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青い鳥 L'Oiseau Bleu

PANDAHOUSE PH-001 Windows95/98/Me/2000版 18禁 純情青春アドベンチャー
一押し:桐島氷雨
 微熱情熱SPARK!に続く「純情」シリーズの第3弾です。

 主人公「河合コマスケ」(名前変更可能)はしがないサラリーマン。ある時、あまりにも変化も抑揚もなく過ぎていく毎日に対して感じていた小さな欲求不満が貯まりに貯まり、ついに爆発します。彼は仕事を投げだしてキャンプ道具一式を携えて町を逃げ出します。辿り着いたのは原磯市という地方都市。そこでの数々の出会いは彼の色あせた生活にいろいろなものを取り戻していきます。そうしてのんびりと日々を過ごして、最後に彼はここで何を見つけるのでしょう。

 ……と、プロローグを見ると少し前に流行った「自分発見」ものかな、と思わされますが、そうではなく。物語は、春編と秋編に別れています。そして、その間を繋ぐインターミッションも存在します。
 まず、ゲームを開始するとヒロイン達と知り合うためのプロローグがはじまります。ここではヒロイン達の出す問題に答える事で、春編シナリオのはじまる位置(後述)を変化させられるようです。
 春編は、一日単位でゲームが進行します。といっても、他の「恋愛シミュレーション」の様に行き先を指定することはなく、一日がはじまるとすでにそれはイベントの一部分となっています。そして、話を読み進めていくと二択の選択肢が表示されます。これの選択如何で次のイベントの内容が決まります。選択内容はヒロインを選ぶ事と同義なので、ここでは狙ったヒロインを選ぶ様に進めていくのが吉です。
 この春編でのイベントは、それぞれのヒロインが中心となる6つのループが敷き詰められている様なイメージで繋がっています。つまり、一人のヒロインを選んで選択していけばもう一方の選択肢には順番に残り5人のヒロインが登場する事になります。そのループから外れて他のヒロインのループに入った場合も同様です。また、この構成上春編では同じイベントに辿り着くことがあります。例えばループを一周した場合もそうですし、他のループに移動していて戻ってきた場合もそうです。この時に一度選んだ選択(ヒロイン)を選ぶと春編が終了します。前述したように、プロローグでの選択でスタート位置を調整できるようになっています。それはシナリオが順序がなく全て繋がっているという形になっているからなんでしょうね。ともかく、プロローグの質問を調整する事で、無駄なイベントを一切見ずに秋編に進行する事ができるようになっています。
 次のインターミッションでは、選択は存在しません。ただ、春編で一番選択が多かったヒロインが登場し、イベントが起こります。続けて主人公の心理描写から来る(であろう)シーンを見て、続けて秋編に移行します。
 秋編は、やはり二択の積み重ねで進行します。秋編がスタートすると、まず(何故か)主人公が学生になっていて、下校時にヒロインが一緒に帰ろうと誘いに来ます。最初に誘いに来るのはもちろん春編でもっともたくさん選択したヒロインです。誘いを拒む事も可能です。この場合一日に二人、順番に残りのヒロインが誘いに来ます。ここで誘いを受けたヒロインが「ゲームのヒロイン」になります。つまり春編の結果は関係なく、この時点で任意のヒロインのエンディングに進む事が可能なのですね。そして、ヒロインを選ぶとイベントの後に家に戻り、寝て、夢の世界に入ります。ここではやはり二択で進行するのですが、春編の様な規則正しい繋がりはなく、イベントの内容も支離滅裂でまさしく夢の中です。いろいろな状況に対していろいろな突飛な行動を選択しながら進めていくと「ゲームのヒロイン」に限らずHシーンが発生する事があります。これが発生すると一端夢の世界から脱出できます。すると翌日になって再び登下校のシーンが挿入され、寝て、夢の世界に入る事になります。最終的に夢の世界で「ゲームのヒロイン」とのHシーンを見る事で、学校で告白され、エンディングに進む事になります。
 このゲームの二択は、全て一度選択したものには結果が表示されるようになります(選択肢ナビゲーター)。結果というのは要するにそれを選択するのはどのヒロインを選ぶことになるか、もしくは誰も選択しないか、ということです。これが常に画面に表示されるおかげで、繰り返しプレイでも選んでいない選択肢を見つけるのが容易になっています。

 その他システムについては、概ね快適です。全てのメニューは普段隠れている画面上のメニューバーから操作できます。これらの多くの機能はキーボードにも割当たっていて、シンプルに操作できます。また、フォントの変更やリフレッシュレートの変更など、あるとありがたい機能も用意されています。
 CGは、最近増えてきた800×600サイズで描かれているタイプです。そのために非常に緻密で、髪の毛の細さや服の細かい皺なども美しく表現できています。もちろん絵柄としてはどんどん洗練されていく福永ユミさんの原画が美しく、塗りも前述したように丁寧です。背景も遠近感や素材の汚れ、古さ、固さなどいろいろなものを考慮した違和感のないものとなっています。進行によっては、背景が変わってしまうシーンなどもあって凝っていると感じさせられました。
 このゲームでは、立ちCGの使い方が上手いです。多くのゲームでは立ちCGは画面に一人のときはここ、二人のときはこことここに表示する、と決められているのですが、このゲームはそういう指定はなく、それによって立ちCGを右から左に流して目の前を通りすぎる効果を出してみたり、画面に次々キャラを登場させて、その度に既表示キャラの位置を詰めてごちゃっと集まってきた感じを出してみたりと、なかなか面白い効果を作っています。表情もシナリオの内容に合わせてか崩れた表情も多く、もちろん普通の表情も多く、表情豊かで見ていて楽しめます。
 音楽は、いつも書いてますがさすがPANDA氏と言える出来です。オープニング、エンディングの歌はMUSE編曲でやはりかなり固い出来ですし、ゲーム中のBGMもハイクオリティです。
 音声は、このシリーズでは初採用です。とはいえ、ぱんだはうす制作のゲームではすでに音声を採用したものがいくつかありますから、使い方がおかしいということもなく、またはしょられがちな男の声もちゃんと入っていて、通常イベントでの掛け合いが弱くならないように考慮されています。もちろん、ヒロイン毎の演技、声質ともに満足の行く内容でした。

 シナリオは……日記などにも書きましたが、春編は「恋愛シミュレーションのイベントだけを連続で見ている感じ」です。要するにイベントとイベントの間の繋がりはないのですね。ゲームによっては、この間は主人公が学校で寝てるだけだったりする訳なんですが、それでもイベントの積み重ねはある訳です。これらが全くないのですね。一つ一つのイベントはノリもいいですし、楽しいのですが。秋編はSPARK!の夢の中と同様に不条理な事が起きまくります。そもそも主人公が人間でなくなっている事も多々ありますから。まあ、これは夢の中という事で「こんなものだ」と納得するしかないと思うのですが……できれば春編はもう少しイベント同士の繋がりを密接にして欲しかったと思います。思うにこのシリーズは進むにつれてイベントの連続性が薄くなっていますね。シリーズをずっと追いかけている私にはそれでも楽しめるのですが、突然このゲームをプレイした人にはちょっと辛いのではないかと。特に今作はパッケージをぱっと見たら「普通の学園物」が想像できますから。
 とはいえ、唐突とも思えるエンディングは好きなパターンですし、個々のイベントから知れるヒロイン達の個性も「イヤな」感じは全く受けず私は全体的に気に入っています。

 オープニング、エンディングはゲーム中の主に素材を利用したパターンです。ムービーではないので美しいです。また、アニメーションというほどではないのですが、見せ方やエフェクトが非常に上手いおかげでとても印象深い画面になっています。特にエンディングはほとんどがシンプルなスタッフロールでしかないのですが、終わりまぎわの展開だけで感極まってしまいました。

 不満点は、メニューバーのスキップ「次の選択肢まで進む」が大きくて、隣りの設定に隣接している為に間違って押しがちな事と、それをフォローできるバックログ機能がない事でしょうか。既読スキップもないのですが、このゲームの場合細かいシナリオ内容の変化はないので、選択肢ナビゲーターを見て選択済みなら再びスキップ、とやれば事足りたので特に必要とは感じませんでした。あとはゲーム自体のボリュームが小さめで、それに比例してイベントCGの枚数も少ない事でしょうか。

 1プレイの時間は音声付きにもかかわらず、さくっと進めれば2時間程度でしょうか。最大限にスキップを利用すれば20分もあれば終われます。もちろん、スキップ機能が高速だからというのもありますが。
 お薦めできるのはシリーズのファンの方、は、言わなくても買ってますね。それ以外の方には、絵が気に入って、1話完結型の漫画が好きな方、でしょうか。イベントの細切れ感を自分の中で消化できさえすれば十分に楽しめる良作だと思います。

誰彼 -たそがれ-

リーフ Windows95/98版 18禁 アクティブドラマタイズノベル
一押し:桑島高子
 リーフの新作です。今作は久々に「ノベル」ジャンルと言うことですが、チップキャラによるアニメーションで場面の動きを見せるシステムなどの新機軸を打ちたてていて、それがどう作用するのか興味津々です。

 陸軍特殊歩兵部隊所属の「坂神蝉丸(名前変更不可)」は、ある時目ざめると地下室で石棺に閉じ込められていた。また身体の自由も利かなかった。状況が掴めないまま気配で周りの様子を探っていると、隣りの石棺に眠っていたであろう「御堂」が蝉丸の石棺を開ける。そして、彼に突然襲いかかってきたのだった。その時、偶然地下室に迷いこんだ三井寺月代と砧夕霧。彼女たちをも攻撃しようとする「御堂」。不意に身体の自由が利くようになった蝉丸は、彼女達を守る為に「御堂」の前に立ちはだかるのだった。
 そして、御堂から受けた傷で昏倒し、次に目ざめるとそこは診療所だった。だが、なにか様子がおかしい。いろいろな情報から蝉丸は自分が50年以上も眠っていた事を知らされる。その時代に存在する自分と同姓同名の老人、襲いくるかつての僚友、物知り顔の女医、彼らは何を知り蝉丸に接触するのか。そして、蝉丸がこの時代に再び目ざめた理由とは。

 ゲームは、時折示される選択肢を選んでいく事で分岐していくオーソドックスなシステムです。多くの場面は画面下にメッセージウィンドウがでていて、背景が表示され、そこに立ちCGが表示されている場面で進行します。
 ゲーム中の動きのあるシーンに関しては、アクティブモードというチップキャラによる寸劇を横からの視点で眺めるモードで表現されます。このシーンでは、登場キャラクタの台詞のタイミングも完全に制御されており、本当に眺めていれば進行します。ここでは、例えばキャラが歩いたり走ったり、戦ったりという様なアクションをリアルタイムな動きと音と文章を見る事ができます。もちろん、単純な単一の動作しかしないわけではありません。その動きの多彩さは実際に実物を見て確かめて欲しい所です。
 また、一部のシーンでは指示のとおりに素早くボタンを押さないとゲームオーバーになってしまうという様な構造も取り入れられていて、緊迫感をかもし出しています。

 ユーザインタフェースは、文句なしです。既読判定がちゃんと成されており、現在見ている文章が既読か否かは画面左下のスキップボタンの色でひと目で確認できます。メッセージのバックログも完備です。メッセージウィンドウには巻き戻し、順送りのボタンが配置されているだけでなく、スクロールバーも標準で配置されているのは親切だと思いました。シーンが切り替わるアクティブモードでの台詞もちゃんと読み返せます。なお、ホイールにも対応しているようですが、私の環境(Windows95OSR2.1)では利用できませんでした。セーブロードは、右クリック時に表示されるメインメニューからの操作となります。この右クリック時にメッセージウィンドウが消えるのでなく、画面が切り替わるというのはちょっと私の感覚とは違ってとまどいました。
 特殊なのがフォントの変更でしょうか。多くのゲームのようにインストールしてあるフォントが使えるというのではなく、標準と明朝とゴシックの3種類から選ぶ形になっています。マニュアルによるとDynaLabのフォントを利用しているらしいので、システムに一部、もしくは全てのフォントが内蔵されてるんですね。画面を大事に思うのなら確かにこういう方向性もありだと思います。

 CGは、いずれのシーンも「さすが」の出来です。ちょっとチップキャラと通常CGのイメージに差を感じますが、前者は動かしやすいようにある程度デフォルメされるのも仕方がないかと思います。
 音楽も同じく「さすが」です。今までのリーフサウンドと同様、素晴らしい音を聞かせてくれます。
 歌は、Kayaというメジャーデビューしてる男性歌手によるボーカルです。悪くはないのですが、ちょっとエンディング曲の終わり方の辺りがゲームの余韻をぶち壊してるような気がしてしまいました。
 オープニングアニメは、ムービーになりました。が、標準の320×240の15fpsの物でも汚いとは感じず、高画質版として用意されている640×480の30fpsのムービーは普通に放映されているアニメと同等のクオリティで見る事ができました。動画の作成は鋼鉄天使くるみで最初から最後まで崩れない作画を見せてくれたオー・エル・エムです。もちろん、このオープニングも原画のイメージを損なわないレベルの絵を見せてくれています。

 非常にシンプルな評価ですが、この辺については本当に「凄い」としか書きようがないのです。

 CGや音楽の項目に引っかかる事ですが、このゲームの真に凄い点は「演出」だと思います。前述のアクティブモードの音と動きの同期もそうですし、通常のシーンでの環境音やSEもそうです。また、画面が揺らいだりぼやけたりするシーンでのエフェクトや、簡易のアニメーションのような処理もあります。とにかく、必要だと思われる所に必要な演出がきっちり盛り込まれているのです。小規模な開発では妥協してしまいがちな所を物量でカバーしたという感じでしょうか。もちろん、物量、なんて言ってもクオリティが低い訳ではなくて、それすらも伴った物量です。とにかく、各所で目が、そして耳が釘づけになりました。

 ……と、誉めてばかりのレビューで終わるかと思いきや。
 シナリオはいまいちだったのです。いまいちというと語弊がありますね。期待が大きすぎた為に、提示された物語では満足できなかったというのが正しい所でしょうか。冷静に物語を見てみると、王道ではありますがそれほど破綻も感じられず、特殊な設定をそれなりに使いこなして、また複数のシナリオで根幹の設定を明かしながら進行している事が理解できるんですが……どうも、食い足りないのです。たとえばそれは最後まで謎の女医で終わってしまった石原麗子の正体であったり。設定自体は非常に面白いですし、異性を発情させる血の力というのもこの設定からHシーンを導き出す上手いギミックだと思います。ですが、まだまだこの設定から面白い話が作れたんじゃなかろうか、と思うのです。
 もう一つは、設定や物語の方向性の為か、いまいちヒロイン達の個性が掘り下げられず、あくまで登場人物の一人でしかなかったというのが残念だったというのもあるでしょうか。キャラを見せる事と物語性の両立は不可能ではないでしょうから、もう少し頑張って欲しかった所です。
 あとは、やはりボリューム不足でしょうか。無理にプレイ時間を引き伸ばすようなシステムを入れていない為にこうなったというのはあるんでしょうけど、やはりこれだけ待たされた作品が半日のプレイで終了してしまうのはもったいないと感じました。でもこれは、私が一気にプレイしなければよかっただけなのかもしれませんね(苦笑)。

 苦言も並べましたが、結局これは私の期待が高かったというだけで、単品で見れば充分評価できる作品だと思います。特に演出に関しては他社に見習って欲しいと思える効果が多数利用されています。
 音声はないので、1プレイは3〜4時間程度で終了します。共通部分をスキップすれば一つのエンディングを30分〜1時間程度で見ていけるでしょうか。「リーフの新作」という期待の為に酷評している方も散見されますが、個人的にはそういった期待は置いておいて素直な気持ちで見て欲しい作品ですね。

犠妹〜背徳の契り〜

Selen Windows95/98/Me/2000版 SLPR-004,0048 18禁 凌辱調教アドベンチャー
一押し:若尾悠奈
 DEEPDEEP/ZEROとシリーズ作品を気に入ったので「CD2枚組みになってボリュームアップ」と報じられていたこの作品には期待していました。

 主人公「若尾恭介」は画家「若尾和馬」の息子。家族は2年前に和馬の後妻となった恵とその連れ子の悠奈。主人公は、恵を実の両親の仲を引き裂いた元凶と考え彼女に対していい感情を抱いていなかった。そんなある時、父の和馬が他界する。父の遺言ですべての財産を引き継いだ主人公は、この機会に恵との絶縁を図る。だが、それに対して恵は主人公に対してある提案を行う。それと引き換えに若尾家にとどまりたいというのだ。その執着心と出された条件にとまどう主人公。だが、以前から内に秘めていたSM願望と悠奈に対する禁忌の思いがその魅力的な条件を受け入れてしまう。
 その条件とは……『自分達を家に置いてくれるなら、悠奈を好きにしてもいい』
 そして、主人公と悠奈の背徳の儀式ははじまる。娘を犠牲にしてまで家にとどまる恵の思惑は如何に。それが知らしめられた時、主人公と悠奈の関係はどうなるのか。

 今作は、過去のシリーズ作とはジャンルが違って「アドベンチャー」の名を関しています。が、基本的な進行は今までと同じです。調教画面で直接的なコマンドを選んでパラメタが上下して、という形ですね。前作から大幅に変わったのは、調教コマンドの内容が段階に応じて大幅に入れ代わるということです。今までも、パラメタやイベント等の条件を満たすことで増えるコマンドというのはありましたが、それとはずいぶん趣が違います。具体的には、一定の段階で「恋慕」「マゾヒズム」のどちらが多いかで調教段階が分岐していきます。「恋慕」寄りに進むと、愛撫系や、キスなどのノーマルな行為中心に、「マゾヒズム」寄りに進むと被虐調教や野外調教などのアブノーマルな行為中心にメニューが変わっていきます。今作では冒頭の物語で悠奈との間に「純潔は守る」という約束をするので、進行如何によっては直接の行為は全くなしという事もあります。ともかく、この要素によって、今まで以上に調教コマンドの総数が増えましたが複雑になりすぎずにプレイできるようになっています。ただ、分岐の先にどのコマンドがあるのかをちゃんと把握しておかないといけないので、調教マトリクス埋めはますます大変になりました。
 前作では、あとで差分配布されたバージョン1.5で採用された主人公のパラメタ入力が今作では標準になっています。普通にプレイしているぶんには、どんなパラメタをセットしてもそれほど差があるように感じなかったです。これはランキングを行う時に明暗を分けるんでしょうかね。
 また、流れの説明から想像が付いたかもしれませんが、今作ではヒロインを性奴隷として扱うだけでなく正常に愛するという方向のプレイも可能になっています。こういうゲームは複数の展開がある方が楽しいと思うので、この方向性は歓迎です。今作の主人公とヒロインの関係の為に、鬼畜方面に進んでも一方的な感じがしないのも好印象です。ただ、よりハードなものを好む人にはマイナス点かもしれませんね。
 アドベンチャー部分は、調教シーンの合間に挟まれます。と言っても、適当なタイミングで発生して、謎解きに必要なテキストを見せられたり、それに対して任意の三択を選択するくらいなのですが。アドベンチャーという程大げさではないな、というのが私の印象です。個人的には、折角調教ルートが分岐するようになったのだから、アドベンチャーのキーとなる真相も分岐如何で全く違う物に変われば良かったと思います。その分、容量が必要になりますが、CD2枚を使うのならできなくはないんじゃないでしょうかね。
 あと、今までの作品では明確にされていたゲーム期間が今作では明示されません。プレイしている感覚で言うと、パラメタが一定に達するまではイベントが発生せず、そしてイベントが発生しない限りシナリオは進行しないという形になっているみたいです。前作でも行われたネットワークランキングが今作でも行われる予定ですが、この仕様だと調整が難しいんじゃないでしょうか。
 なお、今作の調教対象は基本的に悠奈ただ一人ですが、サブヒロイン芹夏のエンディングや恵がらみの調教シーンなども用意されています。

 システムは今まで同様の快適さです。スキップモードは3モードで、強制全スキップ、既読スキップ、今回のゲーム中のみの既読スキップと場面に応じて使い分けられます。パラメタ表示をスキップするP-SKIPも健在です。今作では、パラメタの横にパラメタの増減を表示する枠が付いていて、そこで一つ前のパラメタの増減を知る事ができるので、最初からP-SKIPをオンにしていてもいいかもしれません。
 ただ、これも前作同様なのですが起動を指示してから画面が出るまでに少し時間が掛かるのが気になります。やはりスプラッシュウィンドウを表示するなりして、起動を開始したことをユーザに通知して欲しいですね。

 CGは調教の種別が多くなったことで相対的に多くなっていますし、アドベンチャーモードで見られるイベントにもそれぞれ絵が用意されていてなかなかのボリュームです。それらをあとで閲覧する機能も今まで通り快適に使えます。このシーン回想/CGモードでは新たにそのシーンの概略がポップアップするようになっています。今まで調教マトリクス側はともかく、イベントマトリクスの回想はかなり手探りの感があったのでこれは便利ですね。さておき、塗りもちょっとあっさり目ではありますが、問題ないクオリティだと思います。
 音楽は、相変わらずです。I'veの主題歌も前作同様のノリです。正直「またか」と思ってしまいますね。まだ発売してない某タイトルの主題歌で、I'veもコミカルな歌も作れることは知ったんですが、やはりこういう歌を作るのが得意なんでしょうかね。まあ、悪くはないけどそろそろ聞き飽きたという感じでしょうか。
 音声は、メインヒロインの悠奈、サブヒロインの恵と芹夏のみです。容量の9割以上は悠奈のものなのですが、私は気に入りました。あえぎ声が中心の音声なのですが、珍しくほとんどのシーンをちゃんと聴いていたような気がします。

 アドベンチャーという事である程度のシナリオはあるのですが、前述した様に調教が一定の条件に達したらシナリオが進行するという感じになっているので、どうしても「おまけ」という感がぬぐえていません。一応、アドベンチャーパートの選択も一部はエンディングに影響するのですが、半分以上のエンディングはアドベンチャーパートは関係なく調教ルートとパラメタのみで決まるようですし。個人的にはアドベンチャーパートに重きを置きすぎて、調教パートでの成果がないがしろにされるよりはマシだと思うので、この程度のバランスでも許容できるのですが「アドベンチャー」というジャンルを見て購入した人は不満に思うかもしれません。

 ……と、ほとんどの部分が「前作同様」という言葉で語られていますが、前作が気に入ってる人なら大体問題なく受け入れられるのではないでしょうか。もちろん、今回のタイトルの一部になっている「妹」というキーワードに反応する人にもお薦めできると思います。あ、もちろん妹といちゃいちゃらぶらぶしたいというのではなくて、妹とあんな事やこんな事をしたいという向きに、ですけど(笑)。とにかく、メインヒロイン「悠奈」を気に入るかどうかで全然評価が違ってくる作品だと思います。
 プレイ時間は、ゲーム期間の設定がなくなった為に不定ですが、大体1〜3時間程度でしょうか。エンディングの数は8個と多くないですが、ルート分岐による調教コマンドの変化のおかげで、充分楽しめました。

リフレイン・ブルー

elf Windows95/98版 WIC-6494〜6495 18禁 ノベル
一押し:川奈由織
 発売時には一旦見送って、でも評判が良かったので確保して、でもプレイ時間が取れずに、気付くと1年以上も放置してしまったゲームです。発売日は1999年11月26日でしたから、今更な感のあるレビューです。

 主人公、松永義博は7年前、足を傷めそれまで全てを注ぎ込んできた陸上への夢を断念せざるをえなくなった。夢を見失った彼は、たった一人の傷心旅行にでかける。辿り着いた蜻蛉海岸。交通の便が悪い為に過疎化が進み、周りにはほとんど人が住んでいないという静かな、寂しい海岸。そこで義博は深景という美しい女性と出会う。穏やかな大人びた印象の彼女は義博の傷ついた心を癒し、そして彼を惹きつける。彼女もそれを受け入れ恋人同士となる二人。だが、その出会いは一夏の思い出でしかなかった。
 今、義博はバスの添乗員として7年ぶりの思い出の海に向かっている。サマースクールという学生の七泊八日の課外授業への添乗だ。生徒たちや寮の人たちとの交流、謎の少女との出会い。7年前と変わらないこの海で義博はどんな体験をし、どんな運命を見つけるのか。

 ゲームシステムは極シンプルなノベルタイプです。画面一杯にテキストが表示され、絵も同様に表示されています。文字が表示されている時は背景が少し暗くなって読みやすくなるというのは他のゲームでも多いですが、このゲームではさらに文字が黒く縁どりされているので、確実に背景から切り離されています。フォントの変更は出来ませんが、これはシナリオ中で場合によってフォントを使い分けているからです。また、画面に集中させる為かマウスカーソルは基本的に非表示になっています。画面はフルスクリーンのみなので不自然ではないのですが、画面上部のメニューバーを呼び出す為にどのくらいマウスを動かせばいいのかわからなくて困ることもありました。
 分岐は、シナリオ中時折表示される2択の文章を選ぶことで成されます。このゲームではヒロインのクリア順序が制限されています。ですので特定のヒロインのシナリオをクリアすると次のプレイ時に新たな選択肢が増えて、これを選ぶことでそちらに進むという形になります。
 既読文章の自動スキップ機能もありますし、読み返し機能も用意されています。読み返し時に任意の音声を再び再生することも可能です。ただ読み返し機能は使える時と使えない時があって、読み返したいのにそれができないと言うことがあってちょっと困ることがありました。

 上記の様にシステムは快適です。
 CGは、門井亜矢さんの原画も塗りもさすがエルフと言えるレベルに仕上がっています。このゲームで面白いなと思ったのが、背景に表示される通行人の様なキャラに、ちゃんとその場面に存在するヒロイン達が描かれていることです。それらのヒロインが立ちCGで正面にやってくる時はちゃんと背景のキャラも消える様になっています。細かいこだわりを感じました。
 このゲームでは、ムービーも所々に挿入されています。ゲームを起動して直後の本が開くアニメーションなどもそうですし、プロローグのバスの車窓もそうです。変にレンダリング臭いCGでなく、ゲーム中の画面と変わらない様な絵を使うことで、そしてうまく画面を切り替えることで効果的にムービーを利用していると思いました。
 音楽は、あすか120%等の音楽を担当されておられた与猶啓至さんの手による物です。CD-DAでの再生となっているので、かなりのクオリティです。エンディング、というか本当に最後のシナリオでのエンディングで、ですが歌も用意されています。これもやはりあすか120%で一緒に仕事をされておられたREIKAさんの歌となっています。気になったのは、1曲の収録時間が短く、一つのシーンを見ている最中に何度も曲が終了してループする事です。雰囲気の良い読ませる作品だっただけに、こういう部分が気になりました。
 音声は、ヒロインだけでなくわき役だけでなく、主人公まで含めてフルボイスです。ただ、私はプレイしていて主人公が喋ることにあんまり価値を感じなかったので、主人公の声だけオフにしてプレイしていました。とはいえ、音声自体のクオリティはかなりのものです。好みの声優さんが声を担当しておられた杉田治美というキャラが攻略対象じゃなかったのが非常に残念に感じられました。

 シナリオは、一見それぞれのヒロインとの物語のオムニバスに見えるのですが、実はクリア制限順序に沿った1本の物語となっています。もちろんそれぞれのヒロインに対してそれなりのエンディングが用意されてはいますが。
 それぞれのヒロインとのシナリオでは、主人公の深景との思い出を回想し、それと同じような状況を再び体験したり、思い出による心の傷を主人公と同様に抱えているヒロインを発見したりと、うまく思い出に絡めた展開が待っています。その先は必ずしもハッピーエンドというわけではないのですが、それぞれの行く末は幸せを感じさせられます。
 そして、最後のシナリオではそれまで部分的に取り上げられていた主人公と深景の「想い」を中心に、今までの物語が一つの流れの中のものであったことが語られます。

 テキスト的に冗長に感じる所もありましたが、充分楽しめました。それはやはり感情移入を妨げないシステム、絵や音声のクオリティ、破綻しないシナリオのおかげなんでしょうね。まあ、各シナリオが確実にハッピーエンドという訳ではないことと、最後のシナリオだけが妙にシナリオライターの主張が見えすぎるのが難点ですが。
 もう一つ、画面効果としてラスタースクロールが使われる場所があるのですが、これがテキストが表示される直前のみの効果になっているのが残念でした。そのシーンが継続している間はずーっと動いているとより臨場感が高まるんですが。

 音声がかなり多いので、1プレイの時間は6〜8時間程度でしょうか。繰り返しプレイしても、重複部分はそれほど多くならないので、1シナリオにつき4時間程度はかかると思います。
 門井亜矢さんの原画というと「下級生」ですが、これの様に女の子といちゃいちゃ出来るゲームを想像すると辛いです。が、これはこれで充分楽しめる良作だと思いました。

ラグナ

にくきゅう Windows95/98版 18禁 らぶらぶアドベンチャー+さくさくシミュレーション
一押し:ましろ
 コーエー風シミュレーションっぽい雰囲気と、パッケージに一人で描かれているメインヒロインのアニスのデザインに引かれて購入したゲームです。

 主人公「アベル(名前変更可能)」は、父である国王の突然の崩御の為に新国王となった青年。その治めるシェオン・エルははるか昔に勇者が邪神を封じた地。今でもその邪神の瘴気の影響があり、特に豊かともいえない国力の為に今まで大きな戦いも起こらずに平和な日々が続いていた。自覚のないまま国王になった主人公に世話を焼く宰相のナーラや幼なじみのアニスとユーリ。そんな平穏を破る突然の出来事。隣国ザルツラング国王が病床に伏せてしまい、その代理として第2王位継承者が立ったのである。それに不穏な空気を感じた数日後、ザルツラング第1王位継承者であるコーネリア姫が王位継承の証しである錫杖とともにシェオン・エルに亡命してくる。それを取り戻さんと宣戦布告してくるザルツラング。多くの仲間と国をを巻き込んで主人公は戦いの渦中に飲み込まれていくのだった。

 ゲームはターン制の戦略シミュレーションです。とはいえ、いわゆる「内政」的な事はほとんどなく、また1国対1国の戦いになりますので、「外交」という要素もありません。要するに戦闘に関る事しかできません。都市に対して出来ることは、攻撃力を高めること、防御力を高めること、砲台を設置すること、フォースフィールドを設置することの4点です。首都では、これ以外に敵都市に対して諜報を行ったり、メテオで直接攻撃を行ったり、部隊編制を行ったり、部隊のキャラにアイテムを装備させたり、首都にいるキャラと相談したりすることが出来ます。これとは別に部隊長それぞれも行動を起こせます。出来ることは隣接する都市への移動と、探索です。探索することによって、アイテムを発見することがあります。通常の効果は資材の入手です。この資材は、例えば都市の攻撃力を高めたり、フォースフィールドを設置したりする時に必要になります。
 部隊の編成とアイテム装備は前述の通り首都で選択するコマンドですが、その為対象の将軍が首都にいないと操作することができないようになっています。やはり前述の様に部隊は1ターンに1都市ずつ移動して進軍する形になっていますので、最前線に配置された将軍にアイテムを装備させようと思うとそれだけで一苦労です。実際は、戦いに負けることで首都に戻される(兵や将軍が死んだりすることはない)ので、これを利用して敵に突っ込んで即退却することで首都へトンボ返りすることは可能なのですが、いまいち面白い方法ではありませんし。また、都市間の行軍路は場所によって幅が制限されています。1ターンにそこを通れる部隊数が設定されているということなのですが、これは実際にそこを行軍してみないと知る事ができません。部隊を準備していざ攻めようと思ったら、その区間は1部隊しか通れなかったりしてむなしくなることがありました。こういう要素は先に見せておいて欲しかったです。
 逆に、敵国の内情は諜報しないと見ることができないのですが、敵の将軍の位置やその将軍が率いている兵士の名前はいつでも見ることが出来ます。敵の将軍がいない都市は、基本的に無抵抗で占領できますし、戦闘は絶対に味方ターンから始まりますので、敵の絶対量が分かればかなり優位に進める事が可能です。そのような関係で、戦闘は非常にぬるい難易度となっています。一応、開始前に「ノーマルモード」と「イージーモード」の二つから難易度を選択できるようになっているのですが、どちらを選んでも楽勝でした。
 ターンの間や、探索、相談をすることでイベントが起こることがあります。相談以外でのイベントは特に進行に関らず、物語を盛り上げようとして挿入されていると思うのですが……いまいち唐突な感じがぬぐえません。はっきりいうと、登場するキャラ達全てを把握できているシナリオライターが一人で楽しんで書いていると感じました。
 戦闘は、正方形マスで区切られた1画面のフィールドでのタクティカル戦闘です。ここでもターン制です。とはいえ、決着が付くまで他のシーンの時間には影響しません。ここでは、攻め込んだ将軍とそれに率いられる兵士達をコントロールして敵の部隊を殲滅します。敵も味方も全滅することで敗北が決定します。砲台やフォースフィールド発生装置なども配置されていますが、これらは破壊せずに勝利した場合、そのまま自軍が利用することが可能になります。

 アドベンチャーやノベルではないので、既読判定や読み返し機能は付いていません。まあ、アドベンチャーやノベルでなくても付いていていいとは思うのですが。特にそれが付いていないことで不便に思うことはありませんでした。セーブロード周りはかなり不満です。クイックセーブはありますがクイックロードはありません。どうするのかというと、セーブ枠に通常セーブ不可の枠が設けられていて、ここにセーブされたデータをロードするのです。それだけならたいした手間ではないのですが、セーブ枠は大変多く、ページ切り替えがあり、そして最初に開いた時は(クイックセーブ以外の)最新のセーブデータを示すようになっているのです。つまり、クイックセーブのデータをロードしようと思うと、ページを戻してロードを選択しないといけないのですね。それが不便に感じた為、結局セーブは最初の1ページしか使いませんでした。また、このセーブデータの内容表示も不満です。セーブデータを判別する為の手段として用意されているのは、ゲームのターン数とセーブした年月日だけなのです。一見問題ないように見えるかもしれませんが、「セーブした時間」が表示されないのです。これにより、一日に頑張って何度もプレイしたりしていると、どれがどのデータなのかわからなくなってしまいます。一気にプレイした私にはかなり不満に感じられました。
 CGの塗りや原画は良いと思います。ただ、敵にしろ味方にしろ、将軍以外の兵士は名前もパラメタも必殺技も用意されているのに、職業毎にたった1種類の顔CGとチップキャラしか用意されていません。名前が男だろうが女だろうが一緒というのはあんまりな気がします。また、そんな個性を感じさせないキャラを使って、一部のイベントが起こるのですが、個性を感じさせないからますますどうでもよく感じてしまいました。
 音楽は、可もなく不可もなく。
 音声は、ヒロインのみ音声ありです。演技や声質については特に不満は感じませんでした。

 とにかく、「ゲーム」を期待したのに外されたという感じです。実際前述した多くの要素はゲームに勝利する為には必要ありません。必要なのは戦力の集中とそれによる将軍&部隊キャラのレベルアップだけです。都市の攻撃レベルも砲台も、メテオも諜報も必要ありません。それらが不要だとすると、探索も不要になります。探索をしないと一部のイベントが見られないと思われますが、それだけです。都市の繋がりもほとんど一直線で、補給線(という要素はありませんが)を維持しながら進軍するという事は考えなくても構いません。もっと言えば、敵の首都の目前の都市を占領すればゲームは終了するので、そこと自軍の首都以外は占領されても全く気にしなくてもいいのです。
 また、ゲーム中には「人道的だが国の為にならない」事と「非人道的だが国の為になる」事の2択を迫られることがあります。が、これらの2択はほとんどの場合、どちらを選択しても周りの押しの強いキャラの意見に負けて「人道的な」選択をしてしまうことになっています。これらの箇所でどんどんシナリオが分岐していけばいろいろ面白かったのですけど、基本的なシナリオの流れまで一直線なのです。
 ヒロインとのシナリオは、「相談」することで進行します。相談する為には、そのヒロインが首都にいなければなりませんから、プレイする時は自然と狙いのヒロインは戦力外になります。まあ、それはそれでいいとして、主人公の普段の様子も合わせて、こちらの流れは戦争中の国の国王とその将軍という雰囲気が全く感じられません。ヒロインとの相談に限らず、全体的にそういうのんきな雰囲気が漂っています。あんまり殺伐としているのもどうかと思うのですが、例えば他国と戦争するということを、感情的に「コーネリア姫が可哀想で放っておけないから」なんていう理由で決めてしまう、彼らの思考には頭を抱えてしまいました。
 そういうことを置いておいて、ヒロインのシナリオだけを追えば、彼女たちの個性は「見たまま」ではありますが、その分安心して堪能することが出来ました。

 プレイしていて端々から感じたのですが、このゲームはこのタイプのゲームの傑作と言える「鬼畜王ランス」を目指して作られたのではないでしょうか。時折発生する、敵方のイベントだとか、フェイスウィンドウの使い方とか、いろんな所にそれを感じました。が、あちらは自分の一つ一つの行動が想像しうる限りの別の結果をもたらしたのに対して、このゲームでは何をしても結果は一緒という風になってしまっています。他のゲームにあこがれてゲームを作るのもいいのですが、そのゲームがどうして面白かったのかをちゃんと把握して作らないとどうしようもないという見本のような内容になってしまっています。

 苦言ばかりのレビューとなってしまいました。キャラや絵に魅力を感じて繰り返しプレイするにしても、単調な戦闘が大変ですし、あんまり人にはお薦めできない出来です。
 1プレイの時間は、ヒロインのエンディングを見る為だけに注力すれば3〜4時間程度で終わります。が、出来ることをいろいろ試していると結構かかりますね。

ぴヨナ☆ピコナ

Rune Windows98/Me/2000版 18禁 RUNE005,M,MA 魔法学園アドベンチャー
一押し:ベル
 このメーカーのゲームは原画屋さんの絵が非常に魅力的で、ずっと気になっていたのですが今まで購入タイミングが合いませんでした。今回は今までのゲームとはちょっと毛色の違う内容みたいですが、原画屋さんのキャラの魅力をより引き立たせるようなポップな塗りもより私の好みに近寄っていたので、優先度を高めて購入に踏み切りました。

 主人公クロスは、偉大な勇者を先祖にもつ聖王家の王子様。だが彼は魔法の素養がなく一族からはつまはじきにされていた。あまつさえ後継ぎ不可の烙印を押されてしまったクロスは、一族を見返してやろうと世界有数の魔法の殿堂である「魔法学園」に入学する。しかし、クロスが魔法学園にやってきた日、彼は魔法学園の教師の一人であるベルに出会い、彼女の美貌に惚れ込み、その場で弟子入りしてしまう。そして、彼女の家に居候する事になったクロスはそこでベルの妹でクロスのクラスメイトとなるヒヨコと出会う。真面目な動機で家を出て魔法学園に来たはずが、この二人の出会いで途端にクロスの「女の子好き」の血が騒ぎだす。「この様子なら魔法学園にも可愛い子がたくさんいるに違いない!」と考えたクロスは、勉強をそっちのけにしてにぎやかでちょっとHな学園生活を過ごすことになるのだった。

 ゲームはオーソドックスな場所移動型アドベンチャーです。ゲーム期間は約2ヶ月半で、一日には2回の移動シーンが入ります。移動場所にはヒロインのシンボルが表示されたりするヒントはありませんが、基本的に特定のヒロインのいる場所は数ヶ所に限られていますし、誰もいない場所は表示されないので、それほど難易度は高くありません。また、毎日挿入されるアイキャッチ兼カレンダーの画面に重要なイベントの抽象的なヒントが示されることもあります。これは見なくとも特に攻略に支障はありませんが。一日の2回の移動シーンは午前と午後に分かれていますが、基本的に一人のヒロインのイベントは一日に一つしか進まないようになっているようです。ですので、午前午後とも同じヒロインに遭遇した場合は、共通の会話イベントで置き換えられます。魔法学園とはいえ「学園」ですので、ゲーム期間中には体育祭や研修旅行も存在します。これらのイベントも他のイベント同様メッセージだけで処理されます。
 ゲーム的に面白いのは、H要員の女の子達とのHで主人公が魔力を得て、それを使ってメインのヒロイン達にHないたずらをするというものですね。そのイベントの内容は十分満足の行くものです。ですが、任意のタイミングで、任意のヒロインに使える訳じゃないというのが残念です。この辺を突き詰めていくと別のゲームになってしまいそうですが、面白い要素なのでもうちょっとバリエーション豊かにするなどしてほしかった所です。
 システムは、既読判定も読み戻し機能もなく、最近のゲームとしては不親切です。ですが、いつでもセーブできるのにロードすると特定の場所からしか始まらない、というある意味貧弱なセーブロードの仕様のおかげで既読判定の貧弱さを許容できました。どういうことかというと、未読文章をスキップしてしまったらその場でセーブしてロードするのです。そうすることによって、移動直後のシーンに戻ることができるので改めて文章を読み直すことができるのです。そういうことをしなくても、基本的に素直な構成になっていますので「見知ったイベントが始まったと思ったらスキップボタンを押す」という事をやるだけで充分快適に楽しむことができました。

 CGはもともとそれが目的で購入したので大満足です。ファンタジー世界、というか「魔法」のある世界というイメージでコントラストの高い色を多用したポップな感じは独特の雰囲気で、楽しげな世界観をイメージさせてくれます。立ちCGとイベントCGで別人に見えたりすることはありませんし、その立ちCG自体が非常に表情豊かで見ていて楽しいです。ちょっとHシーンに描かれる「汁」が多いのが雰囲気と違うなあ、という気もしますが、まあこれはHゲームなのですからこういうのもありでしょう。
 音楽は、CD-DAとPCMが選択できます。どちらもほぼ同じデータの様ですが、PCMの方が比較的動作が重くなります。私の利用したPentiumII 300MHzのPCではPCMを選択した場合あまり快適とはいない状態になりました。さておき、音楽自体は世界観やイベント内容に合わせてかにぎやかなものが多く、それらもなかなか良い雰囲気です。一部の曲で「おジャ魔女どれみ」のテーマ曲を連想してしまったのですが、狙ってるんでしょうね。
 また、音楽ではないのですがこのゲームは非常にSEの使い方がうまいと思いました。SEと言っても環境音の様なものではなくて、たとえば間違った事を言ったと同時に「ブブー」という音がなったり、ショックを受けた描写と同時に「ごーん」という音がなったりという事なのです。特にこの「ブブー」というのは、テンポの良い会話シーンの中で非常にうまく組み込まれており、これが鳴るたびに私は吹き出していたような覚えがあります。いえ、音が面白いというのではなく、会話の流れ的に丁度そこが「ボケ」になっているから、です。
 音声は女性キャラのみフルボイスです。わき役といってさしつかえない、H要員の女の子達ですら音声は完備されています。逆に、結構シナリオに絡んでくる男キャラであるフェルナンドには音声がありません。個人的には彼にはぜひ音声が欲しかったですね。音声の演技やキャラとのマッチングはかなり良いです。声質自体もかなりお気に入りです。ただ、ヒヨコ役の声優さんが妙にしゃがれ声になっているところが気になります。ちゃんと声の出てる所を聴いているかぎり可愛い声の人だと思うのですが、演技や癖と思えないタイミングで声がしゃがれてます。収録時に風邪を召されていたのでしょうか。
 オープニングムービーもテーマ曲の歌付きバージョンにのせて、なかなかのクオリティです。

 このゲームの特徴は上にも少しずつ書いていますがテンポの良い会話シーンと、少年漫画的な「ちょっとHな」イベントの数々でしょう。前者は後者を活かす為に必然的に存在しています。そして後者はこの手のゲームには割と珍しいモノです。同じようなことをしても、題材がHゲームですから、割と直接的な内容にまで達してしまうことが多いんですよね。このゲームは、H要員達とのHシーンを除いた学園生活部分のイベントはまさしく「ちょっとHな少年漫画」で描かれるようなモノばかりです。主人公は割と積極的にそういうものを求めますが、ヒロイン達が天然で交わしたり痛烈にツッコミを入れたりしていやらしくなく、コミカルに描かれています。非常に懐かしい感じでとても楽しめました。イベントCGは多くないですが、それらの日常の会話イベントがたくさん用意されているおかげでヒロインの一人一人に思い入れできました。
 ゲーム世界の2ヶ月と少しを進むとその段階で一番仲の良かったヒロインとのストーリーに分岐するのですが、ここからの流れはちょっとそこまでとは違って、唐突にクライマックスっぽくなります。お約束の展開が多いのですが、それもこのいつまでも続けられる世界を閉じる為には必要なのでしょう。エンディングにはエピローグもあって気に入ったヒロインとその後どうなったのかをちゃんとフォローしてあって好感が持てました。

 システムやストーリーは取り立てて勝れているとは言えないのですが、とにかく世界とヒロイン達の魅力が突出しています。久々の「終わらせたくないゲーム」になりました。
 1プレイの時間は、スキップなしだと10時間くらいでしょうか。特定ヒロイン以外のイベントを全部スキップすれば3〜4時間程度で終われます。お薦めできるのは「コミカルでちょっとHな学園生活」というキーワードに惹かれるものを感じる人、ですね。もちろん、絵柄が気に入ったという方向から入っても問題なしだと思います。壮大な物語や感動、濃いHなどを求める向きには適さないと思いますが、軽く「楽しめる」作品を求める人にはお薦めできる一作です。

幻獣蒐集団

ピンキィソフトミッドナイトムーンメディア Windows95/98/Me/2000版 18禁 ボードゲーム
一押し:ヒスイ
 昔からマイナーながらこの業界で活動している方々の作品です。今作は定価が2000円と非常に低価格だった為に購入に踏み切りました。

 主人公(名前入力可能)は、アネカの町で一人で暮らしている爺さんの様子を見に町に向かっていた。だが、教えられた通りに街道を進んでいたはずが、いつの間にやら深い森の中で迷子になっていた。そして、陽も沈んで焦ってきた頃、周りに不自然な物音を感じとった。この辺りには幻獣と呼ばれる人間の精を吸い取る魔物が出現するという。てっきり年貢の納め時かと思った主人公だが、その物音の原因は意外なモノだった。そこにはあられもない格好で木々に縛りつけられた女の子がいた。彼女の名はヒスイ。「幻獣蒐集団」という組織の一員で、別のギルドの連中に妬まれ、陥れられてここに捕われていたのだった。そして、彼女は彼女をはめた連中にかけられた「サキュバスの淫液」によって激しく欲情していた。成り行きでヒスイとHしてしまった主人公は達した時に彼女の持ち物である「絆札」に自分の精を浴びせてしまう。この札こそが「幻獣蒐集団」の活動に必要なアイテムで、構造上精をかけた主人公にしか使えなくなってしまったという。成り行きで幻獣蒐集団の一員となり、幻獣をつかまえる事になった主人公。果たして、彼のその後はいかに。

 ゲームは、マップ自動生成タイプのすごろくゲームです。ステージの最初にそこに登場する幻獣が紹介され、その幻獣とまずはマップ上でゴール(幻獣のねぐら)を目指して競うことになります。マップ上には、「☆」マス「!」マス「?」マス、何もないマスと、コテージマス、泉マスがあります。「☆」マスに止まるとHPが回復したり、アイテムが手に入ったりと有利な効果が現れます。「!」マスは逆に止まると不利な効果が現れます。「?」マスは「☆」または「!」のいずれかの効果があります。コテージマスはプレイヤーが止まった場合のみHPを回復できます。泉マスは、主にHPを回復できますが時折逆にダメージをくらう場合があります。主人公と幻獣にはHPが設定されていて、これが0になると1回休みになってしまいます。他に3種類の体力回復薬も持っています。これらはサイコロを振る代わりに使用することが可能でそれぞれに設定されている点数だけHPが回復します。また、体力技という特殊技も存在します。これはたとえば相手に直接ダメージを与えたり、相手を休みにしたり、移動の為のサイコロを5個にしたりといろいろな効果があり、それぞれ体力を消費して使うことが出来ます。この技は幻獣をつかまえるたびに増えて行きます。幻獣もこの技を持っており、時折使ってきます。技や通常のサイコロを駆使してゴールに辿りつくと、相手が同じくゴールに辿りつくまでは幻獣のねぐらで休むことでHPを回復し、HPの最大値をも上昇させることができます。そうして、ねぐらで幻獣と相対することになると戦闘モードに切り替わります。ここではサイコロを振り合って数値の大きいほうが少ないほうにダメージを与えるという戦闘を繰り返します。ここで、自分のHPが50%以上で幻獣のHPが10%以下にすると幻獣を捕獲することが出来ます。この戦闘シーンでは体力技は使えませんが薬は使えます。戦闘中に逃げてしまう幻獣もいます。幻獣をつかまえるとHシーンに突入します。そして、幻獣から新しい体力技を授かって、新たなる幻獣を探す事になります。ある程度の幻獣をつかまえるたびにメインのシナリオが進行し、徐々に遭遇する幻獣の種類が増えて行きます。最終目的を達成するとエンディングになりますが、それを達成するかどうかは任意なので、延々つかまえていない幻獣をつかまえるために頑張る事も可能です。主人公のHPや薬の数などのパラメタはずっと引き継がれていきますので、早いうちに幻獣のねぐらについてHP最大値を上昇させていくとのちのち有利になります。
 このゲームは、マクロメディアの製品を使って組み上げられています。ですので、余計なエフェクトなどが結構重めで負担に感じていたのですが、ほとんどの効果はCAPS LOCKすることでスキップできる事を知ってからはかなり快適に進めることが出来ました。

 ゲーム画面は非常に地味ですね。ビジュアルシーンは並み以上の水準だと思うのですが、原画にかなり癖がありますので、かなり好みが別れると思います。私は昔からこの原画さんの絵は見ていたので特に感ずることもなく受け入れることができました。でも「幻獣」であることも手伝ってか不自然な位の巨乳キャラもいて、それらはさすがにちょっと遠慮被りたいかと。
 音楽は……普通ですかね。Hシーンなどには、音声はありませんが、音声めいた効果音が一部に使われています。
 操作系は、弱いですね。すごろくマップでは必ず操作メニューが主人公のマスの回りに出現するというのは、マウスカーソルを大きく動かさないといけないので、あまり歓迎できない仕様です。
 シナリオは……内容はともかく、テキストがかなり癖があります。どんな癖かというと、基本的にお気楽な文章で、且つ「☆」を多用するということですね。男だろうが女だろうが、文末に「☆」が付きまくります。ゲーム開始直後にはかなり面食らったのですが、最後には慣れました(苦笑)。

 と、あんまりほめてないレビューなのですが、実は割と気に入っています。1マップを進めるだけなら10分とか20分の時間で事足りるので、ちょっとした空き時間に遊べるんですよね。そして、シンプルながら収集要素がある為に繰り返しプレイしてしまうのです。プレイ当初はすごろく部分はかなり乱数が強くてしんどいかと思っていたのですが、体力技をたくさん覚えてうまくそれらを使いこなせるようになると結構楽しくなってきたり。このレビューを書く為に起動して、動作を確認していたら気付いたら幻獣集めにはまっていたりと、中毒性は高いのではないかと思います。
 お値段も、上に書いたように2000円とかなりお買得ですし、だからといってヒロイン(幻獣)の数が少ないかというとそうでもないです。

 原画に抵抗がなくて、お手軽に遊べるH付きのゲームがしたい人にはお薦めできると思います。一部の幻獣が雑誌の付録CD-ROMや、メーカー通販のおまけCDでしか出現しないのはちょっといただけませんが、まあ値段を考えると十二分に楽しめる一本だといえるでしょう。

ぽこぽこ軍将〜棚からこぼれたストーリー〜

ainos ain-004 Windows98/95/Me/2000版 18禁 ボードゲーム
一押し:榊梢
 eye's ONLY(以下前作)に封入されていた次回作案内のチラシをみて、楽しみにしてた「業界初の軍人将棋」ゲームです。

 主人公「倉沢樹(名前変更不可)」は、予備校生。ある時母親に言われてしかたなく散らかした部屋を片づけていると、棚の上から見覚えのないぬいぐるみのようなモノをみつける。それはなんと宇宙人で、彼らは軍人将棋を普及させる為にはるか遠い星からやってきたのだった。そして、彼らは最初のターゲットに主人公を選び彼を気絶させる。主人公は、夢の中のHな出来事と引き換えに軍人将棋にチャレンジするのだった。

 と、まあ脱衣麻雀と同様、どうでもよいプロローグでゲームが始まります。まずプレイを開始すると、アニメを見たいヒロインを選択します。ヒロインは全部で10人用意されていますが、そのうち3人は前作のヒロイン達で、他の7人をクリアすることで見ることができるようになります。ヒロインを選択するとアニメが始まり、適当なタイミングで中断されてゲームモードに入ります。そして、ゲームをクリアすると再びアニメが始まり……という流れを繰り返して、4〜7回程度ゲームをすると一人のヒロインのアニメを全て見ることができるようになっています。
 ゲームは「軍人将棋」という事になっていますが、盤の大きさもコマの種類も縮小されたまさしく「軍将」となっています。具体的には、少〜大佐、少〜大尉、騎兵が存在しませんし、ミサイルという大将すら倒せてしまうコマが追加になっています。コマの移動先もかなり変わっています。元のルールでも、飛行機、戦車、工兵は特殊な移動が出来ましたが、戦車は普通の移動に変更になっていますし、工兵は飛び越えなしで2マス移動可能、飛行機は前方に進むなら横方向も含めて自由に移動できるという風な形になっています。また、軍旗の置き場所の制限が緩和されており、最下段に置くことも可能になっています。その場合、軍旗は何にも勝つことのできないコマになってしまいます。
 さておき、ゲームが始まるとまずプレイヤーは上に仮に置かれたコマをドラッグして自陣の適当な位置に置きます。先攻、後攻は自動的に決定されます。ゲームの勝敗は移動できるコマがなくなるか、軍旗を取られるかで決します。飛行機の移動量が変更されている為に、運が悪ければスタート直後にいきなり軍旗を倒されて負けることもありえますので、軍旗の後ろには必ず大将〜少将を置いておくべきでしょう。
 他のフリー対戦モードと、おまけモードがあります。フリー対戦モードは、ゲームだけを楽しむモードですが、対戦相手を選んだりは出来ません。おまけモードでは、見たことのあるアニメを選択して見ることが出来ます。一人のヒロインのアニメを連続して見ることも可能です。

 このゲームの特徴は前作同様、アニメでしょう。この部分は前作以上にパワーアップしています。前作ではなかった(と思う)カメラの「迫り」「引き」が取り込まれています。PCアニメでこれを再現しようと思うと、もっとも迫った状態で奇麗に見られるように描かないといけないので、かなりの手間になるんですよね。それを演出の為に組み込んだ努力は拍手モノです。もちろん、それ以外の部分も丁寧に絵も崩れず動いていて、充分楽しめました。
 物語はプロローグもそうですが、各ヒロインのシナリオもあってなきが如しですね。ごほうびつきゲームですから、すぐにHシーンになるのは仕方がないことだと思いますが、逆に脱衣麻雀のように「勝負に勝ったら……」という様な流れもあっても良かったんじゃないかと思いました。

 不満点は……まず先に書いた通り、唐突にアニメシーンからゲームに切り替わることですね。一つのHシーンの途中でブツギレになるのはさすがに勘弁してほしかった所です。次に、軍人将棋を期待していたのに軍将だった事でしょうか。まあ、軍人将棋がやりたかったらフリーウェアのゲームを探せばいいのですけど、ちょっと期待を裏切られた感じです。コマの配置が常にドラッグドロップだというのも不満でした。かなりの回数をプレイしないといけないのに、その都度盤を構築するのは面倒です。このゲームの場合、突入口が基本デザインによって変わると言う特徴があるので常に同じ配置で戦う事はできないのですが、それでも配置をセーブして置いておけるようにしてほしかったです。最後に、あっという間に最後までプレイできることでしょうか。CD-ROM1枚とはいえ、ほとんど埋まってるかなりの大容量だと思うのですが、それでもアニメを大量に盛り込むには不足だったようです。総プレイ時間は3時間程度でしょうか。

 Hのシチュエーションは、ヒロインの数だけ用意されており、なかなかのバリエーションですし、アニメもかなりの出来です。ゲームも簡単なので、お手軽にHアニメを見たい人にはお薦めでしょうか。でも、値段を考えると素直にアニメを買ってきたほうがいいかもしれません。定価は7800円と標準的な価格より少しだけ安いですが、それでもアニメDVDよりは高いですもんね。

花譜〜この調べが君に届きますように〜

AniSeed SAS-001 Windows95/98/Me/2000版 18禁 アドベンチャー
一押し:菱沼美咲
 ヒロイン達が矢羽の絣に袴だとか、アニメありだとか、そういう見栄えの部分だけでチェックしていたゲームです。実際手にしてみると、矢羽の絣と袴のレストランという所にミーハーな所を感じたのですが、そういう衣装が不自然でない時代設定であったりと一筋縄ではいかない風です。

 時代は文明開化後の日本。主人公は鷺宮財閥の後取り「鷺宮夢二(名前変更不可)」。だが、小さい頃からそういう家庭で育って世間をあまり知らない主人公にそのまま家督を譲るのをよしとしなかった現当主である父は一計を案じた。家を出奔した弟の経営する洋食屋で1ヶ月働いてこいというのである。その意見に特に異論のなかった主人公はそれを引き受ける。そして、主人公は懐かしい横河の街を再び訪れたのだった。主人公は、この一月の経験で何を掴むのだろうか。

 ゲームはオーソドックスな選択式のアドベンチャーです。基本的な流れというのはあまりなく、時系列に沿って話が進み、そのときどきによって選択を迫られるという形になります。一応、マップ移動画面のようなものもありますが、その中からヒロインを探さないといけないというような場面はありませんでしたし、それ自体があまり登場しないです。
 メッセージウィンドウにはクイックセーブ・ロード、スキップ、ウィンドウ消去のボタンと読み返し用のスクロールバーがついています。このメッセージウィンドウはホイール対応になっているので手軽に見逃したメッセージを見直すことが可能です。その他、既読の判定や右クリックの動作設定、サウンドの細かいスイッチなど、システムは完備されており不自由な部分はありません。
 CGは、時代設定に相違ない落ち着いた雰囲気があります。立ちCGは「立ち」というよりバストアップという大きさで、そのためか同一画面に二人の立ちCGが表示されることはなく、常に画面に一人のキャラしか表示されません。ですので、複数のキャラが同時に登場して会話するシーンなどでは絵がころころ切り替わってちょっとうるさい感じがしました。また、それによりヒロイン達があまり描き分けられていないことが認識できてしまいました。背景も結構書き込まれています。画面に遠近感を持たせる為か、立ちCGが表示されている時は、背景がぼかされます。これは他のいくつかのゲームでも取り入れられている手法ですが、キャラに注目させると言う意味ではかなり効果的なので、他のゲームでも取り入れてもらいたい効果です。
 アニメは、各ヒロインの登場シーンとHシーン、スタッフロールの後のアイキャッチのような絵とオープニングだけとなっています。オープニングはホラーというかオカルトというか、そういうモノを想像させられる独特の雰囲気を持っていて見ごたえがあります。ただ、これの内容がいまいち本編に反映されていないのがよくわかりません。企画当初はこういう方向性だったのでしょうか。他のムービーは、ゲーム中の通常CGとはだいぶ描き方が違いますが、アングルや光の捕らえ方などもうまく、なかなかうまくアニメさせられていると感じました。

 CGは、バストアップのものの表情がちょっと弱いものもありました。が、総じて奇麗で枚数もそこそこあり、満足できました。
 音楽は、それほど目立ちませんが、一部ヒロインのシナリオでテーマとなるピアノ曲などは、音的に結構奇麗になっていてちょっと気をひかれました。
 音声は非常にレベルが高く、音質も悪くなかったのでかなり楽しめました。ただ、ヒロインのみ音声つきとなっている為に、割と出番の多い叔父の久幸などが会話に絡むとかなり間の抜けた印象になるのが勿体ないと感じました。

 プレイ開始当初は、かなり一日一日の描写が細かく、それ自体は不快ではなかったのですが、プレイ時間が膨大にかかりそうで不安でした。ですが、物語がある程度進展してヒロインごとの物語に分岐してしまう、もしくはそこから脱落してしまうと、あっという間に時間が過ぎ去ったり一日があっさりと何事もなく終了してしまったりと、前半、後半の落差が気になりました。
 また、どのヒロインのルートに乗っているかというのが最近の他のゲームに比べてはっきりせず、選択肢もどのヒロインに重要なのかが一見して判断できない場合があったりするのが、ちょっと意地悪だと感じました。
 この二つの事に関連しますが、終盤はいろんなヒロインのイベントが目まぐるしく起こったかと思うといきなり何事もなく自宅に戻るエンディングに到達することが多々あって、ちょっと難易度の面で疑問に思うことがありました。
 操作系はほとんど文句なしなのですが、一部ムービーのシーンとその付近で自動進行になる部分があります。このシーンでの文字送りが全く任意に行えないのが繰り返しプレイ時に障害に感じました。

 物語は、時代背景にあわせたものや、主人公とヒロインの立場にあわせたものなども用意されており、なかなか楽しめました。特徴的なのは、時代にあわせた雰囲気の文章です。別に旧仮名遣いになっているという訳ではないのですが、古めかしい言い回しを多用したり、カタカナ言葉をほとんど使わなかったりと、こだわりが見えます。それでいて、それほど読みにくいとは感じなかったので、なかなかうまく構成されていたと言えましょう。
 主人公を初め、主要なキャラ達の個性が立っているのも気に入りました。この手のゲームでパターン化されたキャラが多いと言えばそれまでなのですが、そのキャラをうまく世界観に馴染むように動かせているのではないでしょうか。

 1プレイの時間は、共通部分も音声をしっかり聞いて進めると10時間程度、既読部分をスキップして進めれば3時間程度でしょうか。「制服もの」として見ると物足りないのかもしれませんが、絵を見て気に入って買って後悔しないだけの出来だといえるのではないでしょうか。

もみじ「ワタシ…人形じゃありません…」

ルネ Windows95/98/Me版 18禁 調教アドベンチャー
一押し:城宮椛
 あゆみちゃん物語辺りから綿々と連なる、一人の女の子と徹底的に、というタイプのゲームです。当初は全く知らないブランドだったので未チェックだったのですが、ウェブサイトで内容を確認するとCG枚数やバリエーションが多そうだったのと、メインヒロインである「椛」が痕のヒロインの一人の「楓」ちゃんと、名前もニアミスなら容貌もニアミスというところが気になって、購入に踏み切りました。

 主人公「御門和人(名前変更可能)」は、日本有数の資産家の跡取りである。幼い頃から帝王学などの英才教育を施されてきた彼は、何もかもがお金で動くひどく退屈な毎日を過ごしていた。そんな中で同じ学園に通う城宮椛という少女と出会う。彼女は両親を事故で亡くした後、遺産目当ての親類に引き取られ、遺産をせしめたその家族に邪険に扱われていた。そんな境遇の中彼女は自分の身に降りかかるすべての不幸な出来事を運命だと思い抗うことをやめ、『人生をあきらめた』のだった。そんな彼女の境遇を知るにつれ、和人は椛の事が気になりだす。そうして和人は策謀の末、彼女を手に入れる。椛の知らない表情を見ることに歓びを見いだす和人。一緒に生活していくことによって少しずつ変わってくる相手への気持ち。果たして二人の行く末は如何に。

 ゲームはいきなりヒロインである椛の処女を奪う所から始まります。ゲームのプレイ期間は5/13〜5/31までの3週間弱。一日は朝〜朝食〜昼休み〜放課後〜下校〜帰宅後〜夜〜独白という感じで流れます。まず朝は、椛に起こされる所から始まります。ここでは、普通に会話したり奉仕させる選択が出来ます。朝食ではメイド達とのやりとりに選択が発生しますが、あまりこれは進行には影響しないようです。昼休みは学校の各所を誰かに会うか、3ヶ所空振りするかするまで移動できます。ヒロインが登場する場合は、あらかじめシンボルが表示されるのですが、シンボルが表示されていなくてもイベントが起こったりヒロインがいたりする場合があるので気をつけましょう。移動場所自体は少ないですしクイックセーブもありますので、これの探索は特にストレスは溜まらないと思いますが。この時間帯は体育倉庫にいくことで椛を呼び出してHすることができます。もちろん別の場所で椛とあっても選択如何でHすることは可能です。それぞれの場合は当然シチュエーションもCGも変わります。放課後も昼休み同様に学校内の移動シーンになるのですが、ここでは体育倉庫に行っても椛を呼び出すことができません。この時間帯でも椛とあえればHすることが出来ますが、昼休みにHしていた場合はこの時間帯にはそちらに進む選択が消えていてHできなくなっています。下校は、椛を待つか否かの選択があります。彼女と一緒に帰った回数というのもゲーム内でカウントされていますので、重要です。帰宅後には、食事する、風呂に入る、部屋で休むの選択があります。風呂に入る場合は、椛を呼び出すことが出来、やはりHすることができます。他の選択は椛以外のヒロインを狙うときに重要です。風呂に入る場合も、椛を呼び出さないこともできます。これも他のヒロインを狙う時に必要になってきます。夜は、自室に椛がやってきます。会話選択の後に椛とHするか、それとも何もせずに部屋にかえすか、添い寝させるかなどの選択が出来ます。これも風呂で椛とHしていた場合はHする選択はできなくなります。そして、深夜にゲームとは別の流れの独白モードに入ることができます。ここでは、主人公=プレイヤーではなく単にプレイヤーとなって、椛に今日はどんなことをされたのかとか、今までどれだけHな事をされたのかなどを聞き出すことができます。休日は学校にいく部分の流れがなく、椛と遊びにいくや家で勉強するかの選択がある以外はほぼ同じ流れとなります。
 朝の奉仕、体育倉庫のH、風呂でのH、自室夜のHでは椛のH経験のパラメタ(非表示です)によってできる選択が変わってきます。どんなことをやっても上がりますし基本的にはコマンドを多く発行すればするほど値は上昇していきます。このパラメタもエンディングに影響します。また、Hの際に膣内射精するか、それとも別の場所に出すかの選択がありますが、椛には妊娠したか否かのフラグも存在し、これによってもやはりエンディングが変わってきます。他の場所でのHは時系列に沿ってパターンが変わるようです。
 他のヒロインは、屋敷のメイド二人と下級生の3人です。彼女たちとのエンディングは1、2通りずつしか用意されておらず、基本的にそれぞれのヒロインと会うように進行させ、適切な選択を行えば見られるようになっています。
 システムは、設定できる項目は多くないですが、読み返し機能や音声の再再生機能、クイックセーブ/ロード機能もあり、動作もきびきびしていて合格です。ただ、なにかと不具合が多かったようで発売直後から半月程は2、3日に一度ごとに修正パッチが上がっていたのがちょっと辛い所です。これにより、一部の攻略データが無効になっていたようですし、場合によってはセーブデータが無効になったりしたみたいです。

 CGは、立ちCGとビジュアルシーンの差も少なく、枚数も多く、バリエーションも多く、かなり頑張ってると言えるでしょう。パターン違いは数えずに総枚数88枚、そのうち70枚程度がメインヒロインである椛のものです。別の会社の場合はパターン違いを数えてこの程度の枚数という場合もありますので、これらのCGのほとんどがパターン違いを内包している、要するにHシーンだということですが、そのことを考えるとかなりの物量だといえるでしょう。
 音楽は、デフォルトでの音声とのボリュームバランスが良いです。飛び抜けていいとは感じなかったのですが、ゲームの雰囲気には適合していたので、聞いただけで「ああ、このゲームだなあ」と思えるものにはなっていました。
 音声は、ヒロイン達のみフルボイスなのですが、質は良好です。メインヒロインの椛役は他社ゲームや一般向けのゲーム/アニメなどでも活躍されているメジャーな方なのですが、「またか」と思いつつもさすがの演技力には納得せざるを得ません。また、このゲームの特徴の一つなのですが主人公の呼称を お兄様」「ご主人様」「先輩」「和人様」の中から選択できます。もちろん任意に入力することも可能なのですが、先に提示した4つのいずれかを選択した場合は、その部分もきっちり音声つきで呼びかけてくれます。ときめきメモリアル2の様な大規模なシステムはなかなか作れないでしょうし、かといってデフォルトのみの呼称でもユーザは満足しないという状況にある程度歩み寄ったなかなか面白い仕様だと思います。

 こういうゲームですから、一応椛と普通に幸せになる方向のエンディングも用意されているのですが、最初の動機が動機なので、そういう方向性で進行させても主人公の立ち振舞いが変わる訳じゃないというのがちょっとはがゆいですね。まあ、このタイプのゲームではどれでも問題になる要素なんですが。
 物語と呼べるほどのものはありません。基本的に、椛もしくは他のヒロインとどう接するか、それによってどんな反応をするかを楽しむものだと思います。と言っても、椛には前述のとおりかなりの枚数のCGが用意されていますので、充分満足できると思います。ただ、コマンド入力できる回数の割には、テキストもCGも少ないと感じてしまったのですけど。

 不満点は、シーンの合間に挿入されるあまり意味のない時間表示ですね。マウスクリックで任意に送ることができないのに、それなりの時間の間表示されるというのが繰り返しプレイの障害となっています。まあ、スキップの最中に表示された場合はあっというまに過ぎ去るようにはなっているのですが……あとは、メニューなどの操作がゲーム中に右クリックして操作するものとメニューバーからのプルダウンで操作するものなど、場所によって操作できるものが違うのがちょっと混乱しました。基本的に全ての操作はメニューバーからできるようになっていて、右クリックで操作できたほうが便利なメニューのみそちらにも配置するというのが正しい形ではないかと思うのですが。右クリックで起動するメニューはいつでも選択できるわけではないのですから、せめて「タイトルに戻る」メニューくらいはメニューバーに配置しておいてほしかった所です。
 あと個人的には、もうちょっとH以外の椛のイベントも充実させてほしかったような気がします。

 1プレイの時間は、初回は10〜12時間程度でしょうか。椛とのHを避けて進めて良い他のヒロインのルートをスキップ気味に進めるのなら1時間もあればクリア可能です。
 お薦めできるのは、何もかも差し置いて椛の絵を見て気に入った人でしょう。CGの枚数はかなり多いので、彼女さえ気に入れば充分元をとれるのではないでしょうか。

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