶしぶながらも始動した「家族計画」に次第になじんでいく彼らを描き、終盤は破綻した「家族計画」とそれぞれのヒロインの問題を解決するという流れになっています。このうち、序盤から中盤までは比較的コメディタッチのやり取りが多くて、気楽に楽しめるのですが、中盤から終盤にかけてそれぞれのキャラクタが背負ったそれぞれの「家族」の問題が出てくると、とたんに話が重くなります。登場するキャラたちの中には本気で殺意を抱いてしまいそうなくらい、嫌な人間などもいて、それに対してほぼ司が思ったとおりの行動をしてくれたのがうまいと感じさせられました。この辺は選択肢こそほとんどないのですが、ちゃんとプレイヤーの気持ちをうまく誘導してるからできる芸当ですね。
 あまりこのゲームで語られるような過酷な境遇の方はいらっしゃらないかと思いますが、それでも「家族」というのは人として生まれて必ず属している組織ですから、非常に身近な問題ですよね。そういう部分もあっていろいろと考えさせられることの多い内容でした。

 不満点は、上にもちらっと書きましたが立ちCGのあるべきキャラにそれが用意されてないことですね。個人的には、準の妹の景も準と同様に家族に対する問題を抱えていたのですから、彼女にもちゃんと専用のシナリオとエンディングがあっても良かったんじゃないかな、と思いました。他には私の環境の問題ですが、マウスのホイールによる読み戻しができなかったことでしょうか。これができない場合、この機能を利用するためには右クリックメニューから該当の機能を選んだ上で、メッセージを巻き戻すにはキーボードを使わないといけないのです。100%のユーザがホイールを正常に使えるという保証がないのに、ここでマウスでメッセージが戻せないのはおかしいと思います。

 プレイ時間は10〜12,3時間程度でしょうか。共通部分は結構あるので、2回目以降はその辺はスキップできますが、スキップしてても驚くくらいの分量です。この既読スキップがアプリケーションがアクティブじゃなくても有効だともうちょっと遊びやすかったんですが。
 絵からくるインパクトはありませんが、シナリオは充分見るところがありますので「家族の絆」というキーワードに何か感ずるものがある人はプレイしてみてもいいんじゃないでしょうか。

リトルモニカ物語

ルーンソフト RUNE-007 Windows/98/Me/2000版 18禁 タブロイドアドベンチャー
一押し:ティナ
 昔から絵柄で注目していて、ぴヨナ☆ピコナでとても気に入ったルーンソフトの新作です。

 主人公ウィル(ウィリアム/名前変更不可)は、幼い頃に生まれた街を離れて暮らしていた。そしてしばらくぶりにその街「リトルモニカ」に戻ってきた。そこは「音楽」と「芸術」の街として知られる古い街。子供の頃の友人のロイに迎えに来てもらったウィルは、成り行きで街の「美少女コンテスト」の見物に付き合わされる。そこで再会した幼馴染のセリアとその妹、ティナとメイ。この街を離れる前、彼女達の家に引き取られ、彼女達の兄になる予定だった主人公はロイの仲介もあって、彼女達が住み営んでいる喫茶店「ル・コンセルト」に住み込むことになるのだった。懐かしい街での懐かしい人たちとの生活。そして、次々起こる不思議な出来事。それらに巻き込まれていく中でウィルと三姉妹の恋の行方はどうなってゆくのでしょう。

 ゲームは、6話構成で1話と最終話は固定ですが、途中の2話から5話はプレイヤーが提示された3つの物語から一つを選ぶことで進行します。各話の途中で選択肢はほとんど存在せず、この物語選択部分が分岐に大きく関わっているといえるでしょう。といっても、提示される3つの物語も毎回同じもので、先にあるエピソードを見ておかないと登場しない話などというものは存在しません。このそれぞれのエピソードは選択時に赤、青、緑に色分けされており、それぞれセリア、ティナ、メイの三姉妹に対応しています。このおかげで彼女達それぞれのエンディングを見るのは非常に簡単です。ただし、ヒロインによってはまっすぐルートを進むだけでは見られないシーンが用意されていたり、三姉妹以外にエンディングの用意されているミャウのルートに進むのは試行錯誤が必要です。他にも幾人かの女性キャラが登場しますが、Hシーンの存在するのは三姉妹とミャウ、それとロイの妹だけという割り切りは最近のゲームとしては珍しいように思います。
 システムは、既読スキップ、ホイールによるメッセージの読み戻しと音声の再生、クイックセーブ/クイックロードと、快適なプレイに必要な機能はすべて盛り込まれています。右クリックとホイールクリックの機能が変更できるのも特徴でしょう。私の環境ではホイールクリックは動作しなかったですが。また通常のセーブ/ロードはコメントを入力したりはできないのですが、セーブ後に誰のルートを通っているかが人目でわかるように番号が書かれたボタンがヒロインに対応した色になり、そのボタンをポイントすると対応するヒロインの立ちキャラが表示されるなど、いろいろ細かい部分に凝っています。
 このゲームの特徴として「タブロイドシステム」があります。これは、現在読んでいるシナリオの重要な出来事がそのほかの出来事とともに次々タブロイド新聞になっていくものです。タブロイド新聞が発行されると画面右上に表示されてるベルがアニメーションとともに鳴ります。このベルをクリックすると現在最新のタブロイドが読めます。各話が始まったばかりのときにもタブロイドが登録されています。

 CGは、一人のヒロインに対してパターン違いを含まず10枚から20枚程度でそれ以外にも複数人数が同時に画面に入っているCGも10枚程度用意されています。基本的には立ちCGで進行していくわけですが、この絵が比較的大きめに画面に配置されて、且つ表情豊かでいい感じです。立ちCGと1枚絵のキャラが違って見えるなどという問題もなく、かなりのクオリティです。特に凝ったことをしているわけではないのですが、画面やパターンの切り替えも自然に滑らかに切り替えているのがいいですね。
 音楽もいいです。ヨーロッパの古い街並みっぽいイメージのこのリトルモニカという街と、不思議なことが起こりつつも平和に毎日をすごす人々というイメージにぴったりのシンプルなやさしい旋律です。各ヒロインが得意な楽器を持っていて、それを喫茶店で披露しているという設定があるのですが、ここで流れる音楽と画面のつなぎの演出は枚数が少ないのですが、非常にうまいです。また、エンディング曲や挿入歌のボーカル曲もこのゲームのために作曲されたというのが良くわかるできです。
 音声は女性キャラのみフルボイスです。これはちょっと残念ですね。主人公はともかく、出番の多いロイやアジョーは音声があったほうがより物語が楽しめたと思うのですが。ヒロイン達の音声はキャラの性格と声質がうまく合わさってより印象深くなっています。演技や音の録音状況も問題なしです。

 シナリオは、先に書いたようにほとんど分岐はしません。ですが、繰り返しプレイするとわかるのですが、同じ時間(話数)に起こる別の出来事は、ちゃんと同時に起きているものとして描かれているんですよね。主人公が関わらなかった出来事はなかったことになっているゲームが多い中、こういうつくりは好感が持てます。
 あと、エンディングが最後のル・コンセルトのカット以外すべてエンディング専用で書き下ろされている絵だというのも珍しいですね。
 全体的なインターフェースやボタン、フレームのデザインなど、コンシューマゲームでも見習って欲しいと思えるくらい完成しています。ただ、ホイールによる読み戻しが通常とは逆(普通は上に回すと戻る)になっているのが謎です。慣れれば問題ないのですが。

 不満点は、そのホイールの逆回転と、Hシーンと通常シーンの剥離でしょうか。他所のゲームと大差ないといえばそれまでなんですが、ぴヨナ☆ピコナはHで破天荒な性格の主人公を用意したために違和感なくそういうシーンを入れられていたのに比べると、ちょっとずれを感じます。あとはシナリオのボリュームと、選んだ流れによっては整合性が取れないときがあること、誰がヒロインになっても最終話が同じ展開になることですか。ボリュームは三姉妹が気に入っただけにもう少しほしかったような気がします。これは最終話が同じということに繋がりますね。最終話がヒロインそれぞれ専用の話になってれば良かったんですが。整合性が取れない云々は私はそれほど気にならなかったので問題なしです。

 1プレイの時間は1話30分から1時間程度で、3〜5時間程度とお手ごろです。これがボリュームが少ないというところに繋がってるというのもあるんですが。お勧めは「お手軽」「ヨーロッパ風の古い町並み」「妹的な三姉妹」「つるぺた(マテ)」というようなキーワードに反応する人でしょうか。平和な世界観で和みたいというような人もいいかもしれません。

Deep Fantasy

Selen SLPR006 Windows 95/98/Me/2000・Mac OS 8.1(PPC G3)版 18禁 凌辱調教シミュレーション
一押し:ソフィア
 シリーズ作品を気にいって新作のたびに買っているDEEPシリーズの新作です。今作は舞台が剣と魔法のファンタジー世界ということで、不安も感じたのですが。

 主人公アルタス(名前変更不可)は、グランダス帝国の若き皇帝。有史以来乱戦続きのシーサス北部を初めて統一した。彼は、北の大地の貧困の原因である南部による竜脈のせき止めを解除すべく、民のために南征を宣言した。竜脈を開放するには呪い巫女と南部王家シュレスの皇族の血の力が必要になる。アルタスは南部に攻め入り、呪い巫女のソフィアと第1皇女のエミリアを捕虜とした。だが彼女達が真にアルタスに従っていなければ竜脈開放の儀式は失敗する可能性が高い。そこでアルタスは彼女達を従わせるために性的な調教を施すことにしたのだった。アルタスの野望は実現するのか。そして、そのとき彼女達はどう変わっているのか。

 ゲームのシステムは、基本的な部分は既存シリーズと同じです。今回のヒロインは呪い巫女ソフィア、第1皇女エミリア、第2皇女シェリルの3人です。このうちゲーム開始時にいるのはソフィアだけで、残りの二人はゲーム中の選択によって捕虜とする時期が変わったり捕らえられなかったりします。そんな構造になっているのですが、ソフィアは基本的に練習用といった存在で、調教マトリクスが他のヒロインに比べると小さめの上にアルタスの調教方針の関係で辱める系統のメニューが存在しません。さらにエミリアが手に入った後はこの通常調教することすらできなくなります。とはいえ、彼女のパラメタやその後の対応は一部のエンディングを見るための重要なフラグになっていますのでおろそかにはできません。エミリアとシェリルはメニューは一緒ですが、どうしても中盤以降になるシェリルの登場時期を考えてか、彼女の調教マトリクスもエミリアに比べると小さめになっています。今回は犠母で採用されていた調教マトリクスの全貌がわからないという仕組みはなくなっています。私も疑問でしたがやはりあまり評判はよくなかったんでしょうね。
 今回は最大3人を同時に相手にするということで、エミリアを捉えた後は1日が午前と午後に分かれます。ソフィアは基本的に夜にしか相手にできませんし、野外調教は午前にしか実行できません(!)。午前に調教したヒロインは午後に入る際に少しだけ体力が回復します。ちなみに、今回も体力が多ければ多いほど回復量が増えますので、ぎりぎりまでの調教は厳禁です。
 そして、今回の大きな売りとしてシリーズ初のアニメーションがあります。一部の調教メニューに通常のCGの代わりに使われるものです。アニメ単品は悪くないのですが、テキストと絵の内容が矛盾してることがありますし、延々同じ動作を繰り返すのでいまいち面白みにかけます。これならそれらを入れるシーンにいちいち新しい絵を入れてくれたほうがうれしいですね。一応、同じアニメでも状況に応じて表情を変えるなどの処理はされてるのですが、まだ物足りません。

 CGはいつもどおりですね。アニメシーンの塗りと通常シーンの塗りが全然違うのが違和感を感じさせますが、これは他所のアニメ入りゲームでも大体同じですからね。
 音楽はまたI'veということで、無難に水準以上です。
 音声は、ちょっとエミリア姫の声にイメージギャップを感じましたが、ソフィアとシェリルはしっくりきていていい感じです。ソフィア役の声優さんは、DEEPの麻奈役をやっておられた方ですね。キャラは全然違うタイプなのですが、声の端々に同じものを感じました。

 今回は冒頭に書いたように舞台がファンタジー世界になっています。だからといって全然違うということはなくて、逆にあまり代わり映えしなかったのに驚かされました。とはいえ、現実世界を舞台にした話では絶対にできない「野外調教」などを盛り込んであるのはうまいなあと思わされました。あと、やはり舞台が違うおかげなんですが、主人公が絶対的な権力を持つ皇帝なので、主人公が捕まったり殺されたりというようなネガティブなエンディングがないのがいいですね。もちろんバッドエンドはあるし、それはそれでちょっと痛い内容ではあるのですが、先に挙げたような主人公(=プレイヤー)に直撃するような内容ではないのです。

 と、概ね気に入っているのですが、それだけに不満点もあります。まずソフィアの扱いが小さいこと。彼女を気に入ったので、エミリアを手中に収めた後に続けて調教できないのはちょっと残念でした。シナリオの流れで必ずソフィア→エミリア→シェリルの順番になるのも不満ですね。ソフィアは絶対でしょうけど、残りの二人は流れに応じて順番が入れ替わっても面白かったんじゃないでしょうか。あとは、一応設定では姉妹であったり友達であったりとつながりがあるヒロインたちなのに一緒にどうにかするという様なイベントがほとんどない点でしょうか。
 まあ、総じてないものねだりなんですけどね。

 1プレイの時間は、3〜4時間程度。完全スキップで進めれば1時間程度で終われるでしょうか。シリーズのファンなら買ってると思いますが、それ以外にも「姫」「調教」というキーワードに感ずるものがあるのならプレイする価値があると思います。パラメタを操作するのが好きならそれだけでも楽しめるかもしれません。

BeSide〜幸せはかたわらに〜

F&C/FC03 F&C-170,171 Windows 98/2000/Me 18禁 あったか恋愛アドベンチャー
一押し:華織こよみ
 PALETTEのスタッフによる新作ということで、PALETTEが気にいっていた私は楽しみにしていた作品です。

 主人公「鈴風太平(デフォルト音声あり、名前変更可能)」は大学生。上の兄の結婚式で両親が海外に出かけているので、妹の受験勉強の監督もかねて久々に実家に戻ってきている。ある日、当たり前のように遊び歩いていた妹に結局たかられて時間を潰したあと、自宅に戻ってみると、そこには昔同居していた初恋の人である静瑠がやってきていたのだった。彼女は、高校卒業時に演劇の道に進み、数年顔をあわせていなかったのだが仕事の都合でしばらく自宅に泊めて欲しいといってきたのだった。彼女が高校を卒業するときに告白してその返事をうやむやにしたまま別れてしまった主人公としては、彼女が気になって仕方がない。そんな彼女と普通に接することが出来たことにほっとしたり自己嫌悪したり。ともかくこれから何かが変わっていくんだと希望を持った翌日。紆余曲折あって、やってきた親戚のお姉さんであるこよみと、兄との結婚式を逃げ出して自宅に転がり込んだ主人公にとって「初めての人」である恋歌。主人公に思いを寄せる同居人が一気に増えてしまい、告白の返事もおいそれと聞けない状況になってしまう。そんなどたばたした日常の向こうに主人公はどんな結末を迎えるのだろうか。

 システムは普通の選択式アドベンチャーですが、途中に「エピソードセレクト」というものがあります。これは要するにその時点での主人公以外の視点を見たり出来るものなのですが……場合によっては、主人公の居る場面にやってくるヒロインを選択するだけなどという場合もあって、いまいち「選択肢」との差異がはっきりしないものでした。また、分岐に影響するものとしてミニゲームがあります。このミニゲームは一見格闘ゲーム風ですが、実際はそのフィールドの周りに置かれたパネルを使った神経衰弱となっています。パネルは主人公と対戦相手、それぞれ3色のパネルとシャッフルが用意されています。プレイヤーとコンピュータが交互にパネルを2枚ずつめくり、同じ色の同じ絵柄のパネルを見つけると相手に1ポイントのダメージを与えることが出来ます。3ポイント先に与えたほうが勝利となります。敵と味方のパネルがありますが、そろえた図柄のキャラが攻撃を成功させるので自分の番でも敵の攻撃が当たってしまうことがあるので注意です。ただ、これによる分岐はそれほど大きなものではなく、その直後の少しの内容が変わる場合がほとんどですので、それほどがんばらなくてもいいと思われます。
 ヒロイン達には、好感度が設定されておりエピソードセレクトや選択肢の内容によってこれが増加します。最終的にはこの好感度が高いヒロインとのエンディングを迎えることになります。
 ゲームシステムはF&Cらしく、読み返し、クイックセーブ、ドラマティックモードなどが完備されています。BGMはGM規格のMIDIによるものか、WMAによる再生が選択できます。珍しい機能としては、直前の選択肢に戻る機能もあります。これとクイックセーブを活用すれば通常のセーブはほとんど不要ではないでしょうか。

 CGは、ちょっと立ちCGに癖のある表情が見られますが、複数人が同時に画面に入っているような絵が多くて楽しい画面作りになっていると思います。
 音楽もいつもどおり、作品の内容に沿ってか明るい感じの曲が多いですね。
 音声も、「いつもの」メンバーの長崎みなみさんや歌織さんなんかが参加されていて固い出来です。

 シナリオは……予想していたものとはちょっと違ってましたね。どたばたした感じは良かったのですが、PALETTEで面白かったヒロインセレクトのような大胆な変化が楽しめなかったのが一番痛かったです。一応「主人公タイプ入力」というのがゲーム冒頭にあって、ここで好みのキャラのタイプなどを入力できるのですが、ここを操作してもどこが変わったのかほとんどわかりませんでした。唯一、「恋人」のいる/いないは、この選択でレギュラーヒロイン一人がゲーム中に全く登場しなくなるという変化はありましたが。
 またそれ以外の部分でも、プレイヤーの意思とは別に主人公が成り行きはあれどヒロイン達と次々関係していくのも、「あったか恋愛」というジャンルに掲げたキーワードと違うような気がします。
 そしてとどめは、最初の項目に多少関係があるのですが、誰を中心にプレイしても主人公の最終目的は静瑠になるということです。マルチエンディングのゲームにするのなら、せめて終盤の流れくらいはヒロインごとに独立させて欲しかったですね。一応第2部といってシナリオを分けていたのですが、誰寄りに進めても同じ流れになるのですからその意味が理解できませんでした。そこで挿入された歌とムービーは格好よかったんですけどね。
 あと、ヒロインのほとんどが主人公より年上だというのが売りの一つだったかと思うのですが、あまりその辺は活かされていないように思いました。最年長のこよみは「おこちゃま」ですしね。

 特定条件をクリア後にプレイできるおまけシナリオは、本編でのキャラをぶち壊すような部分もありますが、こちらのほうが不満なく楽しめました。
 それ以外のおまけコーナーもいちいちヒロイン達によるコーナー紹介などがあって、かなり凝っています。

 プレイ時間は音声を全部聞くと10時間くらいでしょうか。重複部分が多いのと既読スキップがしっかりしてるおかげで繰り返しプレイは苦になりません。が、あんまり繰り返しててもシナリオの関係で楽しくありません。
 正直、素材は悪くないのに作りこみが足りなかったように感じました。「PALETTEのスタッフによる」という看板をつけてしまったのがよくなかったんでしょうかね。あまりPALETTEは売れなかったみたいですから、それほど効果のある看板ではないと思うのですが、そのために相対的に低い評価をされてしまうのなら本当になかったほうが良かったんじゃないでしょうか。

大悪司

アリスソフト ALS-0043 Windows 95/98/Me/2000/XP 18禁 地域制圧型シミュレーション
一押し:乃木喜久子
 鬼畜王ランスの流れを汲むアリスソフトでは久々のTADA氏による作品だというので、注目していました。

 主人公「山本悪司(名前変更不可)」はオオサカに縄張りを張る地域管理組合わかめ組の組長の息子。ウィミィとの戦争に徴兵されて死線を潜り抜けてなんとか帰国した。敗戦したニホンにはウィミィの進駐軍が幅を利かせていた。さらに敗戦で疲弊した街並みは想像以上にひどかった。ともかく、自宅であるわかめ組に帰る悪司。だが、ウィミィの掲げる女性上位主義のために、あらゆる組織の長は女性でなくてはならないとの法と、組長であった父の百発が不在だったために組織は市橋蘭子のものとなっていたのだった。彼女の命令で袋にされた挙句、組を追い出された悪司はさらにミドリガオカの管理組合の人間に目をつけられる。悪司は先のわかめ組との戦いでダメージを受けすぎていて、彼女達にすらのされてしまう。そして、彼女達の事務所に連行される。しかし悪司はここで持ち前のこましテクニックでその事務所の組長である青葉曜子をはじめその部下達をも自分の女にしてしまう。こうして悪司はミドリガオカ奉仕青年団の影の支配者となり、わかめ組を取り戻すための策略を練り始めるのだった。

 ゲームは、独特のルールを持ったシミュレーションです。ターンは、細かいフェイズに分かれてますが、これはプレイを簡便にするための措置なんでしょうね。流れは「イベントフェイズ」「収支フェイズ」「捕虜フェイズ」「情報フェイズ」「地域フェイズ」「部下フェイズ」「移動フェイズ」「戦闘フェイズ」「他組織の行動」「能力フェイズ」「ターン終了」となっています。なにやら複雑そうに見えますが、プレイヤーが操作をしないといけないのは、主に「地域フェイズ」「部下フェイズ」「移動フェイズ」「戦闘フェイズ」だけです。地域フェイズでは、制圧した組織の治安を維持したり、収入を得るための建物を建てたり、各地に点在するイベントをこなしたりします。部下フェイズでは、部下を一人呼び出して話を聞いたり訓練したり、こましたりボーナスを上げることで忠誠度を上げることが出来ます。移動フェイズでは、支配している地域及びその隣接地域に部下を配置できます。ここで自組織が支配していない地域に配置した部下達は、次の戦闘フェイズで戦闘を仕掛けることができます。戦闘は、資金の許す限り何度でも行えますが、回数を重ねるとどんどん必要資金が高くなるので、序盤なら2回、終盤でも4回が限度なんじゃないでしょうか。ともかくこれらのフェイズの説明を見ればコーエー型シミュレーションの自ターンの内容を段階に分けたものだというのが理解できると思います。
 戦闘は、そこに配置した部下と敵部隊との戦いになります。戦闘が始まるとどの部下で戦闘をするかを決めます。先にアイテムを持たせていたり訓練しておけばスキルを使用することも出来ます。ここで部下を選ぶと敵側も一人を選んで1対1の戦いになります。これをどちらか人数の多い方の数だけ繰り返し、最終的に与えたダメージが多いほうが勝利となります。もちろん、先に敵を全滅させればその時点で勝利できます。勝利することで、地域の支配力が1〜3ポイント上がります。これが画面中央上部に表示されているゲージいっぱいになるとその地域を制圧することが出来ます。このとき敵が残っていても問題ありません。また、戦闘終了時に敵の中にHPが1桁になっているキャラがいるとランダムで捕獲することが出来ます。HPが小さくなればなるほど捕獲しやすくなり、3以下だとほぼ捕獲に成功します。ここで捕獲した捕虜達は、捕虜フェイズで懐柔したりこましたりすることで仲間にしたり、拷問することでアイテムや隠し資金を得ることが出来ます。
 基本的にはこのようにして、部下を捕獲したり地域フェイズのイベントをこなすことで増やして、地域を制圧し、そこに売春宿などを立てて儲けを増やし、そのお金で戦闘をしてさらに支配地域を広げるというような感じで進行していきます。
 ただ、このゲームはコーエーのシミュレーションのように単純に数字のぶつかり合いだけでなく、シナリオの進行という要素もあって、たとえば一定の条件を満たさないと仲間に出来ないキャラだとか、一定の条件を満たさないと捕獲できない敵だとか、突然の奇襲だとかもあります。数値のコントロールはうまくなっても、シナリオの進行を知り尽くさないと常に有利にゲームを進めるのは難しいでしょう。

 このゲームでは鬼畜王ランス同様に、ヒロイン達はプレイヤーの行動如何で幸せにも不幸にもなります。主人公の悪司は、これと決めたヒロイン以外はあくまで自分の目的を達成するための道具として使います。必要とあれば、調教して娼婦にすることだって、拷問して情報を引き出して殺してしまうこともあります。逆にエンディングを迎えたときにそのキャラクタが幸せだった場合、エピローグを見ることができます。鬼畜王ランスにあった「幸福」「不幸」モードの「幸福」モードですね。これもギャラリーでどれだけのキャラのエピローグを見れたかどうかの確認が出来るようになっています。ちなみに、このエピローグを迎えたキャラは次回プレイ時には能力値にボーナスが付いて少し強くなって登場することになります。
 これ以外にもクリア時に特定条件をクリアしていると、新たに登場キャラが増えたりシナリオの展開が変わったりします。これらは、2回目以降のプレイ開始時に一発爺さんがウィザード形式でシナリオを変化させるかどうかを聞いてきますので、ここで適切な設定をしてやることで違った内容を遊ぶことができます。

 CG枚数は164枚。もちろんゲーム内容が内容ですので、これ以外にもたくさんの立ちCGやチップ、背景画像などが存在します。相当なボリュームですが、クオリティにばらつきは見られません。老舗の意地でしょうか。
 音楽は、アリスらしい重厚な感じの曲がCD-DAで収められています。世界観が敗戦直後ということで、現実の第二次世界大戦直後くらいのイメージがあるのですが、その辺を意識してかちょっと古臭い感じの曲もあります。

 シナリオは、シミュレーションですがちゃんとコントロールされてます。逆に言うとシナリオ調整があるのでシミュレーションというよりアドベンチャーの方が近いのかもしれません。とはいえ、基本的には数字と戦うタイプのものなので、大筋以外はあまり見えてきません。ただ、登場するキャラたちはみなそれぞれの背景や考え方などがあり、それに応じてショートシナリオが語られたりするので、キャラに対する思い入れなどは存分にできますね。マニュアルやウェブサイトにも一部のキャラの物語開始以前の背景を描いたショートストーリーが掲載されていますので、それを見てより感情移入することも出来ます。
 また時代背景などもマニュアルにかなりのページ数を割いて紹介されていますので、先に読んでおくとゲームに対する理解が深まるかもしれません。私は読みませんでしたが(苦笑)。

 操作系などはアリスソフト特有の右クリックでメッセージスキップというもの。既読スキップボタンはこれとは別にメニューバーに存在しますが、慣れれば確かに右クリック一発でスキップできるのは便利です。あと、各フェイズ中で右ボタンを押すとカーソルが次のフェイズに進むためのボタンにフォーカスするというのはかなり便利でしたね。
 とはいえ、メッセージの読み戻しが出来なかったり、セーブロードがターンの途中で任意に出来ないというような不満点もあります。後者については製作者側の意図もあるんでしょうけど、せめてロードは気軽にできるようにして欲しかったですね。

 1プレイの時間は20時間以上。慣れればもっと短縮できるでしょうけど、普通にやればそのくらいかかると思います。そして、ヒロインの数が7人。すべてで展開が大きく違うわけではないのですが、私は全員のエンディングを見るまでがんばれました。
 プレイ当初は思い通りにいかなくて、且つたくさんイベントがあるのにそれを見捨てないといけないのが辛くて結構ストレスがたまりましたが、慣れてからはかなり没頭できました。
 プレイ時間はかかりますが、コーエー型シミュレーションのような少しずつ自分の組織が強くなっていく感覚が好きな人や、歯ごたえのある「ゲーム」で18禁のものがやりたいという人には文句なくお勧めできる良作です。

ベルせんせいのトゥルトゥルBOX

ルーンソフト RUNE-009 Windows 98/2000/Me/XP 18禁 ファンディスク
一押し:ベルせんせい
 ルーンソフトの今までのゲームを取り上げたファンディスクです。タイトルからぴヨナ☆ピコナがメインなのかと思いきや、それほど偏ってはいないようです。

 内容は、
・ショートアドベンチャー「ゆぴあだいありぃ」
・ショートアドベンチャー「ずっと…ね。」
・タイピングソフト「姉妹打ち!」
・デスクトップアクセサリー「デスクトップメイ」
・壁紙
・キャラクタアイコン集
・ボーナスヴォイス
 以上となっています。

 「ゆぴあだいありぃ」はぴヨナ☆ピコナの主人公クロスの妹であるユピアを取り上げたお話です。彼女はぴヨナ☆ピコナでは主人公との関係のためにHシーンは描かれなかったのですが、その不満を払拭するための内容となっています。ただ、彼女のキャラを大事にするとクロス以外に惚れるのも変です。その辺はなんというか、うまいことぼかしつつキャラクタを最大限に活かしています(笑)。
 「ずっと…ね。」はオリジナル作品です。病弱で幼い頃からいつも一緒にいた日和と、突然現れた押しかけ彼女の桜子に挟まれた日常を描いています。ミニアドベンチャーとはいえ、音声はちゃんと入ってますし、必要最低限の絵も用意されているので充分楽しめました。
 「姉妹打ち!」は、ゆきのかなた、Fifth Twin、ぴヨナ☆ピコナ、リトルモニカ物語、それぞれのシナリオが用意されています。登場するのはそれぞれの作品中に登場した姉妹達です。タイピングソフトと銘打たれているだけに、出題された文章を自分で入力するということをしないといけないのですが、このゲームの場合、すべての主人公のセリフを入力しないといけません。それぞれそこそこの長さのシナリオなので、結構大変です。もちろんゲームですから、途中で分岐もあります。これは途中で複数表示される文章のうち、任意の一つを入力するという形で処理されます。また、一部のシナリオではクイズが出題されて、この結果如何でエンディングが変わるようになっています。この手の内容で気になるのはローマ字入力の揺らぎですが、このゲームは設定はありません。ですが、揺らぎは自動的に吸収してくれるようになっています。少なくとも私は設定なしで何の不満もなくタイプできました。難易度も、ミスタイプより一文ごとの最終的な入力速度が重視されているようで、特に壁を感じずにクリアすることが出来ました。とはいえ、連なった数値をローマ字で入力するのはあまり普段やらないので、これが出題されたときには閉口してしまいました。
 「デスクトップメイ」は、「何か。」のようなデスクトップに立つおしゃべりソフトです。登場するのはリトルモニカ物語のメイとアジョーです。パッケージに収録された状態ではランダムトークをするくらいしかできないのですが、メーカーサイトに上がっているパッチを当てることでメールチェックやメーカーサイトの更新チェックなどが出来るようになります。また、着替えメニューも充実していて、リトルモニカ物語では見られない巫女服などのメイを見ることが出来ます。
 壁紙は、ゲーム中の素材を使ったものではなく、書き下ろしのものが収録されています。ランチャーから任意のサイズをタイルにしたりデスクトップに合わせたりと自在に設定をすることが出来ます。
 キャラクタアイコン集は、かなりの数が用意されています。
 ボーナスヴォイスは、ありがちなWindowsのシステム用ボイスだけでなく、どこに使うのか不明な呼びかけや、いくつかのファイルに分かれた音声による物語(?)も収録されています。

 ルーンソフトのゲームというとマニュアルが変な形式になっているのが特徴ですが、今作もマニュアルは特殊です。なんと、トレーディングカード型です。ついでなのか、パッケージにはトゥルトゥルSTAGEというトレーディングカードゲーム用のカードも1デッキ分含まれています。どちらもカードの背面は同じデザインなので、うかつにトレーディングしてマニュアルを紛失したり、デッキに混ぜてしまってゲームを混乱させないようにしないといけません。

 以上のような内容で定価は5800円です。価格設定的には安くはないですが、ほとんど素材の再利用がないのを考えるとかなりお買い得ではないでしょうか。私は収録作品の中では最近のぴヨナ☆ピコナとリトルモニカ物語しかプレイしていなかったのですが、充分楽しめました。
 ファンディスクというジャンルに偽りのない、充分にファンを楽しませてくれる内容でした。収録内容に大きく関わっている、ぴヨナ☆ピコナやリトルモニカ物語をプレイしている人にはお勧めできる作品です。

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