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有限会社ロンドン☆スター〜恋のだぶる・くりっく〜

ジャニス/アイボリー JJN-008 Windows95/98版 18禁 恋愛シミュレーション
一押し:穂村優樹
 とらいあんぐるハートシリーズのIvoryの作品です。発売当初は未チェックだったのですが、そこそこ評価が良くてたまたま安く売られていたので買ってきました。

 主人公、藤井智幸(名前変更不可)は、姉と二人で暮らしている大学生。学業に特に問題がなかったので、年末からしばらくほとんど大学にいかなくてもよい状況になった智幸は、少しの間アルバイトする事にした。だが、それもなかなか見つからずにいた12月末の事。姉の櫻に、櫻の親友が社長を務める会社へのバイトを強制的に薦められる。断ろうにもすでに決めてかかって話を通してしまっている櫻。彼女に頭の上がらない智幸は結局その会社にバイトにいく事になる。その会社は、なんと女性ばかりのスタッフで18禁ゲームを作っている所だった。有限会社ロンドン☆スター、この会社でマスターアップまでの約2ヶ月間、スタッフの女性たちとの交流は智幸になにをもたらすのか。

 上にあるようにゲーム期間は、1月頭から2月末までの約2ヶ月間です。ゲームを開始すると、まずプロローグシナリオが始まります。ここで、いくつかの選択肢が現れますが、これによりゲーム開始時の主人公の属性が決定されます。なお、2回目以降はプロローグを省略できますが、同等の質問が最初になされ、属性設定を行うことになります。このゲームの基本はまずこの属性を狙いのヒロインの好みに合わせる事になります。
 ゲームの一日の流れは、朝〜出勤〜仕事選択〜選択〜仕事終了〜夜という風になります。基本的には、仕事選択とその後の選択のみプレイヤーの指示が必要になります。仕事選択は、どの仕事(ヒロイン)を手伝うのかを選択します。ゲーム開始時には「専属にならずに忙しい人を手伝う」というような説明を受けますが、攻略を考えると同じ仕事を続けるのが正しい進め方です。その後の選択は、職種に関らない仕事中の雑談イベントで、自分の考え、行動を聞かれます。これにより最初に決定した主人公の属性が少しずつ変化していきます。そうして、ある程度の時間が経つと仲のよいヒロインのイベントが発生するようになり、1月末くらいまでその状態を維持できれば、ヒロイン毎のシナリオに分岐します。また、土曜には櫻と話す事で自分の属性をはっきり確認する事ができます。この属性はゲーム中にも左上に表示されている日付の色とその背景の星の色で大まかに判別することもできます。日曜日は、休みですが特に用事がなければ何事もなく過ぎ去ってしまいます。

 システムは、右クリックからのサブメニューで操作するシンプルなタイプです。セーブやロードはいつでもOKですし、フォントの変更が可能です。聞き逃した音声をもう一度聴く為のリピート機能もあります。オートプレイというプレイ中にメッセージを自動送りしてくれる機能もあります。これは、文章の長さに関らず等間隔で自動送りをしてくれるので、使い勝手が良くないですが、一応自動送りの感覚を設定することはできます。私が不満だったのはメッセージの読み返し機能がなかったことと、メッセージスキップが既読判別でないこと、メッセージスキップがキーボードや画面上のボタンに割当たっていないこと、以上3点ですね。前二つは我慢しますが、メッセージスキップが右クリックしてから「選択肢まで進む」を選ばないといけないのは、ちょっと面倒です。後述しますが、このゲームの場合繰り返しプレイで重複するメッセージが多いので、頻繁にスキップ機能を使います。その分、スキップ回りの機能の不足が目立って感じられました。
 CGは、背景を含めて丁寧に塗られていると思います。キャラ絵は原画レベルではあまり特徴がないタイプだと思いますが、癖がなくてそれなりに万人受けするのではないでしょうか。枚数はヒロイン毎に10枚強から20枚弱程度で、ゲーム期間を考えると妥当な枚数でしょうか。ただ、パターン違いを含んでいるのでもうちょっと枚数が欲しかったように思います。
 音楽は、オープニングとエンディングに歌があります。ゲーム中のBGMはMIDIで演奏されます。ヒロイン毎のテーマ曲がいまいち印象に残らないのが残念ですが、いろいろなタイプの曲が揃っています。
 音声は、演技の面は問題なしですし、とらいあんぐるハートシリーズに出演されていた方が重複して出演しておられるので、非常に好みなのですが、残念ながらサンプリングレートが低めです。一部のシーンの声はかなり割れてしまっています。

 シナリオは、オンリープレイに特化しており、まずヒロインと主人公が仲良くなるまでを描き、そこで一旦何らかの事情で二人の関係が危うくなり、それを修復してハッピーエンド、という風な流れが用意されています。もちろん、ヒロイン毎に仲良くなる過程は違いますし、職種如何に応じて起こる問題も異なります。
 まあ、それらは置いておいて、このゲームで心地よいのは普段の仕事場での雑談だとか、通勤途中で出会った時の些細な会話、櫻との朝晩のやりとりなどの和やかな雰囲気でしょう。後者はそうとばかりも言えませんが、主人公と櫻の関係を楽しく描いています。もちろん、シナリオに関る部分もちゃんと表現できているのですが、それらの世界観を表現するやりとりのほうに魅力を感じました。ただ、残念なのはこれらのメッセージは数が限られていて、しかも重複出現のチェックがなされていないのです。ですので、1ゲーム中に同じメッセージを見る事がしばしばあって、それだけが残念でした。

 概ね気に入ったのですが、残念なのは私がゲーム開発会社を知ってるおかげで、「マスターアップ直前にそんな理由で飛びだしたら誰も追いかけてくれないぞ」みたいなイヤな見方をしてしまったことでしょうか。物語なんですから誇張されて当然なんですが、全体が割と自然な雰囲気を持っていたのでそういう部分の不自然さ、というか私にとっての違和感でしょうか、それを感じてしまいました。
 あとは、悪くないけど突出して勝れている部分がなかった点と、どうしてもとらいあんぐるハートシリーズと比較してしまう事でしょうか。それと、それほど18禁ゲーム会社という設定が活かされていない点でしょう。

 1プレイの時間は共通部分をスキップすれば2時間程度です。上に書いた通り、それなりにできてると思うけど、突出してる部分がないという感じです。お薦めできるのは、和やかな雰囲気が好みの人でしょうか。とらいあんぐるハートシリーズが好きな人なら、過大な期待をいだかなければ楽しめると思います。

DEEP

Selen Windows95/98/Mac版 18禁 凌辱調教シミュレーション
一押し:松本麻奈
 昨年に発売した時に、Hそうな雰囲気と童顔な緑の髪の女の子が印象に残っていたのですが、先日廉価改良版が発売されたので購入しました。このレビューはその廉価改良版をプレイしての評価となります。

 主人公は、とあるカクテルバーのマスター。この職は、年の離れた友人である鶴田という男に出資してもらって得たものである。ある梅雨の日、客足も途絶えて早めに店じまいしようとした主人公の前に、鶴岡雅史の秘書を名乗る男が現れる。彼は、鶴田(鶴岡)の秘書で彼の下に主人公を連れていく。鶴岡は、昔好きだった女の娘、鶴岡が好きだったその女にそっくりに成長したその娘を豪華客船に監禁して調教する計画を立てていた。だが、その計画をいよいよ実行しようとした矢先に脳卒中で倒れ、入院せざるをえなくなってしまった。そこで、鶴岡は彼のSMの師匠とも言える主人公に、その娘、美緒の調教をたくすのだった。主人公は、調教した暁には美緒を自分のものにするという条件の下に、その仕事を請け負った。豪華客船での25日の旅。この間に主人公は美緒とその連れの麻奈、途中で乗船してくる小夜子を奴隷に貶める事ができるのか。

 ゲーム期間は25日間です。1日は、朝と夜に別れていて、それぞれ一人のヒロインを調教する事ができます。ゲーム開始時は美緒と麻奈の二人ですが、進行するうちに小夜子がやってくるので彼女も含めて3人の調教を進めなくてはいけません。彼女達には、「体力」「理性」「恋慕」「口調教」「従順度」「あそこ調教」「快楽」「尻調教」「被虐」「SEX」「羞恥」「ASEX」のパラメタが設定されています。パラメタは0〜200までの値を取ります。また、調教コマンドは「愛撫」「フェラチオ」「バイブレーター」「尻調教」「SEX」「ASEX」「苦痛」「羞恥」「排泄」が用意されています。コマンドを選択すると、体力が減少して、対応するいくつかのパラメタが上下します。同じコマンドを入力しても、調教進度や従順度によって変化する量や内容が違ってきます。調教進度は、対応パラメタと従順度で求められ、それぞれのコマンドに対して縦に5段階、横に5段階のマトリクスが用意されています。これは縦軸が従順度を現しており、横軸がコマンドに対応する箇所の調教具合を現します。右下を中心とした半分にはイベントは存在しないのですが、調教が進むにつれ「開発されていないけど従順」「開発されているし従順」等の変化が見られるようになります。このマトリクスは、今のプレイで埋めた物以外に今まで見たことがあるかどうかが常に表示されていますので、これを埋めるのもこのゲームの楽しみの一つになっています。
 パラメタや、日付、時間帯や選択したコマンド如何により、特殊なイベントが発生する事もあります。それらも調教マトリクス同様どれだけ埋めたかを確認できます。エンディングも同様の仕組みになっています。
 ヒロインたちの体力は、一日が終了するとある程度回復します。体力を0にしてしまうとその時点でそのヒロインが倒れてしまい、調教は終了となってしまいます。あまりひどい事ばかりして痛めつけると、状態が変化して翌日以降に引きずることがあります。
 こうして30日を過ごして、最終日にあるイベントを越したか否かや、パラメタがどのくらいになってるかを見てエンディングが決定されます。エンディングは19と結構多いのですが、基本的には同じパターンのエンディングが3人それぞれに用意されているという感じです。

 システムは、それほど複雑ではありませんが、快適です。「Skip」「Skip2」というボタンがこのゲームの非常に遊びやすくしています。Skipをオンにしておくと、今までのプレイで見たことのあるイベントは全て自動的にスキップされます。Skip2をオンにすると、今回のプレイで見たことのあるイベントのみスキップします。他には音声のオンオフ、マトリクスのオンオフが選択できます。ヒロイン選択時はこれ以外にセーブロードや、Gmodeというボタンが選択できます。Gmodeとは要するにギャラリーモードですが、このゲームの場合、マトリクス一覧が表示され、その中の見たことのあるイベントを回想する事ができるようになっています。セーブロードは普通のダイアログを使って行う、自分でファイル名を付けていくつでもセーブできるパターンです。
 CGは、枚数は多くないですがパターン違いをたくさん用意してイベント毎にうまく差し替える事で飽きさせないようになっています。
 音楽は、監禁調教といった暗い怪しい雰囲気をかもし出すような物が多いですね。ゲームにはあっていると思います。
 音声は、初期の主人公を拒絶しようとする演技や終盤の堕ちきって淫欲に溺れる様など、バリエーション豊かなパターンをきっちり演じきっています。キャラの雰囲気と声のイメージのギャップも感じられませんでした。

 シナリオは……あってなきがごとしですね。基本的には、パラメタを上げてマトリクスを埋めてエンディングを探すのが楽しいゲームなので、変に固定の物語を作ってコントロールしていないのは正解だと思います。もちろん、最後のヒロイン3人の状態によって、相応の制裁を受ける事になったり、逆に3人を完全に手なずけてしまい、完全無欠のハッピーエンドになったりと、それなりのバリエーションのエンディングは用意されています。

 不満点は特にないですね。ゲームとして楽しめましたし、H度も高いです。ヒロインも3人、それぞれカバーする属性が違いますし。

 Skip2でプレイすると1プレイが3時間程度、マトリクスがあらかた埋まった状態でSkipで遊ぶと1時間もかからないのではないでしょうか。パラメタを操作するゲームが好きな人や、監禁調教というジャンルが好きな人にはお薦めできる秀作だと思います。

For Season.2〜うつりゆく季節、忘れない〜

戯画 Windows95/98版 18禁 育成シミュレーション
一押し:小沢美里
 シナリオはシンプルながらもパズル的要素と視覚的な育成モードが面白かった前作の要素を引き付いでの新作です。

 主人公松下幸介(名前変更不可)はそこそこ名の通った大学の学生。初夏のある日、暇を持て余してテレビを見ていた主人公の元に友人である金本慎一郎がやってくる。彼は前々から家庭教師のアルバイトをしていて、主人公にもそれを薦めていた。今まではそれを断っていた主人公だが、諸所の事情で5人の生徒を受け持つ事になってしまった慎一郎を助ける為にそのうち3人を担当する事にするのだった。担当する3人の女の子はみんな特徴的。主人公は彼女たちを無事大学に合格させる事ができるでしょうか。また、彼女たちが抱えている悩みを解消し、「いい関係」になる事ができるでしょうか。

 ゲーム期間は、7月中旬から翌年の1月の上旬までです。ゲームは平日の育成モードと休日の移動モード、それとその間に挟まれる準備モードに別れます。
 まず、準備モードですが、これがこのゲームの一番重要なポイントです。ここで、入手したMBRアイテムや勉強用アイテムをヒロイン達の机や背後の壁に配置します。MBRアイテムには、それぞれポイントが設定されており、これを配置すると1週間ごとに設定ポイントが蓄積していきます。そして、蓄積したポイントで勉強用アイテムを購入し、これも机や背後の壁に配置します。MBRアイテムは特定のイベントや前半の会話イベント、時間が経つと自然に入手できるものなどがあります。これらは一応ヒロイン達の持ち物なので、それぞれ誰のものかという表示はあるのですが、誰の所に置いても通常通りのポイントが支払われます。勉強を効率良くするめる為には、勉強用アイテムが必要です。しかし、最初は各教科の教科書しか持っておらず、他のアイテムを入手する為にはMBRポイントを貯めなくてはなりません。勉強アイテムやMBRアイテムは、それぞれ固有の大きさを持っており、同じポイントを持つモノでもできる限り小さなモノを置く、つまり整理整頓を徹底する事で効率良くゲームを進める事が出来ます。
 ヒロイン達には、国語、数学、英語の勉強レベルが設定されており、勉強を進める事でこれらを上昇させる事ができます。それぞれレベルは9まで上昇します。2学期の中間テストや期末テストの時点でこれらの合計レベルが一定値を越えていない場合、そのヒロインの家庭教師を首になってしまいます。私は見たことがありませんが、担当する3人のヒロイン全てから解雇されるとゲームオーバーになるのでしょう。ただ、今作ではこの制限さえクリアすれば問題ないようで、1月上旬時の成績というのは特に評価されないようです。
 育成モードは、前作と大幅に違っています。今作では、落ちゲー風の画面デザインがなされており、スーパーパズルファイターのようなゲームが展開します。ブロックは国語、数学、英語、雑念、消去の5種類です。前の4種類は落ちゲーのブロックと同等の扱いで、どんどん落下させられます。そして、落ちた場所で同じ種類のブロックと隣接するとくっつき、効果が大きくなります。これらがある程度溜まると消去ブロックが使用されます。これにより、2個以上くっついているブロックが消去され、その大きさに応じたポイントがレベルに加算されます。この時、主立って勉強している科目以外の得点はかなり少なくなるみたいですが、上昇しない訳ではないみたいです。また、雑念ブロックは現在主立って勉強している科目に対してマイナスに働きます。これらのブロックはNEXTという枠に表示されており、次にどのブロックが落ちてくるかは5つ先まで常に見えています。状況如何によっては消去ブロックは使用されずにストックされます。ストックしたからといって自由に使える訳ではなくて、それは要するにパスされた事になるのですが、それにより10%ずつ、最大150%までポイントの消去時の倍率が上昇します。ブロックの配置できる高さには制限(リミットライン)があって、これを越えてブロックを配置すると、現在フィールドに置かれているブロックは全て向こうになってしまい、一から積みなおしとなってしまいます。また、ブロックを置くたびに主立って勉強している科目のレベルは少しずつ上昇していきます。
 ……と、ここまでの落ちゲー部分は全て自動で行われ、プレイヤーは関与できません。プレイヤーが関与できるのは、事前に勉強アイテムとして、「消去ブロックを必ず使用する」「ブロックを低い場所から置いていく」「リミットラインを3つ下げる」等の効果のあるアイテムを置く事です。他に「NEXTを国語が先になるように並べ直す」とか「数学ブロックを右に整理する」等の効果のあるアイテムがありますが、これらは育成中にヒロインのキャラをクリックする事により任意に効果を発動させる事ができます。これらのアイテムは1週間中に固定の3種類しか使用する事ができませんので、このタイプのアイテムを3種類以上配置するのは無駄と言えるでしょう。これらのアイテムの発動によるペナルティは特にないみたいですが、3人を同時にリアルタイムで操作するのはかなり大変です。
 前作では、ティーブレイクアイテムを置かないと育成期間中の会話イベントは基本的に発生しませんでしたが、今作ではそれは全て自動発生になっています。
 休日モードは、午前と午後に別れていて、それぞれ1回ずつマップのいずれかの場所に移動する事が出来ます。この時どこにどのヒロインがいるかという表示はないのですが、彼女たちと遭遇できる場所はそれぞれ決まっていますから、特に問題はないと思われます。
 これらをこなして行き、ときどき出てくる選択肢で彼女たちに好かれるような選択をする事で、特定のヒロインと仲良くなる事ができ、そのヒロインを期間満了まで担当する事ができればエンディングを見る事ができます。
 また、今作も担当できる5人(6人)とは別に主人公をお兄ちゃんと慕う女の子が登場します。もちろん彼女も攻略対象です。

 システムは、軽快ではありますが、設定できる項目がいまいち少ないです。まずプレイした人全てがすぐにオフにするだろうメッセージアニメーション、あとはエフェクトのオンオフと、各種ボリュームの設定しかありません。また、このゲームは非常に珍しい操作系を持っています。なんとメッセージ表示中に右ボタンを押すとメッセージスキップがオンになるのです。他のゲームの様に迂闊にメッセージウィンドウを消そうとして右ボタンを押すと一気にメッセージが流れていって困る事になります。慣れれば便利だと言えなくもないのですが……ちなみに、メッセージ読み戻し機能はないですし、メッセージウィンドウ消去の機能もないです。イベントシーンのCGを邪魔されることなく堪能しようと思ったら、CG鑑賞モードにいかなければならないのです。また、そればかりかその時点でゲームを中断しようと思っても叶わず、ゲーム準備モードまで進めないと安全に終了する事ができません。この辺、なんとかして欲しかった所です。
 CGは、前作同様プロのアニメーターやアニメスタジオを起用しているおかげで、絵的な魅力も絵自体の出来も良好です。特にHシーンのヒロイン達の艶っぽい表情はいいですね。立ちCGとイベントCGの違和感もないです。ただ、ごく一部の立ちCGで背景と調和せず、ジャギが見えていたのが気になりました。CG枚数は、ヒロインが7人で145枚です。パターン違いも別CGとしてカウントされてますが、まあ、多い方なんではないでしょうか。
 音楽は、ゲームの雰囲気にあわせてポップな感じの物が多く、ちゃんとゲーム内容にフィットしていると思います。
 音声は……ちょっと弱いですね。声質が普通っぽい人ばかりで、且つなんか演技がいまいち馴染んでないというか。会話しているというより、文章を読んでいるという感が強いです。聞くにたえないというほど酷くないのですが、もうちょっと頑張って欲しかったですね。

 シナリオの方は、ヒロイン毎に家の問題であったりとか、彼女自身の性格の問題であるとか、ある程度の起伏はありますが、基本的に主人公に対してはいい子ばかりなので、シンプルに進行します。どちらかというと全体の流れよりも、個々のイベントを楽しむという方向性ですね。

 システム面で大きな不満がありますが、ゲームとしては楽しめましたし、ヒロイン達もみんないい子で気に入りました。育成部分の絵面は、前作のモノの方が頭が良くなっているという感じが目に見えて良かったかと思いますが、それ以外は概ね良い進化ではないでしょうか。

 あと、このゲームはちょっとだけインターネットに対応しています。1回クリアすると、タイトル画面にダウンロードボタンが配置され、これで接続されるページからパッチを取ってきて適用する事で、隠しヒロインとコスプレモードが利用できるようになります。とはいえ、これらのデータは最初からインストールされており、ダウンロードパッチはこれらを使用できるようにする為だけのものみたいです。

 1プレイの時間は5〜6時間程度。慣れて、一度見たところをどんどんスキップしていけば2〜3時間程度でクリアできます。お薦めは、もちろん絵が気に入った人、その他には整理整頓が好きな人ですかね(笑)。

DEEP/ZERO

Selen Windows95/98/Mac版 SLPR-003 18禁 凌辱調教シミュレーション
一押し:矢口沙織
 DEEP(以下前作)の続編です。物語が繋がっている訳ではなく、前作と同じシステムを使ったゲームという意味での続編ですが。今作は最初から廉価な値段で提供されています。

 主人公石黒隆(名前変更不可)は、過疎地区丸木戸に診療所を構える医者である。都市の大きな病院から望まずしてここに異動させられた主人公は当初はそれを嘆いたが、現在はここでの生活を楽しんでいる。住民は自分を慕ってくれるし、唯一の看護婦である矢口沙織は有能な助手として、そして忠実な性奴隷として存分に働いてくれる。そんな中、沙織の後輩看護婦がこの診療所に赴任することになった。主人公は、気の強いという、その新人看護婦飯田瞳を沙織同様性奴隷に調教することを計画した。そして、瞳の赴任したその日……

 ゲームの期間は30日。前作の様にイベントマトリクスが用意され、それぞれに対応したコマンドがあり、そしてパラメタがある、そんな感じです。前作と違う点は、このゲームで調教の対象になるのは飯田瞳だた一人です。沙織はすでに調教済みですので、イベントで登場する事はありますが、基本的に瞳を調教することになります。ですので、このゲームは一日の時間帯はありません。コマンドは、「愛撫」「フェラチオ」「バイブ」「セックス」「アナル拡張」「カテーテル」「浣腸」「身体検査」の8コマンドが最初から選択できます。また、プレイ中条件を満たす事でコマンドがいくつか増えます。調教マトリクスは前作と違い、上と右上だけでなく、右方向にものびています。これにより、前作では存在しなかった「心は開いていないが身体は感じてしまっている」という状況が発生しました。また、コマンドごとにマトリクスの形が違っています。よりバリエーション豊かな調教が出来る訳ですね。瞳のパラメタは、「体力」「精神力」「従順度」「抵抗心」「快楽」「変態調教」「口調教」「あそこ調教」「アナル調教」「レズ調教」の10個です。これらはそれぞれ0〜99の値を取ります。前作ではヒロイン達は体力が0になるとダウンしてしまいましたが、今作では体力と精神力のいずれかが0になるとダウンしてしまいます。調教コマンドによって、それぞれの減少値は違いますので、うまくコントロールしないといけません。
 また、主人公には表示されませんが、体力というパラメタが用意されており、それぞれの調教コマンドに体力消費度が設定されています。これが一定値を下まわると主人公はその翌日の調教を休んで、かわりに沙織を瞳にからませるイベントが発生します。また、瞳の体力、精神力は前作では毎日一定値だけ回復しましたが、今作では調教終了時に残っている値が多いほどたくさん回復するという風になりました。つまり毎日体力、精神力の限界まで調教を行うと回復もあまりしないということですね。これと前のレズ調教のタイミングを考えてコマンドを入力していくという、見えにくい調整が重要になっています。

 システム的な点では、まずスキップモードが3つになった事が挙げられます。SKIP1は強制全スキップ、SKIP2は今まで見たことのあるイベントはスキップ、SKIP3は今回のゲームで見たイベントはスキップという風になっています。またPSKIPという機能もつきました。前作では、調教結果はコマンド入力画面に戻ると参照できなくなりましたが、今作ではコマンド入力画面の左下に常に前回の調教効果が表示されています。ですので、これのみを活用する人の為にPSKIPがあります。これをオンにすると、調教コマンド後の結果表示がオフになります。CGモードや、音声のオンオフ等の基本的なボタンも完備しており、前作ではキーボードのみの操作となっていたフルスクリーン切り替えもマウス操作で行えるようになっています。

 前作同様非常に快適に遊べます。たださすがに調教対象が3人から一人に減っているぶん、物足りない感はありますね。病院という場所を活かしたイベントや調教済みの沙織を絡めたイベントなど面白いものもあるのですが、やはり絶対的な量の差は埋められなかったみたいです。その分値段が安いのだといわれると納得せざるをえないのですが。また、エンディングの数が5つというのもボリューム不足を感じさせる原因になっていると思います。

 また、今作はメーカーページに公開されている差分を適用する事で、ネットワークランキングに参加できたり、主人公のパラメタを設定してプレイに望むバージョン1.5にアップグレードできたりします。

 システムは前述している通り、快適で不満点はありません。ちょっと起動に時間がかかる割に、スプラッシュも何も表示しないというのだけが気になりましたが。
 CGは、前作同様枚数というより差分が多いです。塗りなどは問題なしです。
 音楽、およびテーマ曲はI'veの手によるもので、かなりのクオリティです。が、私はI'veサウンドはそろそろ飽きてきたので、あんまり印象に残っていません。
 音声、瞳の声優は、最近18禁ゲーム各方面で大活躍しておられるダイナマイト☆亜美さんです。声質、演技ともに満足の行くものでした。

 定価が3980円と安いので、物理的に足りないと感じる部分も我慢しないといけないのかなあ、と思わされるところがあります。値段とのバランスを考えれば充分以上にコストパフォーマンスの高い製品だといえるでしょう。
 プレイ時間はSKIP3でプレイすると3時間程度、SKIP1なら1時間かからない程度でしょうかね。前作とほぼ同等です。お薦めも同様ですね。ただ、今作は看護婦好きな人っていうのも対象かもしれません(笑)。

Parallel Harmony〜月曜の扉は水曜の向こうに〜

シーズウェア Windows95/98/2000 Professional版 18禁 アドベンチャー
一押し:宇佐未見美
 メーカーサイトに公開された情報を見て、多大な期待を持っていた作品です。その後に体験版を遊んで、コミカルなドタバタ劇という事前の予想がはずれず、期待が倍増しました。

 都内某所の鳴尋学園に通う浅賀真也(名前変更可能)は、ある秋の日の放課後、学園の「扉」の前で待ち合わせをしていた。「扉」とは、3階にある「月曜の扉」と呼ばれている、その先に部屋も何もない、当然開く事もない、なぜこんな所にあるのかわからない「扉」。同じ水泳部のマネージャーである後輩の野々村さやかに告白しようと、彼女を呼び出していたのであった。約束よりかなり早くついて、そろそろ約束の時間かと思ったその時。その先に何もないはずの扉から異音が発し……次の瞬間開いた扉に弾き飛ばされた主人公の上には、変わった和服を来た女の子が座り込んでいたのだった。
 扉の向こうは明治時代に似た別のパラレルワールド。扉の繋がった鳴尋女学園の生徒たちとの交流、ドタバタ、大事件の連続。主人公は無事さやかに告白する事ができるのか、それとも……

 ゲームは、アニメ風に?話で構成されたオーソドックスな選択式アドベンチャーです。アニメ風というのは、要するに各話のタイトルがあって、アイキャッチがあって、最後に次回予告があって、という構成ですね。通常のコマンドは、メッセージウィンドウに表示され、これを選択する事で実行します。また、コマンドが多い時は、メッセージウィンドの左に「話」「見」等のタブが表示され、これを切り替える事でコマンドを切り替えられます。また、ときどき画面中央にいくつかの選択肢が表示される事があり、これを選択する事でヒロインの好感度が上下したり、話が分岐したりします。好感度という言葉が出ましたが、このゲームのヒロインにはそれぞれ好感度が設定されています。これは、ゲーム中にいつでも参照する事ができます。この画面が、「笑点」風に好感度に応じた枚数の座布団の上にそれぞれのヒロインが座っているという絵になっていてなかなか面白いです。また、Hシーンはクリックタイプになっています。
 最初に?話と書いたのは、一部のヒロインの話はその話の一つ前の話が終了する前に一定の好感度を得ていなければ発生しないからです。つまり、ゲームの進め方如何で話数はかなり変わります。
 システムメニューは画面右端に隠れており、タブだけ見えています。ここにカーソルを合わせるとメニューが表示されます。メニューからは前述の好感度一覧やメッセージの読み返し等が選択できます。セーブロードも任意です。読み返しがあるのはいいのですが、メッセージスキップの機能がキーボードのみで、且つCTRLを押しっぱなしというのはちょっと考えて欲しかった所です。

 システムは比較的軽いのですが、別画面を呼び出す時に非常に時間がかかります。特に一度に表示される訳ではないのですが、100個の枠が用意されるセーブ/ロードメニューは、私の環境で開くのに10秒近い遅延がありました。分岐はそれほど複雑ではないので、あまり頻繁にセーブロードする訳ではありませんが、ちょっと辛いです。
 CGは、表情豊かな原画、それを活かした塗りなど非常に満足の行く出来です。Hシーンも扇情的な表情や構図など、ぐっとくるものがありました。また、このゲームは立ちCG以外にカットインCGを背景に重ねる事が多くあり、これに表示されるデフォルメされたキャラたちの絵柄も楽しく、にぎやかでゲームへの感情移入を促進してくれました。
 音楽は「明治時代みたいな」という前提があるので、ちょっとレトロな雰囲気のムーディな曲が多いです。曲自体はそれぞれ格好いいのですが、ちょっとそれぞれが主張しすぎてシーンと剥離してると感じる事が少しありました。
 音声は、キャラと声のギャップも感じず、演技も良く、またそれぞれの声質自体も特徴的で印象深かったです。主人公以外の男性キャラ達もフルボイスで、こちらの音声もイメージを損ねずいい仕上がりになっています。気になったのは、雛綺というヒロインが設定上「京都弁」を話すことがあるのですが、これのイントネーションがめちゃくちゃで変だったことですね。これさえなければ音声は満点といっても良い出来だっただけに残念です。

 このゲームはシステム的な特徴はありませんが、キャラの魅力とテンポの良い会話が非常に魅力的です。割と登場キャラが多いので、会話が冗長になりがちと思っていたのですが、そんなこともなく非常にテンポ良く進行します。また、前述したキャラのカットインのおかげでイベントCGが用意されていなくても場面が想像できることも大きいです。
 それぞれのヒロインの性質を説明する話にきちんと容量を割いている構成も良いです。おかげで誰一人として、忘れ去られるヒロインがいません。キャラの多い話だと声の大きいキャラだけが目立ってしまう傾向があると思うのですが、このゲームはその辺のバランスもこの構成のおかげでカバーできています。
 Hシーンも各ヒロインとそれぞれ2回ずつとハーレムエンドの合計15個が用意されていて、それぞれ全体的なイメージに比べるとかなり濃いめのものとなっています。

 おまけモードには、CG鑑賞、Hシーン回想、音楽試聴などの一般的な物の他に、ゲーム中で使用されなかったCGを壁紙としてインストールできるモードもあります。CGモードでも、各CGをBMPファイルでセーブする機能がついていますので、お気に入りのCGを簡単に取り出す事が出来ます。また、この機能もサムネイルをページ単位で指定できたり、パターン違いのCGもちゃんと保存してくれるなど、かなり親切な作りになっています。

 ほとんど誉めっぱなしのレビューですが、とにかく私はこのゲームを非常に気に入りました。一押しキャラも1位グループと2位グループにこそ分けれても、それ以上の順位付けはできないと思えるくらいヒロインたちに感情移入もしています。
 1プレイの時間は、10時間程度でしょうか。コミカルな学園ものが好きな人、に限らず、スラップスティックが好きな人にはお薦めできると思います。絵柄でもストーリーでも、興味を惹かれる点があったらぜひプレイして欲しい1本です。

かえで通り -brandnew days innocent-

inspire Windows95/98/2000/Me 18禁 ノヴェルティックADV
一押し:俟野あかり
 クリアするしないは置いておいて、常に買っているinspireの作品です。今作は、独特のシステムながらも世界観とキャラが非常に気に入ったdays innocent(以下前作)の続編と言うことで、期待してました。

 主人公(名前変更可能)は、卒業をひかえた公立大学の学生。ある時、付き合いで出席したコンパで知り合って以来何かと接点のある、後輩「琴平睦月」に彼女の地元での夏のアルバイトに誘われる。彼女の卒業した学院の図書館の整理を手伝うというそのバイトは、特に魅力的なものと思えなかったが、睦月の「会わせたい人がいる」という言葉に気になるものを感じ、主人公はその申し出を受ける事にした。そして、夏になり主人公は彼女の生まれ育った山間の小さな町にやってくる。そこで出会う素朴な、純粋な少女達。そして、睦月の言った会わせたい人である、彼女の姉の佳澄。主人公と彼女たちの交流はそれぞれの心にどんな変化をもたらすのか。

 プレイ期間は7月下旬からの約1ヶ月間です。お願いされたアルバイトは週に3日出勤する事になっています。余裕のあるあいだは選択が出来ますが、サボれなくなると自動的にアルバイトに出勤するように調整されていますので、特に難しく考える必要はありません。アルバイトに行かない日はそのまま外出するか、神社に向かうかを選択できます。神社に行くと佳澄に会う事ができます。仕事が終わったり神社でのイベントが終わると、移動モードになります。朝から移動した場合も同様です。これは全体マップから任意の場所を選ぶ形ではなく、場所から場所へ点を伝っていくような移動をしなければなりません。また、このゲームでは特定の場所に移動する事で起こるイベントというのがほとんどありませんので、あまり移動するメリットもありません。また、一日は午前、午後、夕方に別れておりそれぞれのタイミングで一度ずつ移動する事ができます。時間帯を進めるには家に戻って時間を進めなければなりません。約束したイベントや自動的に起こるイベントなどは、それに合わせて自動的に動いたり普段見かけない選択が表示されたりしますので、見逃すことはないでしょう。
 お話の流れは2通りあります。プロローグの最後にこの1ヶ月間、居候させてもらう家を決める事になるのですが、ここで選択した家に住んでいるヒロインとの物語と、佳澄との物語です。佳澄とのお話が先行して進みますが、彼女と仲良くなりすぎないような選択をする事によって、他のヒロインの話に進みます。といっても、完全にばらけている訳ではなく、途中までは完全に平行して進むのですが。
 ここまで書いた様にシステムはかなり前作と違っています。前作には存在しなかった会話中の選択肢も存在しています。これにより、ヒロインとの関係を決定的に変えることもできるので注意深く選択しなくてはなりません。
 逆に前作と同様のシステムも組み込まれています。前作で面白いと思った位置関係を想像させる顔アイコンによる会話シーンです。今作では、顔アイコンをさらに表情変化させる事でより臨場感のある雰囲気を感じとる事ができます。また、他のゲームでよくあるような立ちCGを表示する形で進行するシーンもあります。

 システムは独特ですが、メッセージスキップは軽快ですし重さを感じさせることはありません。とはいえ、会話シーンの形式上バックログは難しかったのか、それは搭載されていませんし、既読制御もなされていません。細かいシナリオ分岐はほとんどないようなので、高速なスキップだけで用は足りましたが、やはり出来るものならこのあたりの機能は完備して欲しい所です。
 CGは前作同様ちょっと少なく感じますね。ただHシーンではinspireが最近良く使う演出である、1枚のCGの部分アップでうまくテキストと絵の同期を図っています。絵自体は……ambience以前に比べるとだいぶ絵柄が変わってしまったような印象を受けます。瞳の塗り方が変わったのでしょうか。個人的には前のもの方が好みですね。今作は続き物な訳ですから、できれば前作と絵柄は統一して欲しかったです。背景は前作同様美しく細かい書き込みです。今作ではオプションで地面に流れる雲などの影を投影する事が出来て、よりリアルな風景を見る事ができます。
 音楽も前作同様、シンプルな旋律や環境音的な包み込むような曲などが心をなごませます。

 シナリオは、前作からそれほど時間も経っていないということで引き続き登場するキャラ達は変わっておらず、再びこの山間の優しい町に戻ってきた、という感覚を味わえます。前作と違って主人公という存在があってそれが男性なために、前作でキャラを気に入った人には満足の行く結末が得られる内容となっています。ただ、Hシーンを見る選択をするとグッド(バッド?)エンドなのか、スタッフロールなしでゲームが終了してしまいます。Hシーンを見ない選択をするとスタッフロールと最後のCGが見られますのでやはりこの優しい世界観には、お互いの気持ちが確認できたからといってすぐに抱き合うというのは「正しくない」という事なんでしょうかね。
 前作の数年後という設定の話ですが、前作のメインヒロインである中司楓は登場しません。彼女がその後どうしているのか、どうなったのかは一部の物語の中で語られます。かなり大きな前作のネタバレ、というか前作のプレイに影響する内容ですので、シリーズ未プレイでこのゲームに興味を持った方は、ぜひ前作からプレイしてください。

 1プレイの時間は5時間程度でしょうか。2回目以降は共通部分を飛ばせばだいぶ短縮できると思います。
 移動シーンがほとんど無駄な事をのぞけば、おおむね気に入りました。とはいえ、前作をプレイしてこの世界観を気に入った人にしかお薦めしませんが。逆に前作をプレイしてこちらをどうしようか迷っている人には文句なくお薦めです。

とらいあんぐるハート3〜Sweet Songs Forever〜

JANIS/Ivory Windows95/98/2000/Me JJN-010 18禁 アドベンチャー
一押し:神崎那美
 口コミでブレイクしたとらいあんぐるハートシリーズの最新作にして、シリーズ最終作です。今作もとらいあんぐるハート(以下〜1)からとらいあんぐるハート2〜さざなみ女子寮〜(以下〜2)と同じく舞台は海鳴〜風芽丘ですし、ヒロイン達も既出作の設定を引っ張っているものもいるようなので大変楽しみにしていました。

 主人公高町恭也(名前変更不可)は、私立風芽丘学園に通う3年生。幼いころになくなった父の教えを守り、父の師範していた武道「小太刀二刀御神流」を妹の美由希と共に極めるべく修行を続けている。高町家には、母の桃子、美由希の下の妹のなのは以外に、居候の鳳蓮飛(レン)、城島晶、フィアッセ・クリステラ等の家族同然の人が集う。そして、新学期になり新たな出会いがある。平和に流れる毎日に新しい風が吹き込む。その微妙な変化はこの海鳴で過ごす優しい人達にどんな影響をもたらすのか。

 ゲームのシステムは、今まで同様途中で移動パートの挿入されるアドベンチャーです。移動パートは「誰がどこにいるか分かっちゃうシステム(DDWS)は健在!!」ということで、既出作同様、移動で困ることはありません。また、どのくらい移動したらその時間帯が過ぎ去るのかを示した行動力メーターのようなものが用意されています。現在進行中のヒロインだけを追いかけている場合はあまり関係ないのですが、ちょっと寄り道する際に参考になります。他に今回導入されたシステムとして選択肢の時間制限があります。いわゆるサクラ大戦のLIPSのようなもので、時間が経たないと表示されない選択肢なども用意されているようです。ただ、これはオプションでオフにすることもできて、その場合は時間が経つと表示される選択肢は最初から表示された状態になります。のんびりプレイしたかった私は最初からこれをオフにしてプレイしていました。
 セーブロード周りも非常に優秀です。メニューバーから可能な通常のロードセーブ以外に、メッセージウィンドウ横の青と赤のボタンで出来るクイックセーブ/ロード、そして強力な10個まで履歴の残る選択肢直前オートセーブです。これのおかげで変な選択を躊躇なく行えます。ただ、これがマップ移動画面の直前に働かないのがちょっと残念ですね。そこまでやってくれれば完璧だったのですが。
 メッセージのバックログ機能や既読管理もばっちりです。特に既読管理は未読かどうかを目で確認できるサインが用意されているのが良かったです。バックログ機能では私のところではうまく働きませんでしたが、ホイールにも対応しているそうです。

 〜2でもそうだったのですが、今回もストーリーは二人一組で最後にそれぞれに分岐するというような形になっています。今作では開き直ったのか、第2部の項目名が例えば「美由希・フィアッセ」となっていたりしています。当然その二人のシナリオでは重複部分が多くなりますので、先にプレイしたヒロインの方が文章をちゃんと読んでいるぶん印象深い、何てことがあるのがちょっともったいないですね。ただ、早い段階でそういう方向に分岐する為に、〜2だとたくさん挿入された全員共通イベントのようなものもそれぞれの流れにあわせて書き起こされていて、たくさんのイベントが読めるようになっているのは歓迎です。

 システムは、前述したようにかなりユーザフレンドリーです。とはいえ、不満がないわけではありません。例えば既読スキップを行っていて、未読文章に辿り着いた直後の1文の音声が発音されない事です。音声も含めてよくできたゲームだと思うだけに、こういうところで音声を聞き損ねてしまうのは非常にもったいなく感じます。せめて、バックログに音声再生機能がついていれば良かったのですが、それもありません。他に気になったことといえば、〜2では出来た記憶のあるフォントの変更ができない事です。デフォルトのMS明朝で延々進行するのですが、パッケージ裏の画面写真を見るとゴシック体で表示されてるんですよね。せめてデフォルトはゴシックにしててくれれば良かったのですが。
 CGは、絵柄は〜2と同等ですが塗りが非常に丁寧になっているように思えます。立ちCGとイベントCGに差を感じさせませんでしたし、背景も美しいです。また、ツールで覗いて気付いたのですが立ちCGの数がとんでもなく多いです。各キャラについて複数の服が用意されていてそれぞれに対してかなりのパターンの表情が用意されている為なんですが、やはりこういう所に物量を投入しないと丁寧なゲームにはならないよなあ、と今さらながら実感させられました。
 音楽は、〜2と同じ方の作曲ですが、演奏方式はMIDIからDirectSoundのPCMに変更になっています。曲自体はいろいろなものが用意されていて悪くないのですが、音の要素のサンプリングレートが低いのか、音楽に常にノイズが乗っています。ヘッドフォンなどで聞いていると非常に耳ざわりです。こんなことになるくらいならMIDIでやってくれたほうがよかったのに、と思ってしまいます。また、3曲ある主題歌は最近流行のI'veによるプロデュースです。発表当初は流行ものに迎合する姿勢を感じてしまって批判気味だったのですが、やはり水準以上のものは仕上げていますね。今でもお店でこのゲームの主題歌が流れていると足を止めてしまいます。ただ、〜1や〜2の声優さんに歌ってもらっている味のある歌も1曲くらいあってもよかったんじゃないかと思いますね。
 音声は、既出作に出演された方がほとんどですが、長崎みなみさんや児玉さとみさん等の、他社のゲームで有名な人も参加されています。ちょっと、いやかなりレンの関西弁が怪しいのが痛いですが、キャライメージと音声イメージのギャップは感じませんでした。ちょっと〜1や〜2のキャラのイメージを引きずってしまう所はありますが、割と出番の多いヒロインを前述の二人にするなどして、うまくカバーしていると思います。
 あと、オープニングムービーがありますが……歌は良いですし、所々の演出もよいのですが、どうも歌にあわせて冗長な所があったり、そもそも画質が汚すぎるのが辛いですね。必須環境にCD-ROM4倍速以上と書いていますから、転送レートを600KB/sで納めようとしたのでしょうか。せめて見られるユーザの為に高画質のものも同時に添付しておいて欲しかった所です。

 シナリオは、主人公が剣士であり、最終的に何かと物理的に戦うということが多いために、〜1や〜2とはちょっと雰囲気が違っています。主人公が違うので当たり前といえばそれまでなんですが、ちょっとシリーズのファンが望む方向性とは違うのではないのかな、という気がしました。とはいえ、にぎやかな日常描写などは〜2譲りですし、お互いの気持ちを確認してからのHシーンの連続も同じです。
 ただ、これはゲーム期間が短い為か、主人公とヒロインが結ばれて周りに公認されて冷やかされるというような描写が少なかったのも残念な所です。〜2では、この辺がヒロインキャラ以外の個性を引き立てていて、非常に良かったのですが。
 また、主人公の性格がちょっと年齢(もちろんはっきり描写されていませんが)の割に達観しすぎている感があるのも違和感がありました。何度も書いている通り、剣士として修行をしている為にそういう風になったのかもしれませんが、〜1、〜2の主人公共に女の子と間違われるくらい可愛かったり、人並み外れて大きくて料理が上手かったりしても、あくまで普通の人だったから感情移入しやすかったのですが、今作の主人公はちょっと理解できない所がありました。

 ……と、いろいろ文句を書いていますが、最終的に非常に楽しめたのは確かです。繰り返しプレイに快適なシステムもそうですし、メッセージ、音声、立ちCGによるキャラ立てもそうです。一人のヒロインのシナリオに分岐しても、周りの人間がちゃんとそれぞれの役割を果たしている所もそうです。

 おまけシナリオも2本収録されていて、そちらも片方は切なく、片方は馬鹿馬鹿しくも楽しめました。CG鑑賞モードは、差分CGの枚数も同時に表示されていて、それを含めてコンプリートしたい人に親切になっていますし、それらの取り損ねそうなもののほとんどはH回想モードで取り返せます。
 ちらっと書いていますが、〜1や〜2の一部のキャラも音声と立ちCG付きで登場します。時間的には〜1の5年後くらいでしょうか。ですので、それに登場したキャラは相応に成長していたり、新たに仕事をしていたりしますが、それはそれで懐かしいキャラ達が幸せに生きているのを感じられて良いです。

 1プレイの時間は、10時間程度でしょうか。個人的な評価では〜2や〜1に一歩譲りますが、それでも充分お薦めできる良作だと思います。シリーズ未プレイの方はぜひ既出作も含めてプレイして欲しい作品ですね。

CANVAS〜セピア色のモチーフ〜

F&C Windows95/98/2000/Me 18禁 アドベンチャー
一押し:桜塚恋
 いつぞや原画屋さんが大量流出してから迷走しているF&Cですが、今作は久々に絵の力だけで買わせてしまうようなパワーを感じ、購入決定としました。

 主人公は、絵の力を買われて特待生として学園に通う学生。だが、主人公は、学園に請われるままに描きたくないモノまで描き続けないといけない現状に嫌気がさし、次第に絵が描けなくなっていた。そして、そんな状態を見かねた学園長から次のコンクールで結果を出せない時は特待生資格をはく奪するという最後通告を受ける。それでもなお、絵を描く事を拒む主人公。それを心配する妹のような幼なじみ、幼い頃に些細な事でケンカしてそのまま別れてしまった隣りのお姉さん、父親の再婚によって突然できた義理の妹、幼い頃の約束をかたくなに信じて跳び続ける少女、主人公が絵を描けないのは呪われているからだと告げる先輩。そんなヒロイン達との交流は主人公の絵への意欲を取り戻すきっかけとなるのか。また、彼女たちが抱えた問題は解決するのか。

 ゲーム期間は、10月10日からの約1ヶ月程度です。進行はごくオーソドックスな選択型アドベンチャーで、移動なども全て選択で行います。基本的に一日が始まるとまず主人公はヒロインの一人である橘天音を起こしに行き、彼女とともに登校します。続いて昼休みになり、誰に会いに行くかを選択します。そうして選択したヒロインと昼休みを過ごした後は、放課後になり、その時間をどう行動するかの選択になります。ここではヒロインの名前を選択する訳ではないのですが、それぞれの選択肢はほぼヒロインに対応していて毎日同じ選択をしていれば問題がないようになっています。休日も約束がなければ同じような構成になっています。例外なく、お目当てのヒロインにべったりくっついて行動するのが吉です。もちろん、それ以外のタイミングでもイベントが挿入されることはありますし、それぞれの会話シーンの途中に選択肢が出現することもあります。一つの選択で致命的な分岐をすることはないようですが、どうも好感度蓄積型になっているようで、好き勝手な選択をしていても先に進める訳ではないようです。
 セーブロード周りはF&Cのゲームらしく非常に優秀です。メッセージウィンドウにボタンが用意されているクイックセーブ/ロードは5つまで履歴が残り、最新セーブがひと目でわかるようになっていますし、それぞれの日付や時間も表示されます。それ以外にも一日の始まり毎に行われるオートセーブは20個の履歴が残るようになっています。ゲーム期間が1ヶ月程度ですから、失敗してもほぼ狙ったところからの再プレイが特にセーブを意識せずに可能となっています。もちろん通常のセーブロードもあります。これも20個の枠が用意されています。とはいえ、トップメニューからオートセーブやクイックセーブのデータをロードする事も可能なので、ほとんど使う事はないと思います。私はコンプリートするまでに結局7つしかセーブ枠を使いませんでしたし、人によっては全く使わなかったというのもあるのではないかと思います。
 既読管理とスキップ機能はしっかりしています。既読スキップ中に未読テキストに遭遇してもトリガは解除されず、読み進めて再び既読メッセージに辿り着くと自動的にスキップを継続します。また、選択肢をまたいでも同様です。バックログ機能がないのは残念ですが、快適なスキップとオートセーブでなんとかカバーできると思います。

 ……と、操作系には特に不満はないのですが、ちょっと動作が緩慢です。例えばメッセージスキップの為のボタンを押して既読スキップを選択しようとしてもカーソルの表示が妙に遅いです。セーブロードの枠にポインタをあわせた時のサインも同様です。これらは私のPCが遅い事が影響してるのかもしれませんが、決して重い処理だとは思わないので、もうちょっと軽くして欲しかった所です。また、オープニングムービーがかなりの環境でコマ落ちするようです。AVIファイルで収録されているので、それをメディアプレイヤーなどで再生すると問題ないのですが、ゲーム中は他の処理にCPUパワーを食われているのか、かなり荒い再生になります。単純にCPUパワーで解決するには、PentiumIII850MHzではダメで、Athlon 1GHzなら大丈夫という報告がありました。単純に再生するだけなら、PentiumII300MHzでも問題ないのですから、これもどうにかして欲しかったですね。
 CGは、イベントCGに限らず立ちCG等も含めて全体的にソフトフォーカスがかかったような表現になっています。やり過ぎかとも思えますが、1枚1枚はとにかく美しいです。原画は3人の方が担当しておられますが、これらが混じり合う事の違和感は感じません。全体的に「さすが」と言えるレベルであることは確かでしょう。
 音楽はやはりF&Cらしく、GM音源、SC-55、SC-88、FM音源、XG音源、CD-DAから一つを選んで再生できます。MIDIを選んだ場合でも、エンディングの歌はCD-DAで再生されます。ヒロイン毎のテーマ曲などは、イメージを損なわない内容になっています。オープニングソングのゴージャスな感じがかなりお気に入りです。
 音声も固い出来ですね。キャラ毎に違和感を感じさせずに、かつそれぞれの演技も問題なく。今までの同社作品に出演された方も幾人か出演されておられますが、特に他のキャラとイメージがかぶったと思うことはなかったです。

 シナリオは……ヒロインによってずいぶん印象が違います。脚本を書いた方が違っているからなんでしょうけど、一部のシナリオはちょっとプレイしていて辛かったです。全ての流れの序盤は、それぞれのヒロインといちゃいちゃべたべたこっぱずかしいくらいに仲良くしていて、その辺はまあ微笑ましくも楽しんでいたのですが、主人公の絵に対する問題が大きくなるとそれが豹変します。一部のシナリオでは、ヒロインとの約束をかなえる為に自分も頑張って絵を描こうと努力し、そして満足のいく絵を完成させるという爽やかな流れになるのですが、モノによっては今まであれだけいちゃいちゃしていたヒロインを突然拒絶し傷つけ、さんざん振り回したあげく元の鞘に戻るというような自分勝手な流れになってしまいます。それまでプレイヤーの望むように行動していた主人公が突然思い通りに動かなくなるのは、ゲームとしてどうかと思います。そういう流れでないと起伏が付けられないというのなら、そこで選択肢を設けて起伏はなくとも幸せに流れるルートを用意してもいいんじゃないでしょうか。そうでなくては「ゲーム」でないと思うのですが。

 と、苦言を述べていますが、ヒロインのキャラの立て方は非常にうまいです。それぞれのヒロインはそれぞれの個性を保ちながら非常に可愛らしく存在感があります。そんなヒロインだからこそ、主人公が勝手に拒絶するのが受け入れがたいのですけどね。

 1プレイの時間は8時間程度でしょうか。重複部分が多いので、2回目以降は4〜6時間程度に縮小できます。
 久々に主張めいた事を書いてしまいましたが、絵も音楽も声もキャラも好きなのに、一部のシナリオが納得いかない、それだけの為に評価を落すのはもったいない、と思えたからこその進言だったりします。
 ともかく、絵を見て気に入ったなら買ってもいいんじゃないでしょうか。全体的な出来は良いと思います。ドリームキャスト版の発売もアナウンスされていますので、Hシーンが不要だと思える方はそちらを待ってもいいと思います。

星空☆ぷらねっと

D.O. Windows Me/98/95 DCD-00391〜3 18禁 マルチエンディングアドベンチャー
一押し:星見瞳
 事前チェックはしていましたが、特に思い入れがあった訳ではなかったので、年末のラッシュに流されて買い損ねていたゲームです。その後の購入者の話を聞いていると、不満らしい不満を聞かないなかなか高い水準でまとまったゲームらしいので、年末年始で新作がなかったこともあってチャレンジする事にしました。

 主人公、今村正樹(名前変更不可)は学園の2年生。ここ天美市には7年前まで住んでいたが、とある理由でしばらく離れていて、昨年一人で戻ってきた。だが、それぞれが別の時間を過ごしていた幼なじみ達は再会しても同じようには付き合えなくなっていた。そんな中で1年を過ごして2年生に進級した4月。同じく天美市を離れていた幼なじみの星見瞳が天美市に戻ってきた。かつて内向的だった彼女は「次に会う時は笑ってるからね」という約束をしていた。そして、彼女は笑って現れた。次に約束を守るのは主人公の番。そして、固まっていた時間は流れ始める。主人公の夢に向かって。

 システムはマップ移動が挟まるタイプのアドベンチャーです。ゲーム期間は2年生の4月から12月末まで。とはいえ、ゲームは1週間単位で進行しますのでそれほど長くはありません。まず、現在の日付が表示され、続いてイベントシーンが挿入されます。されない場合もありますが。その後、移動シーンとなります。移動マップは学校付近のみです。ヒロインのいる場所にはそれぞれのSDキャラが表示され、ポインタを合わせると名前や細かい場所もわかります。SDキャラはオフにすることもできます。また、お目当てのヒロインがいない場合は、そのままその週を終了する事が可能です。ヒロインと遭遇して会話している最中や、その他のイベントシーンでは時折選択肢が表示されます。これの選択で致命的に展開が変わるということは一人のヒロインのシナリオを除いてありませんが、どうも好感度累積型の処理をしてるみたいなので、冷たい選択ばかりしているともしかするとルートが進んでいても最後のイベントだけが起こらない、等ということがあるのかもしれません。
 セーブは30ヶ所で、ゲーム中時間の記録と同時にセーブ時点の画面のサムネイルが保存されます。これは作り方によってはセーブデータが非常に大きくなりますが、ひと目見てセーブデータの内容が判別できるのでなかなか便利ですね。
 既読処理とメッセージスキップは合格です。既読スキップ中に移動シーンに遭遇した場合、トグルをオフにするかどうかを選択できますし、同じく選択肢に遭遇した場合にトグルをオフにするかどうかも選択できます。また、未読メッセージに遭遇しても任意にオフにしない限りスキップフラグが立ちっぱなしになるのは便利です。

 システムは、上で書いた様におおむね快適です。ただ、右クリックの挙動がポップアップメニューの表示なのはちょっととまどいますね。こういう操作系のゲームも多いですが、私はまずメッセージウィンドウが消えて欲しいです。メッセージウィンドウを消そうと思うと右クリックの後に「ウィンドウの消去」を選ばないといけません。そして、元に戻そうと思うと再び右クリックして「ウィンドウの表示」を選ばないといけません。これはF&Cのゲームのように右クリックでメッセージウィンドウ消去中に左クリックでメニュー表示、となってる方がいいのではないかなあ、と思います。また、オプション設定が「プロパティ」と表示されるのもWindows的には正解なんですが他社ゲームでは使われない表現なので、やはりややこしいです。
 メッセージ読み戻しはホイール対応です。巻き戻した位置からの順送りにも対応しています。99メッセージまでさかのぼれて、何個さかのぼったかが一目瞭然なのは良いです。今までその機能が付いていたゲームでことごとく使えなかったのですが、私の環境でもホイールが使えて、その便利さに感服してしまいました。しかし、巻き戻し時のメッセージの色がいまいち読みやすいとはいえないのが残念な所です。
 他にオートクリックという機能もあります。F&Cで言う所のドラマティックモード、なんでしょうけど、今作は音声がないので自動的に進行するだけです。オートクリックの進行速度も設定する事ができるようになっています。
 気になったのは、マウスカーソルのデザインでしょうか。クリックを促す「PUSH↓」というメッセージとマウスの絵が描かれたグラフィカルなモノなのですが、このクリックを促す点滅が非常に細かく、しかも目立つのでエンディングスタッフロールの最中などで目ざわりに感じてしまいました。あまりやっているメーカーはないですが、こういうシーンやオープニングムービーの最中はマウスカーソルを表示しないという処理を入れておいてもいいんじゃないでしょうか。
 CGは、ちょっと立ちCGとイベントCGで絵柄が違ってみえます。といっても、違和感を感じるというより、立ちCGの方がデフォルメされてるという感じのものなのですが。特に立ちCGは、妙に胸が強調されていてHに感じられます。また、この立ちCGは回想シーンなどでも用いられているのですが、その際でも現在と同じものを使いまわしたりはせずにその時間設定に会わせた絵をちゃんと起こしているのには感心させられました。多くのメーカーのゲームではこういうシーンはイベントCG1枚で済ませたり、画面を暗転させて文字だけで進行しかねないのですが、ちゃんとどこにどんな絵が必要かを見極めて作っているという感じがします。イベントCG等は、ヒロイン一人毎に30枚程度ずつ用意されていて、まあまあのボリュームだといえるでしょう。ただ、その半分はたった1回のHシーンに投入されているのですけど(苦笑)。いえ、HシーンのCGが多いのはそれはそれで歓迎ですよ。でも、できればもうちょっと通常のイベントシーンも増やして欲しかったような気がしますね。ともかく、質は問題ない、というか充分美しいレベルのものだと思います。
 音楽は、それぞれヒロイン毎のテーマ曲もありなかなかバラエティ豊かです。オープニング、エンディングはそれぞれ歌付きです。オープニングはいまいち盛り上がりに欠けるなあ、と思っていたのですが、エンディング曲は軽快なテンポとBメロの辺りの雰囲気が非常に気に入ってます。

 シナリオは評判通り、軽妙な会話が心地よかったです。主人公のルーツである「宇宙飛行士になりたい」という諦めてしまった夢を再び追いかける事が主な流れなのですが、シナリオによってはヒロイン側のルーツの為に頑張るという展開にもなります。一部のシナリオでは主人公がヒロインを勝手に拒絶してしまう事があるのですが、それもちゃんと一人で自分を見つめ直し立ち直る過程が描かれているので、納得してみていられました。
 また、裏のヒロインと呼ばれている佳多奈のシナリオは、自閉症という大きな障害を負ってしまった彼女のために献身しいくつかの山を乗り越えて二人で幸せをつかむという過程がしっかり描かれていて、感心させられました。

 1プレイの時間は6時間程度です。音声がないのでそこそこボリュームはあるはずなのですが、お手軽なプレイ時間に収まっています。
 ヒロイン達の個性の描き方や本編シナリオの流れ、音楽、操作感、どれをとっても水準以上です。特に尖がった点はないのですが、学園物が好きな人には躊躇なく薦められる良作ではないでしょうか。

 ……と、結論したい所ですがこれを書いている現在(2001年1月中旬)、同ゲームのDVD版の発売が案内されており、これにはCD-ROM版にはなかったCGが追加収録されるということです。これから購入される方はそちらを待った方がいいかもしれません。
 今手元にあるもので充分に楽しめたのですが……やっぱりこういう事をされるとちょっと悔しいですね。ゲームが気に入っただけになおさらです。

ELYSION〜永遠のサンクチュアリ〜

Terios Windows 95/98 18禁 アドベンチャー
一押し:大原魅麗
 横田守さんで館物というと「河原崎家の一族」というマルチエンド型アドベンチャーの初期の代表作が思い出されます。重厚な雰囲気と、氏の描く美しいヒロイン達、否が応でも期待が高まりますが果たして。

 主人公、葛城遼一。28歳の内科医。父親の運営する病院とその方針に反発して、ベルリンの総合病院で働いていた。だが、とある女性患者の治療に関してのトラブルでその病院を自主退職という形で追い出されてしまった。そうして、再就職のあてもなくじり貧の生活を送っているある時、悪友ともいうべき同僚医師のアレックスから電話がかかってくる。その内容は、とある島に住む大金持ちの主治医にならないかという魅力的な誘い。しかし、破格な報酬やその待遇がどうも胡散臭い。だが、銀行に振り込まれた高額な前金によるプレッシャーと、自分の貯蓄が進退窮まった事で、ついに主人公はその誘いに乗ってしまう。
 主人公は、サンタ・マリア島というありふれた名前の、しかし市販の地図には記載されないような島に降り立つ。その美しい島には、19世紀に建造されたという立派な洋館が建っており、そこには妙齢の美しいメイド達が働いていた。そして、裏のありそうな主人のテオ・パドリーノ、その秘書のシルヴィアーナ。彼らは契約として、理不尽な内容を含む島での仕事を主人公に告げる。
 その不自然なまでに作られた様な「舞台」で主人公はどんな役割を果たすべきなのか。主人公は、この楽園にも似た閉鎖された島から脱出する事ができるのか。

 ゲームは、最近では珍しくなったマップ移動型のアドベンチャーです。プレイヤーはキーボードやマウス、保証外ですがゲームパッドなどを使ってプレイヤーキャラを操作し、会話したいヒロインに接触したり、入りたい部屋のドアに移動させたりします。マップは、階層毎に別れておりそれらの行き来は主に階段で行います。またマップ画面には、その場にいるキャラ達も主人公同様、表示されています。それは部屋にいる場合も同様で、ちゃんと部屋の中にシンボルが表示されていますので、それを狙って行動する事が可能です。もちろん、ヒロインと遭遇しての会話シーンなどは一般的な他社のゲームと同じ形になります。時折表示される選択肢は割とシビアなものが多いので、慎重にプレイしないといけません。
 操作性はいまいちですね。障害物に引っかかっても避けてくれない、極シンプルな移動システムです。また、館の広さを表現したかったのかもしれませんが、移動距離が結構大きく、移動速度が遅いこともあってCTRLキーのウェイトスキップ機能が必須だと思えました。
 時間帯も存在しています。1日は主に午前と午後に別れており、場合によっては夜の移動シーンもあります。これらの時間帯はほとんどの場合プレイヤーが任意に時間を進める選択を行わない限り進行しません。ですので、迂闊な操作で間違った部屋に入ってしまった場合なども安心です。ゲームの冒頭で語られますが、主人公は島に到着してから7日目に自分の担当メイドを一人選ぶことになります。これまでは全ヒロインほぼ共通で進行し、この日からそれぞれのヒロインのシナリオに分岐します。もちろん、それまでの7日間にそれぞれのヒロインのシナリオに分岐するのに充分なフラグを立てておかないといけないですが。
 セーブポイントは14ヶ所用意されており、一日の終わりか移動シーンの任意の場所でセーブ可能です。ヒロインやエンディングの数の割にセーブポイントが少ないのがちょっと不満ですね。
 コンフィグできる項目はあまり多くありませんが、フルスクリーンにしていても画面上にカーソルを持っていくと表示されるメニューバーの「設定」から全ての項目が変更できるのは便利だと思います。

 CGは素晴らしいです。立ちCGの表情豊かさや、背景の書き込み、もちろんビジュアルシーンのヒロインの美しさも文句なしです。原画の魅力を損なう事なくCG化されています。特に背景の書き込みはすさまじく、床、じゅうたん、彫刻のされた石畳、窓ガラス越しの森、壁のレリーフ等など些細な所にも手抜きが感じられません。また、物量もすさまじいです。背景や立ちCG以外のビジュアルシーンだけで、300枚ものCGが用意されています。まさに大作と呼ぶに相応しいでしょう。
 音楽も、物語の雰囲気にあった切なく神秘的な曲から、ヒロイン毎のテーマ曲など、バリエーション豊かで、物語をしっかりと支えてくれています。
 音声はフルボイスではなく、一部ビジュアルシーンだけなのですが、それらのシーンでは男女問わず音声が付いてます。男性も含めて声質、演技共に良好で、できれば全てのシーンに音声が欲しかったと思えました。

 シナリオは、凄かったです。冒頭から国籍が交錯したいろんな引用が乱れ飛ぶのですが、それらは全てきっちり内容を把握したうえで利用されています。物語が進むと、さらに宗教や歴史、民族性や占星術などのキーワードがちりばめられていきますが、それらも決して上辺だけでなくゲームの中のギミックとして有効に利用されています。特に民族性に関しては、こういう一触即発の舞台の中で、日本人的な平和になれた甘い考えというのは命取りなんだなあ、何てことを思い知らされました。それはさておいて、本当にシナリオは凄かったです。それぞれのヒロインがこの島にいる理由やテオの思惑、シルヴィアーナの思惑、主人公がベルリンの病院を辞めさせられた理由、そしてサンタ・マリア島に隠された真実などが、いくつかのエンディングを経ていくうちに少しずつ明かされていきます。久々にいろいろな事を考えながらプレイできました。
 一見メイドさん館物と言うことで、えろえろな内容を期待されるかもしれません。Hシーン用のCG枚数は多いですし、それぞれの内容も肉感的でかなり扇情的ではないかと思うのですが、テキスト描写は比較的短めです。とはいってもその短い描写に対してたくさんのCG枚数が割当たっていますので、見ごたえは充分です。Hシーン自体のバリエーションもヒロインによっては8種類も用意されています。

 不満点は、まず前述の操作系の問題ですね。移動シーンの操作性が悪いのは、ある時まで許容できていたのですが、ゲーム中にリアルタイム操作でトラップを回避しないといけない部分が用意されていた事で、再度評価を下げざるを得なくなりました。マウスの移動カーソルを使って、それらのトラップはまともに抜けられないんじゃないかと思うんですが……
 メッセージが非常に重要なのにバックログ機能がないのも残念な所です。こういう良く練り込まれた物語だからこそ、後から伏線を確認したりする為にバックログ機能は重要だと思うのですが。
 後は、私は攻略情報に頼ってプレイしてしまいましたが難易度が高い点でしょうか。単純にヒロインを追いかけているだけではクリアできない場合などもあるようで、凄い物語に触れることなく投げ出してしまった人もいるのではないかと考えると非常にもったいなく思います。

 発売日に買って1度プレイした後、半年近くも放置しておいたのですが、そのことを後悔させられるような素晴らしい出来でした。とはいえ、ストレートに楽しめたのは、攻略情報を見ながら物語だけを追いかけていったから、というのもあるんでしょう。
 1プレイの時間は攻略を見ながら最低限の行動で、最初の7日間をスキップ気味に進めて5時間程度でしょうか。各ヒロインのシナリオに分岐してからもそれは重厚な物語が用意されていますので、ある程度以上は縮まらないと思います。
 ですが、それだけ時間を割くだけの価値はあるゲームだと思いました。パッケージを見てただのメイドさん館物だと思って無視することなく、絵柄だけでも気になったらぜひプレイして欲しい大作です。

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